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サインと印鑑の違いとは?どちらを使うべき?

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新型コロナウイルス感染症の流行で、新しい生活様式の実践が求められることとなりました。在宅勤務が推奨される中で、ペーパーレス化を促進させることを目的として、脱・はんこ文化宣言をした企業のニュースをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
契約書に印鑑を押印する文化が強く残る日本ですが、近年は電子印鑑へ移行する企業も増えてきています。また、海外では印鑑よりもサインのほうがよりポピュラーに使用されています。本記事では印鑑とサインの違いやメリット・デメリットについてご説明します。

なお、Shachihata Cloudでは、BtoB企業様向けに「電子印鑑から始める業務改善DX」資料を提供しております。 無料でダウンロードできますので、ぜひ電子印鑑の導入にお役立て下さい。

サインと印鑑の違い

本人が了承した、という証拠に使われるサインや印鑑。日常生活で荷物を受領するときから、法人同士で契約を結ぶときまで幅広く使用されます。欧米をはじめとする海外では、サインが使用されることが多いです。一方日本では、印鑑を使用することが多いでしょう。

法的な効力の違い

サインも印鑑も法的な効力はありますが、特に契約書などの正式な書類では、印鑑を使用することが多いことから、印鑑の方がより正式な度合いが高いイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。では、法律ではどのように定められているのでしょうか。

まず、新商法第32条には「この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。」という記載があります。

この条文中に出てくる、署名・記名・押印について、広辞苑では下記のように定義されています。

つまり法律では、サインと印鑑ではサインの方が法的な効力が強く、サイン単体とサイン+印鑑の組み合わせで、同等の法的効力とされているというわけです。

サインと記名、押印を組み合わせると、法的効力はサイン+押印>サインのみ>記名+押印>記名のみになります。

法律ではサインに押印以上の効力が認められているにも関わらず、日本で契約書など正式な書類を作成する際に、サイン単体の場合はほとんどありません。それだけ日本では印鑑の文化が根強いと考えられるでしょう。

捺印・押印について詳しく知りたい方はこちら
海外との取引での印鑑について詳しく知りたい方はこちら

印鑑の種類

印鑑文化が発達している日本では、印鑑にもいくつかの種類があります。本記事では、個人で使用するものと法人で使用するものに分けて、代表的な印鑑をご説明します。

個人で使用する印―実印、銀行印、認印、訂正印

まず、個人で使用する印鑑についてご説明します。

実印

実印とは、市区町村の役所に登録した、公的に認められた印鑑のことをいいます。役所に印鑑を登録することを印鑑登録といい、登録された印鑑が実印と呼ばれます。不動産売買などの高額な取引や遺産相続など本人確認が重要な場合に使用します。

銀行印

銀行や信用金庫などの金融機関で、口座を開設したり預金を下ろしたりする際に使用します。銀行印として使用するには、金融機関に印鑑の届出をする必要があります。ゴム製の印鑑は劣化によって印影が変化していくため、銀行印の材質は一般的に木材や象牙などの硬い素材であることが求められます。

認印

荷物の受け取りや回覧など、身近で利用する機会の多い印鑑です。印鑑登録は必要ないため、シャチハタなどゴム製の印鑑も使用可能です。

訂正印

帳簿や伝票などに記入した文字の誤りを訂正する場合に使用します。大きさは、通常5~6mmの丸や小判型などが使われます。

法人で使用する印―代表者印、銀行印、角印

次に、法人で使用する印鑑についてご説明します。

代表者印

代表者印は、企業買収や代表取締役の変更など重要なシーンで使用されます。会社が会社設立登記をするときに法務局に登録する印鑑になるため、法的な効力が高い印鑑になります。個人で使用する実印の会社版と考えるとよいでしょう。

会社の銀行印

会社が銀行へ届け出て使用する印鑑です。手形や小切手に押印する際に使用します。代表者印とは分けて用意しておくとよいでしょう。

角印

会社名の入った四角形の印鑑で、いわゆる会社の認印として契約書や請求書、領収書などに使用されます。

印鑑とサインのメリット・デメリット

印鑑とサインについて、どちらにも法的効力があることがわかりました。それでは、サインと印鑑ではそれぞれどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

サインのメリット・デメリット

サインの最も大きなメリットとしては、実体があるものではないので印鑑のように持ち歩く必要がない、ということでしょう。書くものさえあれば、すぐに対応できる手軽さがあります。
また、サイン単体と印鑑単体の法的な強さを比較すると、サインの方が強いというところもメリットと考えられるでしょう。

デメリットとしては、偽装の可能性があるということです。日本では、印鑑届出書を出すことで印鑑の固有性を証明することができます。それに比べると、サインが本人固有のものであることを証明する手立てが少ないでしょう。

海外では、サインを用いて重要な契約を締結する場合に、公証人が認証を行うサイン証明という制度があります。日本にも公証役場があり、サインを認証する制度がありますが、海外と比べるとその浸透度は低いと言えます。

印鑑のメリット・デメリット

なによりも日本では印鑑文化が強く、活用されている場面が多いことがメリットとして挙げられます。サインだけで法的に有効とされていても、慣習的に押印を求められることが多いです。そのため、本人固有のものであると証明しにくいサインよりは、印鑑届出書を出して証明する手立てのある印鑑を用意しておく方が汎用的に使用できると考えられます。

デメリットとしては、サインと違い実体のあるものなので、持ち運ぶ必要があるということです。持ち運びの際に紛失するリスクもあるため、サインと比較した際にこの点はデメリットとなるでしょう。

また、実印や銀行印など、届出をして登録してある印鑑であれば、一定のセキュリティが担保されますが、認印については100円ショップや文房具店などで容易に同じものを手に入れることができます。そのため、購入した場所で同じものを手に入れた場合、本人である、と立証されにくいでしょう。

電子印鑑導入による効率化

サインの手軽さと印鑑の高いセキュリティの良い所取りができるのが、電子印鑑です。シヤチハタの「Shachihata Cloud( シヤチハタクラウド)」や「ドキュサイン」を使えば、現在ご利用中の印鑑もすぐに電子化ができます。持ち運ぶことなく、印鑑の押印が可能になります。さらに、いつ・どこで・誰が押印したかの記録も残るため、サインや認印のデメリットとされていたセキュリティの不安も解消されます。

さらに印鑑の電子化に併せて、紙書類も電子文書化してクラウド上へ保存すれば、管理の煩雑さも回避でき、スムーズに書類を閲覧・決裁することができます。インターネット環境とウェブブラウザさえあれば、いつでもどこでも決裁や承認が可能になります。会社の意思決定スピードを加速させることができます。

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時代に合わせた対応を

本記事では、印鑑とサインの違いについてご説明しました。新しい生活様式が求められていく中で、今まで暗黙の了解とされてきた習慣も変わる可能性があります。いままでの習慣を180度変える必要はありませんが、日々便利なサービスが生まれ続けている現代、不便を感じることがあれば、少しずつ新しいサービスを取り入れて、業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

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WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。
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