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実印作成のポイント 作成時の規定から登録の方法まで解説

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契約書から荷物の受け取りまで、日本では様々なシーンで印鑑を使用します。押印は、「印鑑を押した書類の内容を認めました」という意味を持っています。不動産売買など大型の契約の場合には、押印したのが契約者本人であるかどうか、正確に確かめなくてはいけません。その本人のみ使用することができる印鑑が、役所に届けを出している実印です。

実印とは

実印とは、市区町村の役所に登録し、公的に認められた印鑑のことをいいます。役所に印鑑を登録することを印鑑登録といい、登録された印鑑を実印と呼びます。実印は本人証明ができる重要な印鑑のため、銀行印や認印など他の印鑑との併用はおすすめできません。押印する場合も、書類の内容をよく読んで慎重に扱うことが大切です。

実印・銀行印・認印を使うシーンについて詳しく知りたい方はこちら

実印が必要な場面

実印は、高額な取引が発生する場合や、本人であることを確実に確認したい場合に使われます。代表的な使用シーンとしては、家や土地などの不動産を購入・売却、遺産相続や保険金の受け取り、などがあります。取り扱いには十分な注意が必要です。
また、苗字が変わって実印を新しくする場合や、破損などによって実印を捨てることになった場合は、その捨て方まで注意しましょう。

印鑑の捨て方、正しい処分方法について詳しく知りたい方はこちら

実印を作る時のポイント

実印は本人証明になるため、唯一性を守ることが重要であることが分かったと思います。実際に実印を作る時に押さえておきたいポイントをご説明します。

実印の規定

届け出る市区町村ごとによって若干ルールは異なりますが、一般的に実印として認められるためには、サイズや刻印に規定があるため、ここで確認しましょう。

印影の大きさ

印影とは、印鑑を押した書類などに残る押跡のことです。
印影の大きさは「8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形からはみ出さないもの」と規定されています。

印影の形

印影が丸形であることが一般的ですが、印影の大きさが規定内であれば、四角形や楕円形でも登録可能です。
ただし、輪郭が大幅に欠けている・輪郭がない印鑑や、文字が白抜きになるいわゆる逆彫りの印鑑は登録できないので、注意しましょう。

印鑑の刻印

実印は、戸籍に記載がある氏名を使用する必要があります。フルネーム、苗字のみ、名前のみが一般的ですが、変わったところでいうと、姓名の頭文字同士の組み合わせもよい市区町村もあります。また、氏名ではないですが例外的に「之印」「印」と末尾に入れることができる場合もあるので、バランスを見ながら自分の好みで調整するとよいでしょう。

その他の規定

サイズや刻印の他にも、1人につき1個までの登録制限や、家族などが登録済の印鑑の登録禁止など、唯一性を守るための規定があります。また、上記の制限を守っていたとしても、ゴム印などは時間の経過とともに変形しやすく、登録時と印影が変わってしまうことが多いので、登録することができません。

実印に適した書体とは

実印の書体には、特に規定がありません。しかし、偽装され悪用されるリスクを避けるために、複雑な書体で作ることをおすすめします。
複雑性の高い順に、「吉相体」>「篆書体」>「太枠篆書」>「古印体」>「隷書体」になります。吉相体が最も偽造リスクが低いですが、複雑性が高い分、ごくまれに読めなくて登録できない、ということも発生します。そのため、篆書体なども検討範囲に入れ、登録の前には、複雑かつ読むことができる印鑑になっているかを確認しておくとよいでしょう。

実印の印鑑登録の方法

印鑑の登録申請は、住民登録をしている市区町村の役所で本人が直接手続きをする必要があります。やむを得ない理由により本人が役所まで出向けない場合は、委任状によって代理人から申請することもできます。ただし、委任状は印鑑登録する本人が自筆で記入して押印する、などの指定があるので、申請先の役所のサイトなどで必ず確認を行いましょう。
また、気を付けたいのは、引っ越した際に住民票を移し忘れてしまっていた場合です。印鑑登録は住民登録のある市区町村でしか登録ができないため、わざわざ地元に戻って登録をしなくてはいけないことにもなりかねないため、注意しましょう。

準備するもの

印鑑登録は、不備がなければ最短で即日発行が可能です。事前に申請する役所のサイトなどで必要な持ち物を確認することをおすすめします。基本的には、登録する印鑑、本人を確認できる書類または保証書(免許証やパスポートなど)、登録費用(数百円程度)の3つがあれば、問題ありません。申請が受理されると「印鑑登録証」というカードが発行されます。このカードがあれば、印鑑証明書を発行することができます。

実印は安全性が第一 電子化も視野に入れて検討を

実印は偽造されず安全に使用できるようにすることが大切です。シヤチハタの提供する「Shachihata
Cloud(シヤチハタクラウド)」では、いつ誰が押印したのか履歴を残す認証技術があります。例えば、実物の実印では、実印を盗まれ悪用されてしまう、ということが起こるかもしれません。電子印鑑であれば、現物がない分そういった心配はありません。

また、国としても電子化を推進する動きがあり、2019年5月にはデジタルファースト法という法案が成立しました。これまで紙書類で行わなければならなかった行政手続きなどを、オンライン上で手続き可能にしていこう、という内容になっています。電子化には、安全性はもちろん、手続き場所に出向く時間が短縮できるなどメリットも多いでしょう。現物の実印は用意しておきつつ、電子印鑑も使用しておくことで、どのような状況でも適切に対応することができるようになるのではないでしょうか。

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WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。
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