働き方改革の推進に伴い、昨今リモートワークを導入する企業が増えてきました。在宅をはじめコワーキングスペースやカフェなど、会社のオフィスから離れた環境で業務を行うリモートワークですが、経費精算においては出社を余儀なくされるケースを耳にします。また、通信費や水道光熱費といった費用は、会社と従業員のどちらが負担すればよいのでしょうか。
本記事では経費精算をリモートワークで行う方法と、費用負担についてご説明します。
はじめに、企業におけるリモートワークの導入状況をご紹介します。総務省の調査によると、2018年の企業のテレワーク導入率は19.1%となっています。前年の2017年の13.9%からは大きく増加し、大企業を中心に導入が進みつつありますが、まだ20%には満たない状況です。
リモートワークを導入できない理由のひとつとして挙げられるのが、経費精算などをはじめとする業務が紙書類をベースに行われており、リモートでは捺印の対応ができないという点です。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、これまで以上にリモートワークの普及が進んだとみられますが、経費精算のため・捺印のために出社せざるを得ないという企業もまだ多い現状があります。
参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd124210.html
次に、経費精算がリモートで対応しづらくなってしまう、具体的な理由を3つご紹介します。
経費精算の際には、領収書の原本の提出を必須としている場合があります。仮に税務署などから調査が入った場合にも、原本のほうが信頼性は高いため、そのように社内で規定していることがあります。
経費精算の申請を上げる際に、直属の上司の承認印を必要としていることが一般的です。書類が電子化されていない場合には、紙に印刷をして物理的に捺印をしてもらわなければならないため、リモートワークの阻害要因となっています。
切手などの郵便代や文房具代、交通費など、ちょっとした支出をタイムリーに精算できるように備えておく現金を小口現金といいます。今後支出する可能性が高いと予めわかっている場合に、従業員へ小口現金から支払いをしておく方法と、従業員が事前に立て替えてその後経費精算を行って小口現金から受け取る方法があります。
この小口現金を扱う企業の場合、手渡しで行う必要があるために、リモート対応ができなくなります。
このようにリモートワークの阻害要因が多いと思われがちな経費精算ですが、環境を整えれば、リモートで対応することは可能です。次に、経費精算をリモートワークで行えるようにするために必要な準備についてご紹介します。
経費精算を電子化するためのシステムとして、様々なサービスが誕生しています。従来の経費精算フローとしては、申請者(従業員)が必要事項を記入した紙書類を承認者(上司)へ渡し、捺印をして経理部門へ送って精算、という流れが一般的でした。
しかし、クラウドサービスなどを活用して経費精算を行うようにすれば、いつでもどこでもアクセスでき、承認の状況も可視化されて業務がスムーズに行えるようになります。たとえばシヤチハタの提供するサービス「 Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」では、経費精算の申請書をはじめとする書類のやり取りをクラウド上で行えます。電子印鑑を捺印し、社内の関係者へ回覧できる仕組みです。もちろんセキュリティ対策も整っており、便利に安心してお使いいただけます。
前述の「Shachihata Cloud」を活用し、経費精算を電子化する場合、まずは経費精算に伴う申請〜承認のやり取りをペーパーレスに移行することが必要です。領収書の添付も原本である必要があるのかを再考し、電子化を進めていくことが求められます。
法人用のクレジットカードを用意することで、経理担当者が手渡ししていた小口現金をなくすことができます。管理するコストもかからなくなり、メリットは大きいといえます。
経費申請をリモートワークで行えるように環境を整備すれば、申請者(従業員)としては記入漏れで差し戻されることもなくなります。さらに領収書を紛失するリスクも抑えつつ、業務の無駄な手間を省くことができます。ミスや記入漏れで差し戻されてやり直すこともなくなるでしょう。また、書類の回覧がどこまで進んでいるのかも可視化されます。経理部門においても手作業によるミスのリスクを低減することができるでしょう。
これを期に社内のあらゆる紙書類での捺印・回覧業務の効率性を見直してみてはいかがでしょうか。
最後に、リモートワークで会社が負担する経費について、厚労省が発表している「テレワーク導入のための労務管理等Q&A」を参考にご紹介します。労働基準法第89条第1項第5号では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない」と規定されています。実際にはテレワークを導入する前に、負担について明確なルールを作り、従業員に説明することが求められます。
パソコンの本体や、マウスやキーボードといった周辺機器、携帯電話などについては、会社から貸与するケースが一般的です。この場合は全額会社負担とする場合が多いとみられます。
無線LANなどの通信費用も会社側の負担としているケースが一般的です。ただし、在宅勤務で回線工事が必要になるような場合、業務以外にも個人的に利用することも多いため、個人負担になるケースもあります。
ブロードバンド回線の基本料金や通信回線使用量については、個人で使用した分と業務で使用した分の切り分けは困難なため、一定額を会社負担にするなどの対応が見受けられます。
切手や宅配メール便などについては、必要となる分を事前に従業員に渡し、会社宛の宅配便は着払いにするなどで対応可能となります。もしくは一時立て替えとする場合もあります。
通信費と同様、水道光熱費についても、実際には個人へ費用負担が生じますが、業務で使用した分との切り分けは困難です。「テレワーク勤務手当」に含めて支払う企業もあります。
文房具のような消耗品については、会社が事前に購入したものを渡して使用してもらう場合が多いようです。
参考:https://telework.mhlw.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/RomuQA.pdf
紙書類でのやり取りになりがちな経費精算ですが、電子化へ移行することで業務効率が大きく向上し、人的コスト・紙代などの物理的なコストともに抑えることが可能となります。シヤチハタの「Shachihata Cloud」は1ユーザーあたり月額110円(税込)と、導入ハードルの低いサービスとなっているためぜひご利用いただきその効果を実感してみてください。
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