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コラム

電子印鑑とは?メリット・デメリット・法的な効力など、基礎知識と活用方法について

WRITER
小倉 隆幸
シヤチハタ株式会社 システム開発部部⻑
入社後30年を経過中。入社当初は営業部門に配属され12年間市場動向を学び、その後現在のシステム部門へ移動。17年目を迎える(ん︖)現在も、強い意を持ちながら営業、企画に情熱を注ぎこむ55歳。

紙書類をなるべく減らす「ペーパーレス化」が進んでいる今の時代、電子文書にそのままパソコン上で捺印できる電子印鑑が注目を集めています。今回は、電子印鑑とはどのようなものなのか、作成方法やセキュリティ・法的な効力・メリット・デメリットなどについて解説します。

電子印鑑とは

電子印鑑とは

電子印鑑とは、日本で昔から行われてきている紙に「捺印する」という行為を電子化したものです。平たくいえば、「パソコン上で使える印鑑」と言えます。電子印鑑があれば、PDFやExcel・Wordなどで作成したパソコン上の文書に画面上で押印できます。

電子印鑑が普及している理由

・ペーパーレス化の促進

電子印鑑は近年さまざまな場所で普及しつつあります。その主な理由は、「紙書類を削減しよう」というペーパーレス化の動きが活発化しているからです。以前は、パソコンで作成した稟議書や申請書などの電子文書を紙に印刷し、そこに捺印するのが一般的でした。しかし近年では、従来通り紙書類を使用しつつも、紙書類を電子化する動きが広まってきています。

・パソコンやタブレット・スマホの普及

電子印鑑を使うには、パソコンやタブレット・スマホが必要です。近年では、パソコンやタブレット端末などのデジタルデバイスが普及し、一人一台以上の所有もめずらしくありません。また、紙を使わずデジタルデバイス上で仕事を完結させるケースも増えています。ペーパーレス化・電子印鑑は時代にマッチした新たなスタンダードと言えるでしょう。

・リモートワーク・フレックスタイムワークの増加

働き方改革により、オフィスではなく自宅で仕事をしたり、変則的な勤務体系で勤務したりする人が増えています。そのため、対面で手渡したり捺印したりの作業が必要な紙書類は、職場によっては扱いづらくなってきています。その点、「電子書類×電子印鑑」は、場所や時間を選ばずにやり取りが可能です。現代の働き方にマッチした方法であることも、電子印鑑が普及している一因だと言えます。

・官公庁手続きの電子化傾向

近年では、官公庁の手続きの電子化が本格化しつつあります。2020年度分からは法人税の電子申告が義務化される予定で、一定規模以上の企業はオンラインで税申告が必要になります。このような動きとともに、今後増々ペーパーレス化の動きが高まりつつあります。

電子印鑑の種類~実印・認印から代表者印・社印(角印)・スタンプまで~

電子印鑑は、実際の印鑑の印影をもとに作成できます。まずは、印鑑の一般的な種類をご説明します。

一般的な印鑑の種類

・個人が使う印鑑

①実印

住民登録のある地方自治体に登録している「実印」です。簡単にいえば、公的に認められたハンコのことを指します。実印は、自分の財産や権利を守るためのとても重要な印鑑です。認印に比べて効力が高く、土地売買の取引や住宅の購入といった重要な場面でも使用できます。

②銀行印

銀行など金融機関に口座を開設するときに使用する印鑑です。「銀行印」という名称の印鑑があるわけではなく、金融機関で登録したものがすなわち銀行印になります。

③認印

一般的な書類に対して本人が確認を行った旨を示すための「認印」です。本人の名前で作成されてさえすれば、文房具店や100円ショップなどで購入したものでも使用できます。

・会社で使われる印鑑

①代表者印(会社実印)

代表者印は、会社の設立登記時に法務局で登録するものです。会社の代表者としての役割を果たす印鑑といえます。契約の締結時などに使用され、非常に重要な役割と効力をもちます。一般的には直径18mmの丸印で、会社名を外側の円の中に、役職名を内側の円の中に入れます。

②会社銀行印

金融機関に会社の口座を開設するときに登録する印鑑です。一般的には、代表者印と区別がつきやすいよう一回り小さい丸印で、外側の円の中に会社名、内側の円の中に「銀行之印」などの文字を入れます。

③角印(社印)

角印は、いわば個人印鑑でいうところの認印のようなもの。主に注文書や請求書などの文書や稟議書・社内文書に使用されます。 ビジネスでよく用いられるハンコには、代表者印・会社員(角印)・役職印・銀行印・個人印・日付スタンプ・承認印・領収印などがあります。これらはすべて電子印鑑として作成可能です。

電子印鑑に適した印とは?

電子印鑑に適した印とは

電子印鑑に適しているのは、認印や日付印、役職印、角印などです。近年ではビジネスにおいても個人の生活においても電子書類が用いられる機会が増えています。実物の印鑑とは別に、認印や角印を電子印鑑として準備しておくと便利です。

電子印鑑の入手方法

電子印鑑を作成する方法は、大きく分けて以下の3通りです。

WordやExcel・PowerPointなどのOfficeツールを使う方法

最も手軽なのは、パソコンに入っているOfficeツールのWordやExcel・PowerPointで作成する方法です。使いたい文字(名字や「承認」など)を入力し、図形ツールの円や四角で囲うだけ。画像として保存しておけば、印鑑として利用できます。ただし、ツール内のフォントは誰でも使用できるため、誰でも同じものを作れてしまいます。そのため、このようなツールで作成した電子印鑑では、本人であることの証明力が乏しくなります。

紙に押した実物の印鑑の印影をスキャンして読み込む方法

手元にある印鑑の印影を電子印鑑にする方法もあります。印影をスキャンし、その画像データをパソコンに読み込みます。Officeツールでパソコンのフォントから作るのに比べて、オリジナリティの高い電子印鑑が作れます。ただし、画像データから印鑑本体を複製されて不正利用されるリスクがあり、セキュリティ面が懸念されます。

電子印鑑サービスを利用する方法

サービスによって内容に違いはありますが、パソコンのログイン情報と結びつけた個人認証機能がついていたり、印影データに持ち主の識別情報や押した時間の記録情報付与されていたりします。つまり「いつだれが何に印鑑を押したか」の履歴が残るのです。

ビジネスシーンでの利用を考えると、偽造や不正使用などの悪用を防止する機能がついたサービスを利用するのが懸命です。

電子印鑑の効力

電子印鑑として効力があるのは、「③ 電子印鑑サービスを利用する方法」で作られたものです。シリアル番号付きのオーダーメイドなので、複製できない世界にひとつだけの印鑑です。電子印影にいつ捺印したかなど、操作に関わる情報も取得可能。こういった工夫がされた電子印鑑には証拠能力があり、正式書類や公文書に捺印できる印鑑として使用できます。

電子印鑑のセキュリティについて

結論から述べると、電子印鑑の利用に対する不安を払拭するためには、セキュリティ対策が万全な有料作成サービスの利用をおすすめします。

前項で取り上げた、「①WordやExcel・PowerPointなどのOfficeツールを使う方法」は簡単ではありますが、誰でも同じものを作れてしまうという問題があります。また、「② 紙に押した実物の印鑑の印影をスキャンして読み込む方法」には、画像データから印鑑を偽造・不正使用される可能性があります。そのため、これらはビジネスシーンや公的な文書には使用できません。

その点、「③ 電子印鑑サービスを利用する方法」は、パソコンのログイン情報と結びつけた個人認証機能がついていたり、印影データに持ち主の識別情報や押した時間の記録情報が付与されていたりするので、セキュリティ面で信頼がおけます。

電子印鑑のメリットとデメリットをご紹介!

電子印鑑のメリット

パソコン上で捺印・承認!決裁フローがスムーズになる

電子印鑑があると、パソコン上で決裁フローを完結することが可能です。書類を紙に印刷しなくても、パソコン上で電子文書に目を通し捺印、そのまま次の人にメールや共有フォルダ上で書類を回覧できます。そのため、決裁フローが圧倒的にスムーズになります。

コストの削減になる

電子文書×電子印鑑を用いれば、紙に印刷する必要がなくなるため、印刷にかかるコストが大幅に削減できます。インク代や紙代だけでなく印紙代も不要に。

・書類管理がラクになる

紙の書類を保管・管理するのは大変です。過去の書類を見返したいときにすぐにほしい書類が見つけられるよう、常日頃から膨大な書類を整理・管理しておく必要があります。その点、電子書類×電子印鑑であれば、書類の保管はすべてパソコン上に保存可能。検索は容易になり、さらに物理的な保管スペースも取りません。

これらのメリットによって、決裁作業やデータ管理作業のために使う時間が短縮され、社員が新しい仕事に割く時間をつくれるようになります。その結果、事業活動全体が円滑に回るようになるでしょう。また、近年増えているリモートワーク(出社せずに自宅などで仕事をする働き方)やフレックスタイムワーク(勤務時間が流動的な働き方)にも対応しやすくなり、より多くの人が働きやすい職場環境づくりを進められます。

電子印鑑のデメリット

なりすまし・不正使用……セキュリティ面の不安

電子印鑑に関して最も懸念されるのは、セキュリティ面です。電子印鑑の場合、「本人が目の前でハンコを押す」わけではないので、なりすましや不正使用が心配されます。「いつでも・どこでも捺印ができる」というメリットがある一方、いつ誰が押したかを把握するのが難しいのです。

しかし、このような不安はセキュリティ対策が万全な電子印鑑サービスを利用することで回避できます。ログイン情報による本人確認や、印影への識別情報やタイムスタンプ付与により、いつ誰が捺印したか履歴が残るため、なりすましや不正使用を予防できます。

導入コストがかかることがある

上記のようなセキュリティ対策がしっかりした電子印鑑を取り入れるには費用がかかります。サービスによって費用はさまざまですが、印鑑をひとつ作るごとにお金がかかったり、システムを導入する費用がかかったり、月額使用料がかかったりすることもあります。

ただし、ペーパーレス化によるコスト減・作業効率のアップなど、電子印鑑を導入した場合の費用対効果を考えると決して高いとは言えないのではないでしょうか。

取引先の同意が必要

電子印鑑は電子書類の普及とともに急速に広まりつつありますが、それでもいまだ電子印鑑を採用していない企業は少なくはありません。契約書を交わす取引先が電子化に理解がなければ、従来通り紙書類に実物の印鑑を捺印する作業が必要です。後々でトラブルにならないよう、契約前に取引先の同意を取るのを忘れないようにしましょう。

シヤチハタが提供する電子印鑑のメリット!

電子印鑑を利用するのであればセキュリティが万全で印鑑としての効力が高いものを選ぶのをおすすめします。

シヤチハタの電子印鑑サービスでは、ベーシックな個人の認印、見積もり書や請求書に最適な角印、日付印などを作成できます。使用時にはユーザー認証を行うことによって不正使用を防止。また、利用シーンにあわせて、捺印と同時に文書を保護する機能や電子署名を付与する機能なども利用できます。捺印後の文書のセキュリティ強化が可能です。

今後ますます使用する機会が増えると予想される電子印鑑。ビジネスシーンではもちろん、プライベートでもひとつ 持っておくと便利です。ぜひ実績と信頼のあるシヤチハタで電子印鑑を利用してみてはいかがでしょうか。