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コラム

稟議におけるメリット・デメリットとは?稟議申請のコツやポイントを合わせて解説

WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 システム開発部 開発4課課長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。

稟議はビジネスパーソンにとって非常に身近な存在です。その一方で、稟議と決裁の違いなど、普段使用している言葉にもかかわらず把握しきれていない部分も多いのではないでしょうか。稟議とは本来どのようなもので、メリットとデメリットはどの点か、申請を通りやすくする方法と合わせてご紹介します。

稟議とは

稟議とは自身の権限だけで決定できない事柄を書類に起こし、上層部への回覧とそれぞれの承認をもらう手続きです。稟議に使う書類を「稟議書」といいます。

「自分の権限だけで決定できない事柄」は範囲が曖昧ですが、稟議が必要かどうかのボーダーラインに明確な区別はありません。そのため、稟議が必要となるシーンは企業によってさまざまです。一般的に「その企業にとって会議を起こすほどの内容でもないが、一社員の判断で決定できない事柄」には稟議を用いるとされています。

稟議と決裁の違い

稟議と決裁はどちらも権限のある役職者に承認をもらうことを指します。結果は同じため混同して考えてしまいがちですが、2つには明確な差があります。
稟議が段階を踏んで承認を得ていくものならば、決裁は最終判断を下すものです。
仮に稟議が決裁権限者の手元まで通っていたとしても、決裁権限者が承認拒否を出せば稟議は不承認となります。

しかし稟議と決裁の区別は企業によって違いがあり、小さな企業では稟議が存在せず、直接決裁のみを取り入れている場合も少なくありません。意思決定スピードの必要性や会社の規模などで、どちらをメインに使うかの判断に差が出るようです。

稟議が必要な場面

稟議が必要となるのは「自身の権限では判断できないが、会議を開くほどでもない内容」に承認を得る場合です。企業によって「会議を開くほどでもない内容」に差はありますが、一般的には下記のシーンがそれにあたり稟議が必要となります。

・外部企業との契約締結
・事務用品・備品の購入
・接待・社内イベントの費用の申請
・新入社員の採用
・出張やスケジュール調整の可否

費用が発生する、人事が関わるシーンで稟議を提出する場合が多く、企業によっては「一定以上の費用が動く場合は要稟議」と数字で定めている場合もあります。

稟議のメリット・デメリット

ここでは、稟議のメリットとデメリットについてご紹介します。

稟議制度のメリット

稟議制度を「煩わしい」と感じる従業員も少なくありません。しかしこれまで日本企業を支えてきた稟議には、メリットも多くあります。

会議のコスト削減

稟議書がなければ、承認を得るために毎度会議を開いて案件について説明し、承認を得る必要があります。しかしその都度会議を開いていては時間や人員コストを割かなくてはならず、業務に影響も出てくるでしょう。
稟議書を活用すれば紙一枚で会議同等の内容説明、承認の意思を確認できます。

事実確認の効率化

稟議書に記載された内容は記録として残ります。口頭説明ではわかりにくい内容も書面に起こすことで、伝わりやすくなります。
直属の上司承認のもと計画がある程度決まっており、最終的な企業の意思確認として稟議書を用いる場合もあります。
これまでの計画を稟議書に起こすことで、あらためて上司及び他の役職者が内容を再確認でき、計画の見通しも立てやすくなるでしょう。

承認者が内容を検討しやすい

稟議書には「申請目的」「申請理由」「必要経費」「申請内容で得られるメリット」「代替え案ではなし得ない事柄」について、記載されています。
一目で稟議内容を把握できるため承認者も検討がしやすくなります。

稟議制度のデメリット

一方で、稟議にはデメリットも存在します。日本企業に勤務する若い世代が稟議書に煩わしさを感じるのは、デメリットばかりに注視しているのが原因かもしれません。

最終承認まで時間がかかる

稟議書は提出から承認まで短期間で進むものではありません。場合によっては決裁権限者の不在が続き、何日も申請が滞る場合も考えられます。
結果、稟議案件のスケジュールに遅延が出て、ビジネスチャンスを逃すことも珍しくありません。あらかじめ承認権限者、決裁権限者の予定を把握しておくことで、稟議採用までの大まかなスケジュールが立てやすくなります。

責任の所在が曖昧

稟議ではひとつの内容に対し、複数の人間が承認に関わります。そのため一人ひとりの責任意識が甘く、問題が発生した際の責任所在がうやむやになりがちです。
承認権限者は稟議申請者より上の立場の人間が多いため、何かあった時の責任所在の追求はしにくいものです。
直属の上司に「問題が生じた場合はどう対処すべきか」「誰に話せばよいのか」など、あらかじめ相談しておきましょう。

稟議を申請する時のコツ

1.見積もりを入手する

稟議は必ず通るものではありません。稟議が通らなかった時はいくつか稟議申請のコツをとりこぼしている可能性があります。
そのひとつが見積もりです。
承認権限者は企業でも責任のある立場なため、金銭に関わる内容は特に慎重です。内容達成にはいつまでにどれだけの費用がかかるのか、明確な金額が未記入の稟議内容に許可を出せないのは、無理もありません。
稟議は必ず見積もり金額を明白にし、予算以上の利益を約束できる内容でなくてはなりません。

2.説明用の資料の準備

稟議承認を得るためには、具体的な説明用資料の準備も欠かせません。
どれくらいの期間でいくらの利益を生むのか、またその根拠はどこにあるのか、根拠の発生元は正しいのかなど、細かすぎる位の資料を準備しましょう。
十分準備された書類は承認権限者の稟議内容への理解を高めると同時に、申請者の努力から内容達成の可能性を見出し、稟議が通る可能性を上げます。

3.稟議の内容について説明(関係各所に根回し)

事前に知らされていない内容の稟議書が回ってくると、稟議承認者は顔をしかめるでしょう。
なぜ稟議の必要性が出たのか、どういった形で申請に至ったのか、立場ある人間は不明瞭な稟議に警戒をしてしまうものです。
あらかじめ各関係者に現在自分がどのようなビジネスに関わっているのか、何を計画しているのかを発信するクセをつけておくと、稟議の際もスムーズです。
情報共有を日頃からこまめにしてくれる社員は、上層部から見ても信用に足る人物です。稟議書の通過可否は企業における個人の立ち位置が左右する場合も少なくないため、普段から積極的に上層部との関わりを持つようにしましょう。

4.必要な項目の記載

稟議書には通常、1番最初に目的を記載します。続いて目的にかかる費用、目的を遂行した場合に得られる利益、目的達成の際にかかるリスクと回避方法、代替案では得られない可能性について、細かく記します。
見た人に情報の不足を感じさせない内容で作成することで稟議の再提出も求められず、一度で承認を得られる可能性も上がります。

まとめ

稟議申請は時間と人員のコストを削減するための手段です。ただし、正しい申請内容を記載しなくては結局二度手間となり、かえって時間を要する場合もあります。稟議申請はポイントをおさえることで承認される可能性も上がり、その結果、稟議のメリットが活かせます。業務効率化を狙うのであれば手間を惜しまず、稟議内容を考慮しましょう。