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企業のコスト削減の優先順位は?利益最大化のために見直すべきコスト

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企業の利益を伸長させていくためには、コスト削減への取り組みを避けては通れません。利益は「売上−コスト」で成り立っています。売上を増加させても、コストがかさめば、結果的に利益は少なくなってしまいます。コスト削減は役職や職種を問わず、社員一丸となって取り組める施策です。
本記事では、優先的にコスト削減に着手すべき具体的な項目をご説明します。

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コストの種類

はじめに、企業には、どのようなコストがあるのか整理していきましょう。

エネルギーコスト

エネルギーコストとは、電気代や水道代、ガス代などのオフィスの光熱費を指します。一般財団法人省エネルギーセンターによると、オフィスのエネルギーの約40%が照明に使用されているといいます。社内で仕事をしている社員や、残業をしている社員が多いと、エネルギーコストがかさむ傾向があります。

オフィスコスト

オフィスコストとは、備品代や通信費、システム利用料など、オフィスで必要なコストを指します。備品の無駄遣いや不必要なコピーはオフィスコストの増大に直結します。ペーパーレス化など、社内全体でコスト削減に取り組んでいない場合は、社員の節約意識の有無に左右される部分といえます。

オペレーションコスト

オペレーションコストとは人件費や物流費を指します。人件費の中には残業代や交通費、接待費も含まれるため、社員の出張や移動が多い場合はオペレーションコストがかさむ傾向があります。

https://www.eccj.or.jp/office_bldg/01.html

コスト削減に取り組む場合の優先順位

エネルギーコスト、オフィスコスト、オペレーションコストの3種類のうち、どのコストの削減効果が高いのでしょうか。また、すぐに着手できるのはどれでしょうか。

取り組みの優先順位としては、「すぐに実行でき、効果の高い施策」から着手し、その次に「すぐに実行でき、多少の効果が見込める施策」、最後に「すぐには実行できないが、効果の高い施策」へと段階的に実施していくことがおすすめです。具体的には、人件費の削減が効果としては大きいはずですが、社員の人生に与える影響が大きく慎重を要するため、順番としてはコピー代などオフィスコストの見直しから着手するのがよいでしょう。

(表1)コスト削減に取り組む場合の優先順位

すぐに実行でき、効果の高い施策 コピー代などのオフィスコストの見直し
すぐに実行でき、多少の効果が見込める施策 光熱費などのエネルギーコストの見直し
すぐには実行できないが、効果の高い施策 人件費などのオペレーションコストの見直し

エネルギーコストを削減できるアイデア

本章から、コスト削減施策をご紹介します。まずは、エネルギーコストを削減できる3つのアイデアをご紹介します。

パソコンのこまめな電源オフなど電気代の節約

パソコンやモニターの電源を付けっぱなしのままで帰宅してはいませんか。使用していない時間帯の電気は可能な限り節約するルールを作り、徹底させましょう。基本的なことではありますが、使っていない部屋の電気は必ず消すことも大切です。ポスターを貼るなどで社員に節約の意識を植え付けるようにしていきましょう。

エアコンの設定温度を適温にし、クールビズを実施

エアコンは温度設定を1度変えるだけで電気代が変わるといわれています。エアコンの設定温度を適温にし、むやみに温度変更をしないことで、エネルギーコストを削減できます。ただし、夏場にジャケットを着ている社員に、エアコンの温度を下げるなと言うのは、酷といえるでしょう。同時にクールビズを導入するなど、職場環境の改善にも努めることが重要です。

テレワークの導入による出社人数の削減

電気代などの光熱費は、オフィスにいる人数が少なければ少ないほど削減が可能です。テレワークを導入することにより、業務を滞らせることなく、オフィスに出社する人数を減らせます。
総務省によると、テレワークを導入することによりオフィス自体の電力消費量は一人当たり43%削減可能と試算されています。

LED照明の導入

LED照明の導入など、会社の設備自体を変更するのも一つの方法です。LED照明は白熱電球と比べ、消費電力を抑えることができるといわれています。会社の設備変更は初期費用がかかりますが、実施すれば一定の効果が見込めます。

電力会社の変更

2016年4月より、電力会社を自由に選べるようになりました。電力自由化の開始により、自社に適したプランを有する電力会社に切り替えることも可能です。オフィスビルに入居している場合は、管理会社によって電力会社が決められていますが、自社ビルの場合は電力会社を切り替えることが可能です。まずは、地域の電力会社を調査し、プランを比較してみてはいかがでしょうか。

http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h30/html/hj18010305.html

オフィスコストを削減できるアイデア

次に、オフィスコストを削減できるアイデアをご紹介します。

ペーパーレス化によるコピー代の削減

フルカラーで印刷をしている会社は減ってきているかと思いますが、会社のパソコンの印刷設定をモノクロ印刷、両面印刷に変えることで、コピー代を削減できます。今では資料の共有はデータで行えますので、紙の資料の配布は思い切って禁止にするなどでも高い削減効果に繋がるでしょう。

印刷に一度失敗した裏紙の利用をする会社もあるかもしれませんが、情報漏洩リスクの観点から、あまりおすすめできません。それよりもペーパーレス化を推進する方法の検討へ舵を切りましょう。

▼ペーパーレスについて詳しく知りたい方はこちら

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通信費の削減

全社員に電話機を配布している場合、本当に全員必要かどうか見直してみてはいかがでしょうか。あまり電話のかかってこない部署なら、部署や課、グループに1台でもよいのかもしれません。また、内線での通話が多く、外線がほとんどかかってこないのであれば、Skypeなど無料通話ができる仕組みの導入を検討してみるとよいでしょう。

郵送や宅配便で送っている書類やデータについても、メールやオンラインストレージなどによる送付に代替できないか見直しをしてみましょう。代替できるのであれば郵送代のみならず、郵便物を用意するための時間も節約になります。見積書や請求書も会社によってはデータ送付でよい場合があります。取引先の状況に合わせてデータ化も検討しましょう。

自社システムやサーバー保守費の削減

自社専用のシステムやサーバーを導入していると発生する維持費や管理費は、クラウドサービスに切り替えることにより削減が可能です。クラウドサービスでは、ネットワークを経由してサービスを利用するため、社内にシステムやサーバー、管理者が必要ありません。

家賃の削減

自社システムやサーバーを削減し、クラウドサービスを導入すると、テレワークへの移行がしやすくなります。テレワークを導入し、オフィスにいる人員が減少すれば、広いオフィスが必要なくなります。賃料の安いオフィスに移転したり、シェアオフィスを借りたりすることによって家賃の削減が可能です。

運送コストや清掃コストの削減

発送業務の多い企業では、運送業者や契約内容を見直すことで、コスト削減に繋がることがあります。他には清掃など、他社に委託している業務を洗い出し、見直してみるとよいでしょう。

オペレーションコストを削減できるアイデア

次にオペレーションコストを削減できるアイデアをご紹介します。

交通費の削減

出張が多い方は、交通費だけで大きなコストがかかります。社内同士やパートナー企業との打ち合わせなどは、TV会議で代替可能であればそのほうがコスト削減になり、かつ移動時間もなくなって一石二鳥です。お客様対応は対面でなければならない場合もあると思いますが、本当に対面が必要か今一度検討してみましょう。

また、通勤定期券を1ヶ月単位で支給しているようであれば、6ヶ月単位に変更してみてはいかがでしょうか。社員数が多いほど削減効果が生まれます。タクシー代についても、事前申請するフローに変更すれば、無駄遣いを削減できます。

車両費の削減

営業車などを保持している企業は、保険料や燃料費などの維持費がかかります。カーシェアリングやカーリース、頻度によってはレンタカーの利用を検討することで、コスト削減に繋がる可能性があります。それぞれ利用した場合にかかるコストを試算してみましょう。

接待費などの削減

最近では接待の規制が厳しくなってきたこともあり、昔ほど過剰な接待は行われないようになりました。可能であれば時代背景を理由にそうしたお付き合いや、お中元、お歳暮を贈る風習についても見直してみましょう。

残業代の削減

残業代はオペレーションコストに含まれ、削減効果が高い分野になります。漫然と残業をしている場合は、定時退社を促す取り組みとしてノー残業デーを設定してみてはいかがでしょうか。早く帰らなければならないことを事前に想定できれば、その日行うべき業務を整理し、時間内に終わるよう社員それぞれが工夫するようになります。

残業する場合は事前に申請を義務付けることも検討しましょう。まずは時間がコストである認識を社員に持ってもらい、無駄な時間を作らない意識を浸透させることが大切です。

採用コストと教育コストの削減

離職率が高いと、求人広告費がかさむだけでなく、採用や新人教育に時間を割かなければならなくなります。利益向上のための業務が行えず、いつまで経っても会社が成長しないという悪循環に繋がりかねません。採用コストを削減するといっても、安易に求人広告費を削減するのではなく、社内環境の整備など、離職の原因を見直すことで、長期的に採用コストと教育コストを削減することが重要です。

(表2)コスト削減のアイデア まとめ

エネルギーコストの削減 ・パソコンのこまめな電源オフなど電気代の節約
・エアコンの設定温度を適温にし、クールビズを実施する
・テレワークの導入による出社人数の削減
・LED照明の導入
・電力会社の変更
オフィスコストの削減 ・ペーパーレス化によるコピー代の削減
・通信費の削減
・自社システムやサーバーの削減
・家賃の削減
・運送や清掃のコスト削減
オペレーションコストの削減 ・交通費の削減
・車両費の削減
・接待費などの削減
・残業代の削減
・採用コストと教育コストの削減

コスト削減意識を社内に根付かせるには?企業文化の作り方

ここまで具体的な取り組みをご紹介してきました。しかし、このようなコスト削減は、会社全体で取り組まないと効果が上げられず、あまり意味がありません。ここからは、コスト意識を社内に根付かせるためのポイントをご説明します。

目的を明確にする

コスト削減意識を社内に根付かせるためには、まず目的を明確にし、社員へ共有して正しく理解してもらうことが必須といえるでしょう。冒頭で紹介したように、企業の利益を生むために必要で、巡り巡ってそれは自身に還元されるものであることが伝われば、社員も積極的に取り組むようになるでしょう。

マネージャークラスが率先して行う

組織の要となるマネージャークラスが率先して行うことも必要です。社員一人ひとりが意味を理解し、上司も実践していれば、徐々に会社の文化として浸透していきます。

業務のシステム化を行う

社員の意識については以上の通りですが、社内でこれまで当たり前のように行われていた業務フローにも着目しましょう。業務フロー改革の基本的な考え方としては、今まで人が行ってきた作業を、システムの力を借りることで効率化し、本来集中すべき業務に邁進できる環境を作っていくことになります。

例えば勤怠や経理、決裁などの申請承認手続きといった、社員がほぼ毎日携わる手続きのフローをシステム化すると、大きな効果を上げられることが見込めます。抜本的な改革は拒絶反応を示されることもあるので、現在活用している仕組みと併用しながら徐々に実施していくことが望ましいでしょう。

▼コスト削減の事例について詳しく知りたい方はこちら

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コスト削減を推し進める際の注意点

コスト削減の推進にあたり注意すべきは、社員のモチベーションを落とさないようにすることです。コストカットと聞くとどうしても人件費の削減が連想されますが、それは最後の砦と考えましょう。またこれまで出ていた福利厚生費が突然出なくなったり、今まで経費でできていたことが急に「無駄」と言われるようになったりすると、社員の士気を下げかねません。「うちの会社は経営が厳しいのだろうか……」と必要以上に不安にさせてしまう可能性があります。

「収益を上げるため」という目的を理解させることが大切であり、社員が前向きに取り組めるように配慮し、コスト削減を推進していきましょう。取り組みによりいくらコストが削減できたのか、収益がどの程度確保できたのかを明示するとより効果的です。

また、業務フローのシステム化は重要ですが、複数のシステムが混在し結局管理はできずコストもかさむのでは本末転倒です。なにか新しいツールを導入する際には費用対効果に加えて、社員にとっての使いやすさや管理責任者をどう立てるのかなど、事前に検討することが大切です。

業務のシステム化にはクラウドサービスの導入が有効

業務のシステム化を行い、コスト削減を進めるにはクラウドサービスの導入が有効です。コスト削減の注意点でも解説した通り、新しいシステムは、費用対効果と使いやすさを重視することが重要です。クラウドサービスはサーバーの増強やソフトウェアのインストールが必要ないため、安価に始められます。導入費用が安価なため、試験導入により、社員の反応を見ることも可能です。

シヤチハタの「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は、文書の回覧や捺印を電子化することのできるクラウドサービスです。電子文書上に印影を押すことができるため、はんこに慣れ親しんでいる方にも受け入れやすいサービスといえます。
Shachihata Cloudのように、クラウドサービスの中には企業文化を活かしながら、コスト削減を行えるサービスがあります。企業文化に合わせてサービスを選ぶとよいでしょう。

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社員のコスト意識改革で会社の利益最大化へ!

コスト削減は全社一丸となって取り組むことで高い効果が生まれます。まずは簡単に取り組めて効果の高いことから順番に、社員が前向きな気持ちで参加できるように注意しながら推進する方法を検討しましょう。

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WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。
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