昨今ではペーパーレス化の波が到来して、電子印鑑を利用する企業も増えてきました。実際にJIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)の調査では、2020年の段階ですでに日本全体の43.4%の企業が電子契約を利用しているようです。しかし、実際に導入するにも有料の電子印鑑サービスでは意外とコストが必要だったり、社内のマニュアルを整備する必要があったりなど、導入のハードルが高いと感じる方もいるでしょう。本記事では、電子印鑑を無料で作成する方法やおすすめのフリーソフトをご紹介いたします。
なお、Shachihata Cloudでは、BtoB企業様向けに「電子印鑑から始める業務改善DX」資料を提供しております。
無料でダウンロードできますので、ぜひ電子印鑑の導入にお役立て下さい。
まず、電子印鑑を無料で作成するメリットとデメリットについて解説します。
コスト削減
電子印鑑を無料で作成することで、電子印鑑の導入費用を抑えられる点は大きな利点です。特に小規模の企業や個人利用では、無料で始められるフリーソフトを使用することで、低コストで電子印鑑の導入が可能となります。
業務の効率化
手作業での押印作業が不要になり、電子データ上で即時に押印できるため、書類処理が迅速化されます。また、メールでのデジタル書類送付も容易となり、ペーパーレス化にも寄与します。
安全性の低さ
無料ツールを用いた電子印鑑は、多くのユーザーが同じデザインで作成できるため、容易に偽造されるリスクがあります。特に機密性が求められるビジネスシーンでは、容易に複製されにくい電子印鑑が望ましいと言えます。
作成の手間
自作で電子印鑑を作成する場合、印影のバランス調整や書体選択など、見栄え良く仕上げるためには、時間や手間がかかります。特にExcelや図形ソフトを利用した際には、デザインに手間を取られることが多いです。
電子印鑑を無料で作る方法として、ExcelやWordを使った自作方法やフリーソフトの活用方法が人気です。それぞれの特徴や手順を順番に紹介しますので、ニーズに合った方法を見つけてみてください。
ExcelやWordは、表計算やワープロとしてだけでなく、電子印鑑を簡単に作成するツールとしても利用できます。ExcelやWordが標準で備えている図形挿入機能を使って簡単に電子印鑑を作成できます。丸形や四角形の図形を挿入して名前をテキストで入力し、調整した後に画像として保存することで、オリジナルの電子印鑑が完成します。広く利用されている基本的なツールで、簡単な操作で作成できるため、初心者にも適しています。
Excel電子印鑑は、Excelのアドインとして提供される電子印鑑作成ツールです。Excel上でインストールするだけで、さまざまな種類の印鑑が使えるようになり、個別にデザインをカスタマイズすることができます。手軽に使えるため、日常的にExcelを使う人にとっては大変便利なツールです。もちろん、無料で使用できるため、コストもかかりません。
おまかせ電子印鑑2 Freeは、認印や三文判、データネーム印、ビジネス印、ユーザー印といったさまざまな種類の印影を用いて簡単に電子印鑑を作成できる無料ソフトです。フォントや色、サイズだけでなく、かすれや傾きの調整などのカスタマイズも可能で、よりリアルな印影を再現することができます。有料版もありますが、無料版でも基本機能が十分に揃っており、ビジネス文書に活用することができます。
クリップスタンプは、日付印や三文判などの電子印鑑をExcelやWord、一太郎などで作成した文書に押印できる無料ソフトです。印影は、日付や名前などを入力することができ、電子文書に直接押印が可能です。代理印や丸印、角印も用意されており、文書の内容に合わせて使い分けができます。印影の位置や大きさも自由に調整できるため、業務書類や日常的な文書作成に便利なツールです。
クリップスタンパーは、ベクター画像を用いてリアルな電子印鑑を簡単に作成できる無料ソフトです。丸印や角印、日付印などさまざまなスタイルの印影を作成可能で、電子文書への押印も可能です。また、解像度やサイズの調整もでき、デザインした印影は拡大・縮小しても品質が劣化しないEMF形式で保存できます。PNGやJPEGなどの形式でも保存できるため、さまざまな用途に柔軟に対応できる点が特徴です。
くいっくはんこは、イー・ネットワークスが提供する無料の業務効率化ツールです。シンプルで使いやすい電子印影作成ツールで、透過PNG形式の印鑑画像を短時間で生成することができます。WordやExcelなどの書類データに適した印影が簡単に作成可能で、文字を入力するだけで自動的に印影が生成されます。特別な設定やインストールも不要で、迅速な印影の作成が可能です。商用利用に向いているツールではありませんが、日常的な文書作成には非常に便利です
印鑑透過は、手持ちの印鑑画像の背景を透明化するための無料のWebサービスです。サイトに文字を入力することで簡素な印鑑と、スキャナーで取り込んだ印影やスマホで撮影した画像をアップロードすることで、簡単に背景が透過された印影画像を作成できます。サイズ調整やノイズ抑制機能が備わっているため、低解像度の画像でも綺麗な印鑑画像が作成可能です。作成した印影はExcelやWordの書類、請求管理ソフトでも利用できますので、業務のデジタル化に役立ちます。
「承認はんこフリー 電子三文判」は、2600の名字印のうち、よく使われている名字200種と、ビジネス印20種を組み込んだ無料の電子印鑑ツールです。WordやExcelで簡単に使用でき、日付は自動入力されるためとても便利です。個人や企業内での利用が可能です。印影作成機能はありませんが、フリー版でも十分な機能が揃っています。
電子印は、会社名や部門名、日付を含めた日付印を簡単に作成できる無料ソフトです。サイズは「大」「中」「小」「ミニ」の4段階から選べ、クリップボードにコピーしてWordやExcelなどの文書に貼り付けられます。さらに「検」「受領」「領収済」などのスタンプも追加でき、用途に合わせたカスタマイズが可能です。インストール不要で簡単に印影を作成できるため、ビジネス文書作成に便利です。
上述した電子印鑑を無料で作る方法を表に整理し、無料電子印鑑のおすすめ度を記載しました。選定時の参考にしてみてください。
ExcelやWordで自作 | Excel電子印鑑 | おまかせ電子印鑑 2 Free | クリップスタンプ | クリップスタンパー | くいっくはんこ | 印鑑透過 | 承認はんこフリー | 電子印 | |
印影の種類 | 自由に作成可能 | 認印 角印 日付印 ビジネス印 | 認印 日付印 ビジネス印 ユーザー印 | 認印 角印 日付印 代理印 三文判 | 認印 角印 日付印 | 認印 | 認印 | 認印 | 日付印 |
書体 | 自由 | 豊富 | 豊富 | 豊富(50種類) | 豊富 | 1種類 | 1種類 | 1種類 | 1種類 |
色変更 | 自由 | 可能(40色) | 可能 | 可能(16色) | 可能(豊富) | 固定(朱色) | 固定(朱色) | 可能 | 固定(朱色) |
サイズ変更 | 自由 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 固定 | 固定 | 可能 | 可能(4種類) |
おすすめ度 | 3 | 3 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 |
電子印鑑を自分の印影から作成することで、従来の印鑑に近い電子印鑑を簡単に作成できます。以下に、WindowsやMacの標準ツール、オンラインエディターを使った方法をご紹介します。
Windowsユーザー向けには、標準の「ペイント」アプリを活用する方法があります。まず、実際の印鑑を紙に押し、スキャナーでその印影を画像データとして取り込みます。次に「ペイント」を開き、印影以外の部分を緑色に塗りつぶし、Excelなどで透過設定を行うことで完成です。広く使われているツールで作成できるため、大変手軽な方法です。
Macユーザーの場合、Keynoteアプリが便利です。Keynoteは簡易的な画像編集機能があり、印影の背景をワンクリックで透過できます。まず紙に印鑑を押してスキャンし、Keynoteに画像を取り込み、背景部分を透過処理するだけで、即席の電子印鑑が完成。オンラインではないため、印影をインターネットにアップロードするリスクを回避でき、安全性が高まります。
WindowsとMac両方で利用可能なオンラインエディター「Pixlr(ピクセラ)」を使う方法もおすすめです。Pixlrは会員登録不要で、簡単な操作で背景を透過できるため、画像編集初心者でも扱いやすいツールです。ただし、オンラインサービスであるため、実印や重要な印鑑のデータを使用する際は情報流出リスクを理解した上で使用することが重要です。
有料の電子印鑑サービスを利用するメリットは、セキュリティと充実した機能性にあります。一般的に有料ツールは本人確認や改ざん防止の機能が充実しており、無料ツールに比べて情報保護の観点からも安心して使用できます。加えて、業務の流れに合わせた豊富な機能、カスタマイズ性があるため、ビジネスのニーズに応じた使いやすいシステムを構築することができます。
その中でも、「Shachihata Cloud」は、本人確認の強化や原本性の担保などセキュリティ面で信頼性が高く、多くの企業に支持されています。また、既存のワークフローを変更することなくスムーズに導入できるのも魅力で、リモートワークで利用したいビジネスツールNo.1(※1)にも選ばれています。
※1.アンケート提供元:ゼネラルリサーチ(電子印鑑サービス10社を対象にしたサイト比較イメージ調査 / 期間2021年3月2日〜3日 / 対象:20代〜50代の全国の男女ビジネスパーソン1014名)
さらに、WordやExcelといったOfficeアプリ上でも利用でき、クラウドを介さずにローカル環境でも捺印可能なので、より安全な運用が求められる企業様にも自信をもっておすすめできます。今なら無料トライアルを実施中。トライアル期間中でも無制限で利用できるほか、ヘルプサイトやお問い合わせもご利用できますので、興味のある方はぜひ一度試してみてください。
Shachihata Cloudの詳細はこちら