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コラム

コロナ禍が変えた「働き方改革」の行方 生産性向上に本当に必要な対応とは?

WRITER
木山 貴雄
シヤチハタ株式会社 システム開発部
大手PCメーカーのサポート業務や大手自動車メーカーでの社内SEを経験後、2005年シヤチハタに入社。シヤチハタフォントの開発・Web受注システムの開発を経て現在はソフトウェア開発部門に所属する。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令され、大手企業を中心に多くの企業がテレワーク(在宅勤務)へと勤務形態を移行させました。宣言が解除された現在においては、在宅勤務を続けるかどうかで各社対応が分かれていますが、もともと働き方改革の一環として政府が主導していたテレワークは、このコロナ禍を受けて一気に進展したといってよいでしょう。しかし、働き方改革の本来の目的である生産性の向上は進んだのでしょうか。
本記事では、新型コロナウイルス感染症の流行が働き方改革へ与えた影響を考察し、企業の生産性を本質的な意味で上げていくために必要な対応についてご説明します。

新型コロナの影響で働き方改革は進んだのか

在宅勤務をはじめとするテレワークは、もともと政府の働き方改革の一環で行われていた取り組みです。柔軟な働き方を選択できるようにすることで、企業の生産性を向上させて長時間労働をなくし、労働力不足に備える目的で推進されていました。

日本社会にテレワークが浸透することには時間を要していましたが、新型コロナウイルス感染症が世界各国で猛威を奮う中、突如在宅勤務が始まったという方は少なくないでしょう。決まった時間に家を出て、決まった時間に出社していたこれまでの日常が、このコロナ禍を契機に大きく変わることとなりました。

テレワークの導入率は増加


実際に、テレワークの企業への導入率は上昇傾向にあります。

まずは新型コロナウイルス感染症が問題になる前の状況です。総務省「令和元年 通信利用動向調査」のテレワーク導入状況によると、テレワークを導入している企業の割合は、2017年時点では13.9%、2018年時点では19.1%、そして2019年時点は20.2%でした。産業別、従業員規模別で差はありますが、全体としては年々上昇傾向にありました。

参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf


直近の調査では、東京都が従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率を緊急調査した結果が公表されています。2020年3月時点ではテレワークの導入率が24.0%(n=400)でしたが、4月時点では62.7%(n=394社)まで伸び、わずか1か月間で38.7ポイントと大幅に増加しました。傾向としては大企業、現場作業や対人サービスのない業種が中心にはなりますが、やはり緊急事態宣言を受けテレワークが進んだことが明らかとなりました。

参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/05/12/documents/10.pdf

長時間労働への改善効果は限定的


テレワークの導入が進んだことは事実といえますが、当初の目的である労働生産性の向上、長時間労働の是正には繋がったのでしょうか。

内閣府が2020年6月21日に発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、たしかにテレワーク等の実施率が高い業種においては、労働時間が減少している傾向がみられました。しかし、仕事の効率性や生産性については、「やや増加した」「増加した」「大幅に増加した」と答えた割合は合わせて9.7%に過ぎず、労働生産性の効果は限定的であったといえます。

参考:https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf

また、在宅での勤怠管理が明確でない企業においては、むしろ長時間労働になりやすくなる可能性もあります。自宅で働くとなると仕事とプライベートの境界が不明瞭になりがちで、実施すべき仕事内容と時間をコントロールする意識を持たなければ、逆に労働時間が伸びてしまいます。直接顔を合わせてのコミュニケーションができないため、意思疎通がうまくできず、対応に時間がかかるといった事態も想定されます。

テレワーク導入で評価は時間から成果へ

このような状況から、テレワークにおいて従業員の業務を適正に評価するためには、やはり労働時間を管理者が適切に把握すると共に、労働時間ではなく成果に応じた評価制度へと移行していく必要があるといえるでしょう。

テレワーク環境が整備されると、働く場所を中心として、従業員の働き方は多様化します。同じ成果が出せるのであれば、毎日決まった時間に決まった場所で働く必要性はなくなります。集中して能率良く業務を進めることが認められれば、本当の意味での生産性向上が期待できます。たとえば出産や育児などを理由に仕事から離れている女性が活躍できるようになり、介護と両立しながら業務を続けられる方も増えることでしょう。多様な人材が活躍できることは企業にとってもメリットが大きいといえます。

テレワークの推進を今、改めて働き方改革の文脈で捉え直し、生産性向上への契機と変えていく姿勢が企業に求められています。

新たな働き方に適応!業務効率を上げるための3つのポイント

人事評価制度を改革するには、社内の理解を得る過程も含め、時間を要することが想定されます。しかし、浸透しつつある柔軟な働き方を今ここで途切れさせずに、労働生産性を向上させていくために、比較的簡単にできることもあります。テレワークにおいて業務効率を上げるポイントとして意識したいことは、次の3点です。

1. チームでのコミュニケーションを頻繁にとる

1点目は、関係者間での意思疎通を円滑に行うことです。テレワークになると直接顔を合わせる機会は減るため、オフィス勤務とは根本的にコミュニケーションの取り方が変わる点に留意する必要があります。認識齟齬が起きないよう、これまで以上に意識的にコミュニケーションを取るよう心掛けましょう。Web会議システムやビジネスチャットといったコミュニケーションツールも効率化のために役立ちます。

2. スケジュール管理を徹底する

2点目は、タスク・スケジュール管理を徹底することが挙げられます。テレワークにおいては、基本的に業務の進め方が個人に委ねられる部分が多くなります。時間を有効に使うためにも、何時から何時までどのような仕事をどこまで実施するのか、スケジュール管理次第で生産性は格段に変わるといえるでしょう。

管理する側としても、部下の業務を可視化してある程度把握しておくことが大切です。プロジェクト管理ツール、To Doリストといったツールも活用して効率化を目指しましょう。

3. ツールを積極的に活用する

3点目は、効率化のためのツールを積極的に活用することです。既に触れている点でもありますが、コミュニケーションツールやスケジュール管理ツール以外にも、テレワークにおいて生産性を向上させるためのツールは多数提供されています。勤怠管理システムや電子決裁システムなど、会社が導入するツールを積極的に使いこなすことで、大きく効率化が図れます。

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生産性向上は今後の取り組み方次第で可能に

新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして広がりつつあるテレワークですが、働き方改革において生産性を向上させるという意味においては、まだ課題が多い現状があります。しかし、業務効率化・コスト削減のために今から徐々に始めることができる対応もあります。今後の生産性向上のためには、各企業の実情に合わせた取り組みが求められます。