1. 電子印鑑・決裁・署名のシヤチハタクラウド > コラム > 社印(角印)を電子印鑑で作る注意点と法的効力 スキャンした印影データは有効?

コラム

社印(角印)を電子印鑑で作る注意点と法的効力 スキャンした印影データは有効?

WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 システム開発部 開発4課課長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。

パソコン上で書類をやり取りする際にとても便利なのが、電子印鑑です。 電子印鑑で社印を作成する場合には、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。 本記事では、 社印を電子印鑑で作成する時の注意点と、気になる法的効力についてご説明します。

社印(角印)とは

会社の設立の手続きや、その後会社を運営していく上では、いくつかの印鑑が必要になります。会社で使用される印鑑の総称を社判といい、社判のうちの一つが社印(角印)です。
社印は代表印とは違い、印鑑登録など法的な対応は必要ありません。認印として使用される印鑑のため、見積書や注文書、領収書などの社外宛のビジネス文書や社内の稟議書などに押印する際に利用します。

▼社判について詳しく知りたい方はこちら

>

社印は誰が押印できる?

社印は、見積書や領収書など、従業員が日常業務で使用する書類に押印されることになります。しかし社印の押印は、その従業員個人としてではなく、会社として領収しました・注文しました、などの意思表示になるため、大きな意味があります。そのため、基本的には役職のある従業員や法務部、経理部など、限られた部署や従業員のみが実際の押印を行う、ということが多いでしょう。

他の社判と併用できる?

社印を代表者印などの他の社判と併用することは極力避けましょう。
例として、代表者印と併用した場合を考えてみましょう。社印が認印にあたるのに対し、代表者印は実印にあたる印鑑です。実印を領収書や見積書など日々多く発行する書類に使用すると、実印の印影が人目に触れる機会が増えます。そうすると、印影をコピーされ、承諾していない契約書になりすまして押印されるなど、悪用される可能性が高くなってしまいます。社印は社印としての役割のみとし、他の社判との併用は避けることが望ましいです。

電子印鑑とは

電子印鑑とは、パソコンで押印可能な、電子データ化された印鑑のことです。電子印鑑はデータとして作成された印鑑で、必要に応じて電子文書に簡単に押印することができます。

前段でご説明した通り、仕事をする上で社印を押印する場面は多く、そのたびにPDFをプリントアウトし、押印し、さらにその書類をPDF化して返送するのは大変な手間となります。電子印鑑を使用することで、これらの作業はすべてパソコン内で完結するため、業務効率が上がります。

電子印鑑には、「印影データをスキャンしてそのまま画像としたもの」と「印影データに使用者などの識別情報を加えたもの」があります。 電子印鑑で社印を作成するにあたり、それぞれの違いや特徴を理解しておくことが大切です。それでは2種類の電子印鑑についてご説明します。

▼電子印鑑について詳しく知りたい方はこちら

>

印影をスキャンして画像にした電子印鑑

印影データのみの電子印鑑は、紙に押印した印影をスキャンし、そのままJPGやPNG形式で保存することで簡単に作成可能です。その他にもフリーソフトを利用して作成、もしくは印影データをインターネットで購入するなどの方法があります。どの方法で作成しても費用は無料ないし低価格なため、非常にお手軽です。

印影データに使用者や日付などの情報を持たせた電子印鑑

印影を画像にしただけのものとは別に、識別情報入りの電子印鑑があります。こちらは、印影とは別に、印鑑の使用者や押印日時などの識別情報が入った電子印鑑です。有料の専用サービスで提供されていることの多い仕組みではあるものの、印影データのみの電子印鑑に比べ、なりすましなどの悪用リスクが低減できます。

▼電子印影について詳しく知りたい方はこちら

>

電子印鑑の法的効力について

電子印鑑は実際の印鑑と法的効力の面で違いがあるのかどうかも知っておきたいところです。
ここで、電子印鑑の持つ法的効力について理解を深めましょう。

そもそもなぜ印鑑が必要?押印の意味とは

まずは、 印鑑を押印する意味について考えてみましょう。そもそも、印鑑を押印することの意味は、「確認した、承認した」などの証拠を残すことです。押印自体には法的効力はありません。それでも一般的には、印鑑が押印されていることで「信頼できる書類」と認識することが多いため、重要書類には押印することが一般的となっています。
印鑑が法的に必要になるのは、公的機関に提出する書類などごく一部に限られます。一般企業や個人間で取り交わす書面においては、印鑑の押印がないからと言って無効になることはありません。つまり、ほとんどの書類には法的には押印が必要不可欠ではないということを覚えておきましょう。

実際の印鑑と電子印鑑の法的効力

前述の通り、押印自体に法的効力はありません。言わば慣習として「取引の際には押印する」という意識が、多くの人々のイメージとして植え付けられているのです。
実際の印鑑の押印と電子印鑑の押印の違いは「受け手の感覚」です。電子化が認められているこの時代にも、大切な書類を取り交わす際には、目の前で印鑑を押印する場面がよく見受けられます。商談などの席で、契約がまとまった際にもその場で印鑑を取り出し押印をするのが一般的です。

印鑑自体に法的効力がないため、実際の印鑑でも電子印鑑でもその効力に違いはありません。ただ、電子印鑑よりも実際の印鑑の方が、自分の目の前で押印がされるため、本人が押印しているという安心感があり、「より効力がある」と感じられるものです。しかし、今後は新型コロナウイルス感染症の影響やグローバル化などで、お互いに離れた場所で取引をすることが増えていくでしょう。本人が目の前で押印しなくても、使用者情報などの識別情報を電子印鑑に付加することで、実際の印鑑と同等かそれ以上の安心感を持たせることができるのではないでしょうか。

印影データのみで社印を作った場合のリスク

電子印鑑には印影データのみのものと、印影データにいつ誰が押印したかなど情報が組み込まれているものの2種類があることをご説明してきました。印影データのみの電子印鑑は、時間もコストもかからないというメリットがある一方で、セキュリティの観点では不安が残ります。起きる可能性のあるトラブルを把握した上で、印影データのみの電子印鑑と識別情報付きの電子印鑑を使い分けることが大切です。

印鑑をスキャンして作成した電子印鑑の複製リスク

紙に押印した印影をスキャンして電子印鑑を作成した場合には、簡単に複製されてしまうリスクがあります。文書をパソコン上のメール添付でやりとりする際には、受け取る側がそのデータを容易に流用することもできてしまいます。また、無料のツールで作成した電子印鑑も同様に、同じツールを使えば全く同じ電子印鑑を作ることができます。目の前で押印できないので、複製されればなりすましての押印も簡単にできてしまうでしょう。

社印は認印としての役割といえども、何かトラブルが起きたときは自分ひとりだけではなく、社内社外を問わず多くの人に迷惑をかけることになります。会社や取引先の目の前で押印ができない分、いつ・誰が押印したのか、という識別情報などを付加して安全性を高める努力が必要です。

電子印鑑が使用できない場合もある

電子印鑑は安全に使用することができれば、業務効率化にもつながる非常に便利なものです。電子印鑑の普及は進んでいるものの、未だ使用できないシーンも存在します。次にご説明する2点を事前に確認しておきましょう。

電子印鑑が使用できる書類なのか

社印を電子印鑑にするタイミングで、代表者印などほかの社判も電子印鑑化しようと考える方もいらっしゃると思います。その時に注意していただきたいのは、契約によっては紙書類での締結が法律で義務付けられているものがあるということです。例えば、「労働者派遣の個別契約」や「定期借地契約」などがそれにあたります。社印が使われる書類で、電子印鑑が使えないと法的に定められているものはありませんが、代表者印などが必要な契約では、事前の確認が必要です。

取引先での使用は許可されているか

電子印鑑を作成するにあたり、頻繁にやり取りをするクライアントが、電子印鑑の使用を認めているのか確認しておく必要があります。電子印鑑は、近年利用する企業が増加しており、多くの企業が正式な文書のやり取りにおいて使用を認めています。しかし、企業や個人によっては、電子印鑑の使用自体を認めていないケースもあります。電子印鑑で社印を作成したのにも拘わらず、肝心のクライアントが電子印鑑を認めていないとなると、使うことができず無駄になってしまいます。
電子印鑑に関しては、まだまだ企業ごとに普及の度合いが異なります。しかし共通して言えることは、「印影データのみで作成した電子印鑑」よりも「印影に所有者や使用者、日付や時刻などの識別情報が組み込まれた電子印鑑」の方が使用可能な場面は多いということです。取引先がどのようなルールを定めているかを確認し、それに合った電子印鑑を作成するのが賢明です。

▼電子印鑑のセキュリティについて詳しく知りたい方はこちら

>

▼電子印鑑のコピー防止について詳しく知りたい方はこちら

>

▼電子印鑑の効力について詳しく知りたい方はこちら

>

電子印鑑の社印は安全性を最優先に考えよう

利用頻度の高い社印を電子印鑑で作成すれば、業務効率化に繋がるなど多くのメリットがあります。しかし、事前に使用したい書類や取引先の状況を確認しておかないと、作成しても使用できないことがあります。そしてなによりも、これから電子印鑑の使用が増えていけば、それを悪用しようとする人も増えてくるでしょう。トラブルに巻き込まれないためにも、予め本記事でご紹介した注意点について確認し、適切なツールを導入することが大切です。

▼業務効率化について詳しく知りたい方はこちら

>

キーワード
電子印鑑
ワークフロー
業務改善
効率化
申請に手間
業務停滞
お問い合わせ