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コラム

紙書類から電子書類へ。ペーパーレス化のメリットとは?成功の秘訣も

WRITER
小倉 隆幸
シヤチハタ株式会社 システム開発部部⻑
入社後30年を経過中。入社当初は営業部門に配属され12年間市場動向を学び、その後現在のシステム部門へ移動。17年目を迎える(ん︖)現在も、強い意を持ちながら営業、企画に情熱を注ぎこむ55歳。

近年よく耳にする「ペーパーレス化」というワード。紙書類の使用を減らしてできるだけ電子文書を用いようという試みです。企業を始め、自治体や学校でもペーパーレス化が広まりつつあります。
そこで今回は、ペーパーレス化とはそもそも何なのか、紙書類から電子文書に切り替えることによるメリット・デメリット・成功事例などをご紹介します。

そもそもペーパーレスとは?

ペーパーレスとは、契約書や報告書などの書類を電子書面でやりとりし、紙を使わないようにしようという取り組みです。近年、多くの自治体や企業・学校などで推進されています。

ペーパーレス化を推進する法律改正

ペーパーレス推進の取り組みには、2005年4月に施行された「e-文書法」と、同時に改定された「電子帳簿保存法」が大きく関係しています。「e-文書法」の施行と「電子帳簿保存法」の改正により、従来法令によって紙書類での保存が義務付けられていた国税関係書類などの法定保存文書を電子データで保存することが認められたのです。

ただし、当時の制度にはいくつかの制限があり、それが電子化のハードルを高くしていました。
例えば、3万円以上の契約書や領収書は電子化が認められていませんでした。また、電子書類に付与する電子署名は電子署名法で定められた認定事業者によるものでなければならず、そのコストや手間は決して少なくはありませんでした。さらに、紙書類をスキャンする際に使用できるスキャナの要件が細かく決まっており、その規格は紙書類で保存するときよりむしろ厳格でした。こういった制限があったため、当時はペーパーレス化がなかなか進まなかったのです。

そこで2015年に、まずは「電子帳簿保存法」の改正が行われました。この改正により、金額に関わらずすべての契約書や領収書の電子保存が可能に。また、スキャナの要件は大幅に緩和されました。

さらに2016年には、「e-電子法」が改正されました。この改正により、スキャナを使用しなくてもスマホやデジカメでの電子化が可能に。その代わり、書類の改ざんや使い回しを防ぐために、書類を受領した本人の署名・3日以内のタイムスタンプの付与が要件に追加されました。

このような度重なる改正を経て、現在ではペーパーレス化の促進の波はますます大きくなっています。

近年急速にペーパーレスが促進されている背景

そもそもなぜペーパーレス化が促進されているのでしょうか。

●PCの普及・ネットワークの整備……ペーパーレスができる土壌が整ってきたから
2004年以前にもペーパーレス化が促進された時代がありました。深刻化する森林伐採問題を受け、環境保全の観点による取り組みでした。
しかし、当時は「書類をデジタル化するデバイスが今ほど普及していなかった」「データを保存するコストが高かった」「ネットワークも未成熟だった」などの理由で、ペーパーレス化はさほど進みませんでした。そのため、依然として紙書類が主に用いられていたのです。

その点、現在はペーパーレス化・電子文書の切り替えにはもってこいの時代です。パソコンやスマホが普及し、データを保存するストレージも低価格になり、ネットワークも確立されているからです。時代の後押しとともに社会の土壌が整ったことも、ペーパーレス化の急速な普及の一要因だと言えるでしょう。

このほか、前項で説明した「e-文書法」の改正も影響しています。以前は法律上、紙の書類で保管しなければならなかった文書が、この改正によって電子文書で保存できるようになりました。

ペーパーレスのメリット5つ

紙書類をやめて電子文書に切り替えることにより、以下のメリットが期待できます。

① 業務の効率化
・書類をデータ化してオンラインで保存することによって、知りたい情報の「検索」が可能に
・電子文書をメールや共有フォルダで共有できるので、稟議書などの回覧がスムーズに
・働き方改革によるフレックスタイムワーカー・リモートワーカーが多い職場でも、手渡しの必要がない

② コスト削減
・電子文書には収入印紙代がかからないので、大幅なコスト削減につながる
・印刷代や人件費・郵送費・書類の保管コストなどの削減にもなる
・海外や遠方との取引が多い企業では、書類の郵送費がなくなってコスト削減になる

③ 保存性の高さ
・紙書類は盗難や紛失・火災などで失ったら復元はできないが、電子データならバックアップがある

④ 省スペース
・文書を保管する場所が必要なくなるのでスペース削減になる

⑤ 環境への配慮
・紙の使用量が減れば、森林伐採や地球温暖化などの環境問題改善につながる

ペーパーレスのデメリット

一方、ペーパーレス化にはこんなデメリットも。

① ITに明るくない人にとっては負担になる恐れがある
・ペーパーレス化で電子文書がメインになると、パソコンに不慣れな人にとっては負担になることも
・メンバー全員のITリテラシーにばらつきがあると、業務が滞ることも

② ペーパーレス化によるオペレーションの変化を検討する必要がある
・電子化によって業務のオペレーション変更の必要性が生じることも
・電子化によってどのような変更が必要か、事前にシミュレーションをしておく必要がある

③ 導入コストがかかる
・電子文書に切り替えるには、社員全員にパソコンやタブレットなどのデバイスを支給する必要がある
・電子書類を作成・回覧するシステムを導入する場合、導入コストが必要

ペーパーレスの現状

近年、企業はもちろん学校や自治体なども含めて急速に広がりつつあるペーパーレス化促進の動き。徐々に浸透しつつあるものの、まだまだ「ペーパーレスが当たり前になった」とは言い切れません。

日本製紙連合会が発表している「紙・板紙統計年報」によると、情報用紙(コピー用紙・インクジェット用紙・ノーカーボン用紙・感光紙・感熱紙など、各種OA機器で用いられる用紙)の供給量は、2013年は1,312千トン、2014年に1,343千トン、2015年に1,313千トン、2016年に1,328千トン、2017年に1,293千トン。2013年から2016年までほぼ横ばい、2017年にはじめて1,300千トンを下回っています。

この結果からは、前出の法改正も手伝って徐々に紙書類を廃止する動きが見えるものの、まだまだ紙を使用する場面が多いことがわかります。「紙書類を減らしたいけれど、電子文書への移行はハードルが高い」と感じている企業は少なくないのでしょう。

企業でペーパーレスが進まない3つの理由

ではなぜ、企業でペーパーレス化が進みにくいのでしょうか。その理由として以下の3点が考えられます。

① 導入のハードルが高い
ペーパーレスを開始するにあたり、文書を電子化するためのシステムを自社で開発・または外部システムを取り入れる必要があります。この際にかかるコストが導入ハードルを上げる一要因となっているのかもしれません。
また、導入にあたり全社員にパソコンやタブレットなどのデジタルデバイスを供給する必要があります。社員数の多い職場であればあるほど、そのためのコストがかさみます。

このほか、これまで紙書類をメインに使っていた職場では、電子化によって業務オペレーションが大きく変化する可能性があります。「業務オペレーションの変更を余儀なくされるのでは」「それにより業務に滞りが出るのでは」といった不安が生じるかもしれません。

② 社員のITリテラシーが懸念される
パソコンやタブレットなどのデジタル機器に不慣れなスタッフが多い職場では、電子化に反対する声が多数あがるかもしれません。特に年齢層の高い会社では、IT機器に苦手意識を持っている人が多いことも。
そういった職場では、電子化の前にまずはパソコンなどのデジタルデバイスやソフトウェアの使い方・セキュリティなどに関する研修が必要です。

② 社員のITリテラシーが懸念される
パソコンやタブレットなどのデジタル機器に不慣れなスタッフが多い職場では、電子化に反対する声が多数あがるかもしれません。特に年齢層の高い会社では、IT機器に苦手意識を持っている人が多いことも。
そういった職場では、電子化の前にまずはパソコンなどのデジタルデバイスやソフトウェアの使い方・セキュリティなどに関する研修が必要です。

ペーパーレスを実現するには?ペーパーレス化を進める3つのポイント

前述のような課題をクリアし、ペーパーレス化を実現するためのポイントは下記の通りです。

① 社内のIT環境を整備する
ペーパーレス化を実現するためには、まずは社内の環境を整えるのが先決です。各社員にパソコンやタブレット端末を配布し、情報を共有できるクラウドストレージの活用を。その上で、ITが苦手な社員がいる場合は、ソフトウェアの使い方やセキュリティ対策に関する知識などの研修を行いましょう。

② 一部の部署・プロジェクトで試用してみる
いきなり全社で運用開始ではなく一部運用から始めるのもひとつの手。いきなり全社導入した場合、問題が起きた際の対処が大変です。
ITリテラシーの高い人が多い部署のみで試験的に運用してみたり、プロジェクトごとに実施してみたりするのがおすすめです。期間も定めて限定的に実施し、そこで出てきた課題改善に取り組んだ後に段階的にペーパーレス化の範囲を広げると良いでしょう。

③ ペーパーレス化の必要性を示す
ペーパーレス化するということは、これまでの業務フローに大きな変化がもたらされるということです。当然、反対する人や不安を感じる人もいると予想されます。まずは、導入前にそのメリットや予想される成果などをきちんと開示しましょう。その上で、ペーパーレス化によって個人の業務にどのような変化がもたらされるのかなど、具体的なフローについて丁寧な説明が必要です。

ペーパーレス化の成功事例

●社会福祉法人幸生会
・ペーパーレス化を進めたきっかけ
特別養護老人ホームや障害者支援施設・保育所などさまざまな施設を運営する同法人。こちらでは、休暇申請や施設の修繕申請・施設ごとに必要な補助金申請・実績報告など、さまざまな申請業務が発生しますが、長年紙による運用を続けてきました。しかし、施設数が増えていく中で紙の運搬の手間や申請から承認までの時間ロスが問題に。そこでペーパーレス化に踏み切ったのでした。

・ペーパーレス化でもたらされた変化
同法人では、各施設内での申請・回覧の段階では従来通り紙の書類を利用しています。その後、施設長をはじめとする複数の承認者が捺印した書類をPDF化し、本部へメールで送信。「電子決裁でないと申請を受け付けない」という運用ルールを徹底し、ペーパーレス化に踏み切りました。その結果、以前は承認まで2週間程度かかっていたものが、今では2日あまりで終わることも。申請から決裁までの期間が大幅に短縮されました。今後は、いまだに紙書類を運用しているフローについてもペーパーレス化を進めていきたいと考えています。

●日本証券金融株式会社
・ペーパーレス化を進めたきっかけ
証券会社へのファイナンスを中心事業とする同社。こちらでは、貸借取引関係を中心に日々たくさんの稟議書が申請されています。さらに経理関係や人事関係・総務関係なども含めると、申請される稟議書の数は年間1,000件を超えます。これらすべてを紙書類で運用するのは大変な手間と時間がかかっていました。そこで稟議申請・決裁業務の効率化に向けて、ペーパーレス化・電子文書の利用が進められたのでした。

・ペーパーレス化でもたらされた変化
現在はすべての稟議申請・決裁業務を電子化し、設定したフローにしたがって承認・決裁作業を行っているとのこと。これにより決裁業務にかかる時間が大幅に短縮しました。また、ペーパーレスを実現したことで書類の保管スペースが不要になり、省スペース化にも貢献したそう。さらに、処理済みの稟議書を後から閲覧したい場合にも、電子書類ならキーワードで検索するだけで情報を探し出すことが可能。書類を探す手間と時間が短縮し、業務効率化にも貢献しています。

・ペーパーレス化でもたらされた変化
現在はすべての稟議申請・決裁業務を電子化し、設定したフローにしたがって承認・決裁作業を行っているとのこと。これにより決裁業務にかかる時間が大幅に短縮しました。また、ペーパーレスを実現したことで書類の保管スペースが不要になり、省スペース化にも貢献したそう。さらに、処理済みの稟議書を後から閲覧したい場合にも、電子書類ならキーワードで検索するだけで情報を探し出すことが可能。書類を探す手間と時間が短縮し、業務効率化にも貢献しています。

ペーパーレス化に貢献するソリューション「パソコン決裁クラウド」

ペーパーレス化を進めるにあたり、システム導入を検討している企業担当者様におすすめなのが、シヤチハタの「パソコン決裁Cloud Corporate」です。

「パソコン決裁Cloud」は、パソコン上で作成した稟議申請書や届出書・見積・請求書・注文書などをPDFで読み込み、電子化できるシステムです。パソコン上の電子文書に捺印も可能なので、インターネット上でそのまま書類の回覧ができます。

なお、「パソコン決裁Cloud」は試験運用のためのトライアルサービスもご提供しております。ペーパーレス化を検討中の企業様は、ぜひご検討ください。