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角印の電子印鑑を無料で作る方法と、メリットや問題点について解説

公開日: 更新日:

この記事でわかること

  • 角印とは何か、他の社判との違いや役割
  • 角印を電子印鑑として無料で作成する具体的な方法
  • Excelや画像編集ソフトを活用して電子印鑑を作る手順
  • 無料ツール(フリーソフト)を利用した角印の電子化方法
  • 電子印鑑を導入することで得られる業務効率化やコスト削減の効果
  • 無料で作成した電子印鑑に潜む問題点(法的効力やセキュリティリスク)
  • 実際の印鑑と電子印鑑の法的効力の違いや注意点
  • 電子印鑑を安全に活用するために必要なセキュリティ対策

紙の書類への捺印、スキャンや郵送作業に時間を取られていませんか。総務・経理担当者や中小企業経営者にとって、こうした手間は大きな負担となっています。そこで注目されているのが、角印の電子印鑑化です。

角印を電子印鑑にする方法は、紙の印影をスキャンして画像化する基本的な手法から、使用者や日時の情報を付加する高セキュリティ版まで、用途に応じて選択できます。ExcelやPDFなどのデジタル文書にすぐ押印できるようになることで、書類のやり取りが格段にスムーズになり、業務効率が大幅に向上します。本記事では、無料で作成するメリット・デメリット、法的効力について詳しく解説します。

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角印とは

会社の設立の手続きや、その後会社を運営していく上では、いくつかの印鑑が必要になります。会社で使用される印鑑の総称を社判といい、社判のうちの一つが社印です。印面の形が四角いことから、角印とも呼ばれています。企業名が彫られている印鑑で、企業としての文書であることを明らかにしたい場面で使用されます。公共機関には届け出を行わない印鑑であり、株式取引や不動産取引など重要な契約書に用いることはなく、企業の「認印」として広く活用されます。

▼社判について詳しく知りたい方はこちら

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角印は誰が押印できる?

角印は、見積書や領収書など、従業員が日常業務で使用する書類に押印されることになります。しかし角印の押印は、その従業員個人としてではなく、会社として領収しました・注文しました、などの意思表示になるため、大きな意味があります。そのため、基本的には役職のある従業員や法務部、経理部など、限られた部署や従業員のみが実際の押印を行う、ということが多いでしょう。

角印は他の社判と併用できる?

角印を代表者印などの他の社判と同じ印鑑にして使い回すことは極力避けましょう。
仮に、代表者印と併用した場合を考えてみましょう。角印が認印にあたるのに対し、代表者印は実印にあたる印鑑です。実印を領収書や見積書など日々多く発行する書類に使用すると、実印の印影が人目に触れる機会が増えます。そうすると、印影をコピーされ、承諾していない契約書になりすまして押印されるなど、悪用される可能性が高くなってしまいます。角印は角印としての役割のみとし、他の社判との併用は避けることが望ましいです。

角印を電子印鑑でも作れる?

会社の正式な書類や契約書に使われる角印は、電子化して「電子印鑑」として利用することが可能です。従来は紙に押印して保管や郵送を行っていましたが、電子印鑑にすることでデータ上で簡単に押印でき、業務のスピードや効率が大きく向上します。電子印鑑には大きく分けて次の2つの種類があります。

  • 印影を画像化した電子印鑑
  • 印影データに使用者や日付などの情報を持たせた電子印鑑

この2種類はそれぞれ仕組みや特徴が異なり、用途や必要なセキュリティレベルに応じて選ぶことが重要です。この章では、それぞれの種類について詳しく解説していきます。

▼電子印鑑について詳しく知りたい方はこちら

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印影を画像化した電子印鑑

印影データのみの電子印鑑は、紙に押印した印影をスキャンし、そのままJPGやPNG形式で保存することで簡単に作成可能です。その他にもフリーソフトを利用して作成、もしくは印影データをインターネットで購入するなどの方法があります。どの方法で作成しても費用は無料ないし低価格なため、非常に手軽です。

印影データに使用者や日付などの情報を持たせた電子印鑑

もう一つは、印影を画像にした上で、印鑑の使用者や押印日時などの識別情報を付与した電子印鑑です。有料の専用サービスで提供されていることの多い仕組みではあるものの、印影データのみの電子印鑑に比べ、なりすましなどの悪用リスクが低減できます。

▼電子印影について詳しく知りたい方はこちら

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角印を電子印鑑で作るメリット

角印を電子印鑑として利用することで、紙の書類に押印する従来の方法よりも効率的に業務を進められるようになります。書類を印刷して押印し、スキャンや郵送を行う手間がなくなるため、時間と労力を大幅に削減できます。

また、紙やインクといった消耗品が不要となり、コスト面でもメリットがあります。ここでは、角印を電子化することで得られる以下の代表的なメリットを紹介します。

  • 業務効率の向上
  • コスト削減

業務効率の向上

電子印鑑を活用することで、捺印や書類確認のプロセスが迅速に行えるようになります。従来の紙ベースでは、契約書などの書類を印刷し、担当者を探してハンコを押してもらい、封筒に入れて郵送する必要がありました。しかし、電子印鑑を使用することで、リモートでの承認や決裁が可能となり、押印から郵送までの手間や時間を最小限に抑えることができ、書類の紛失リスクもなくなります。

角印の電子印鑑の導入により、担当者が出張や外出などで社内にいない時でも、出先から押印することができ、担当者間のやり取りがスムーズになります。承認フローが短縮され、全体的な業務効率が向上します。

コスト削減

電子印鑑を導入することで、紙代や印刷代、郵送にかかるコスト、印紙代などを削減できます。他にも、紙の契約書などは保管する場所代、鍵付きのキャビネットなど、様々なコストも削減できます。特に、取引先が多く、大量の契約書や請求書を取り扱う企業では、年間を通じて大幅なコスト削減につながります。さらに、ペーパーレス化の促進によって、SDGsにも貢献できます。また、書類を電子で保存しておくことで、書類の山から探す必要がなくなり、社員の業務効率が向上し、残業代の削減につながるかもしれません。

角印の電子印鑑を無料で作る方法3選

角印を電子印鑑として活用したいと考えていても、「できれば無料で作成したい」と思う方は多いのではないでしょうか。実際、身近なツールや無料のソフトを利用すれば、特別な費用をかけずに電子印鑑を作成することが可能です。たとえば、普段から業務で使用しているExcelに画像を挿入する方法や、フリーの画像編集ソフトを使って印影を整える方法があります。さらに、無料で提供されている専用ツールを利用すれば、より簡単に本格的な角印の電子印鑑を作ることもできます。ここでは、角印の電子印鑑を無料で作成できる代表的な3つの方法を紹介します。詳しい手順については以下の記事も参考にしてください。

  • Excelの画像挿入機能で作成する方法
  • 画像編集ソフトを活用する方法
  • 無料ツール(フリーソフト)を利用する方法

▼電子印鑑をWordやExcel、PDFで作成する方法について詳しく知りたい方はこちら

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Excelの画像挿入機能で作成する方法

Excelで角印を作成する手順をご説明します。

1. 「挿入」から「図」を選択し、角丸四角形を挿入

まずは図形機能で印影の元となる、角の丸い四角形を用意します。「挿入」タブから「図」を選択し、角丸四角形をクリックします。シート上の適当な位置でクリックし、ドラッグしながら形を整えます。このときシフトキーを押しながらドラッグすることで、縦横同じ長さの正方形が描けます。 角印

角印のサイズに規定はありませんが、18.0mm〜24.0mmに収めることが一般的のため、合わせておくと使いやすいでしょう。

2. 図を右クリックし、色や線の太さを変更

角丸四角形を右クリックし、「図形の書式設定」を選択します。

「塗りつぶし」から「塗りつぶしなし」を選択。円の外側の枠線が残り、中身が塗りつぶされていない状態にします。 

「線」から「線(単色)」を選択したまま、色を赤系統の色へ変更します。太さも適当に調整します。

3. 図に会社名をテキストで入力

図の中に会社の正式名称を入力します。角印の刻印内容としては、会社名(または屋号)のみ、会社名+「印」、会社名+「之印」を入れる3パターンがあります。

Excelのデフォルトの設定では白の横書き文字になっているため、ここで色を赤にして縦書きに変更しましょう。縦書きは図を選択した状態で、「ホーム」タブから「縦書きテキスト」を選択すると設定できます。 

縦書きに変更するとバランスが崩れるため、この後は細かな調整を行います。

4. バランスを整える

円を選択したまま「図形の書式設定」の「テキストボックス」を選択すると、余白や折り返しの設定ができます。 「テキストボックス」の「図形内でテキストを折り返す」のチェックを外すと、強制的に改行されなくなります。その他文字の大きさやフォントの種類などもお好みで調整しましょう。

5. 図として保存

図を右クリックし「図として保存」を選択すると、作成した電子印鑑が保存できます。背景を透過させたほうが使いやすいため、PNG形式で保存しましょう。あとは画像を捺印したい電子文書に貼り付けるだけです。

簡易的な方法ですが、このように無料で角印を作成することは可能です。

画像編集ソフトを活用する方法

Excelを使用する方法だと、印鑑というよりは「図形」らしい印象が残念なところです。しかし、陰影をスキャンして電子データとして取り込み、そのデータをAdobe Photoshopのような画像編集ソフトを活用して処理すると、きれいな仕上がりになります。編集ソフトの種類によって操作方法は異なりますが、一例としてExcelでも以下のような手順で作成できます。

1. 白い紙に角印を押す

この後の工程で画像を加工しやすくするため、白い紙にはっきり角印の印影を残します。

2. はんこを押した紙をスキャナーで取り込む

印影をデータ化します。角印を押した紙をスキャナーで取り込むか、もしくはスマートフォンのカメラで撮影します。スマートフォンのカメラで撮影する場合は、真上から撮影することと、影が写り込まないようにすることがポイントです。

3. データをExcelに取り込む

Excelを開き、挿入タブの中の「図」から「写真」、さらに「図をファイルから挿入」を選択し、スキャンまたは撮影した画像を選択し挿入します。画像を取り込むと、Excelのシート上に画像が表示されます。

4. 画像の余白をトリミングする

ツールバー内の「図の書式設定」から「トリミング」を選択し、画像の不要な部分を切り取ります。

5. 背景を透過させ、画像のサイズを調整する

画像を選択した状態で、ツールバー内の「図の書式設定」から「背景の削除」を選択します。紫色になっている部分が透過される部分です。紫色になっている部分に問題がなければ、「変更を保持」を選択します。「変更を保持」を選択すると、透過した印影(画像)が完成します。

画像のサイズを調整したい場合は、透過した印影を選択し、右辺下のフィルハンドルにマウスポインターを合わせドラッグします。向きを調整したい場合は、回転ハンドルにマウスポインターを合わせドラッグします。

6. 図として保存

最後に印影を右クリックし、「図として保存」を選択すると、画像ファイルとしてパソコンに保存することができます。様々な文書に活用することができます。

無料ツール(フリーソフト)を利用する方法

  • Excel電子印鑑
  • クリックスタンパー
  • クリックスタンプ

Excel電子印鑑

Excel電子印鑑はWebサービスではなくExcelのアドインになります。インストールしておくことで、Excelのシートにビジネス上の印鑑を貼り付けることができます。

社印の他には、苗字と捺印日がセットになった印鑑や、「社外秘」といったスタンプまで様々です。

参考:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/excelstamp/

クリックスタンパー

クリックスタンパーは、スタンプ風の画像を簡単に作成できるフリーソフトです。社印の他、三文判・マル秘印・回覧印・名前と日付が入ったデーターネーム印の他、丸印、複数行からなる印も作れます。

参考:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/clickstam/

クリックスタンプ

クリックスタンプは、WordやExcelなどで作成した文書に押印できるフリーソフトです。社印の他、代理印、三文判、丸印の5種類が用意されています。

参考:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/clipstamp/

無料で作成した電子印鑑の問題点

角印の電子印鑑を無料で作成する方法は手軽で便利ですが、その一方で注意すべき問題点も存在します。特に、簡易的に作った電子印鑑は本格的な電子署名や認証機能を備えていないことが多く、信頼性や安全性の面で不安が残ります。また、契約書など法的効力を求められる文書に使用する際にはリスクを伴うため、用途に応じて適切に使い分けることが重要です。ここでは、無料で作成した電子印鑑に潜む主な問題点について解説します。

  • 法的効力の不確実性
  • セキュリティリスク

法的効力の不確実性

電子印鑑は法的に有効とされていますが、法的効力を得るには下記の件を満たす必要があります。

この法律において「電子署名」とは電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の近くによっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ)に記録することができる情報について行われる措置で合って、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること

e-GOV法令検索 電子署名及び認証業務に関する法律第一章第二条

つまり、本人が押印したという証明ができないと、法的効力が認められません。印影スキャンやワード、エクセル、無料アプリなどで作成した電子印鑑では複製が容易なため、本人性の証明が難しく、法的効力を満たすことは難しいでしょう。特に角印は契約等で使用される大事な印鑑です。何かトラブルが起きたときに社内外多くの人に迷惑をかけることにもなりかねません。いつ・誰が押印したのか、識別情報などを付加して安全性を高める努力が必要です。

セキュリティリスク

電子印鑑は、デジタルデータであるため、不正利用や改ざん、複製のリスクが伴います。特に、無料のツールを使用した場合、セキュリティ対策が不十分であることが多く、外部からの侵入やデータ流出のリスクが高まります。安全に運用するためには、認証方式やデータの暗号化などのセキュリティ対策を講じ、信頼性の高いサービスを利用することが不可欠です。これにより、デジタル犯罪や情報漏洩を防ぐことが求められます。

角印の電子印鑑の法的効力

角印を電子印鑑として利用する際に、多くの方が気になるのが「法的に有効なのか」という点です。そもそも印鑑は、契約書や社内文書において「本人が内容を確認し、同意した」という意思を示すために押されています。

紙の印鑑と同様に、電子印鑑も適切に管理されていれば一定の証明力を持ちますが、実際の効力には違いがあるため注意が必要です。ここでは、印鑑が持つ意味と、電子印鑑の法的な位置づけについて解説します。

  • そもそもなぜ印鑑が必要?押印の意味とは
  • 実際の印鑑と電子印鑑の法的効力

そもそもなぜ印鑑が必要?押印の意味とは

まずは、 印鑑を押印する意味について考えてみましょう。そもそも、印鑑を押印することの意味は、「確認した、承認した」などの証拠を残すことです。押印自体には法的効力はありません。それでも一般的には、印鑑が押印されていることで「信頼できる書類」と認識することが多いため、重要書類には押印することが一般的となっています。
印鑑が法的に必要になるのは、公的機関に提出する書類などごく一部に限られます。一般企業や個人間で取り交わす書面においては、印鑑の押印がないからと言って無効になることはありません。つまり、ほとんどの書類には法的には押印が必要不可欠ではないということを覚えておきましょう。

実際の印鑑と電子印鑑の法的効力

前述の通り、押印自体に法的効力はありません。言わば慣習として「取引の際には押印する」という意識が、多くの人々のイメージとして植え付けられているのです。
実際の印鑑の押印と電子印鑑の押印の違いは「受け手の感覚」です。電子化が認められているこの時代にも、大切な書類を取り交わす際には、目の前で印鑑を押印する場面がよく見受けられます。商談などの席で、契約がまとまった際にもその場で印鑑を取り出し押印をするのが一般的です。

印鑑自体に法的効力がないため、実際の印鑑でも電子印鑑でもその効力に違いはありません。ただ、電子印鑑よりも実際の印鑑の方が、自分の目の前で押印がされるため、本人が押印しているという安心感があり、「より効力がある」と感じられるものです。しかし、今後は新型コロナウイルス感染症の影響やグローバル化などで、お互いに離れた場所で取引をすることが増えていくでしょう。本人が目の前で押印しなくても、使用者情報などの識別情報を電子印鑑に付加することで、実際の印鑑と同等かそれ以上の安心感を持たせることができるのではないでしょうか。

▼電子印鑑のセキュリティについて詳しく知りたい方はこちら

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▼電子印鑑のコピー防止について詳しく知りたい方はこちら

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▼電子印鑑の効力について詳しく知りたい方はこちら

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角印を電子印鑑にするならShachihata Cloud

利用頻度の高い角印を電子印鑑で作成すれば、業務効率化に繋がるなど多くのメリットがあります。しかし、事前に使用したい書類や取引先の状況を確認しておかないと、作成しても使用できないことがあります。そしてなによりも、これから電子印鑑の使用が一般化していけば、それを悪用しようとする人も増えてくるでしょう。トラブルに巻き込まれないためにも、予め本記事でご紹介した注意点について確認し、適切なツールを導入することが大切です。

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WRITER
林 舞
デジタル認証事業部 Shachihata Cloud エバンジェリスト
紙文化のメーカー、広告代理店からフルリモートのSaaS組織まで多様な環境で培った幅広い視点を生かし、2024年からデジタル認証事業部企画マーケティングチームにてShachihata Cloudの価値発信に携わる。
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