仕事やプライベートで印鑑を押す機会は多いですが、印鑑の種類によって押し方や押す位置に違いがあることをご存じでしょうか。
本記事ではいざというときに迷わず印鑑が押せるよう、印鑑ごとに異なる押し方や正しい位置などを詳しくご説明します。
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日常生活で印鑑を押す機会は少なくありません。荷物の受け取りや回覧板などに押す程度であれば、細かい位置や押し方を気にする必要はないかもしれませんが、大きなお金が動く契約書や会社の重要書類にはなるべく上手に正しく押したいものです。特に銀行印や実印などの証明印鑑は、正しく押されていないと書類の作成をやり直さなければならなくなる可能性もあります。
印鑑を上手に押すには、朱肉のつけ方や持ち方、書類を置く場所などいくつかポイントがあります。せっかく作成した書類が作り直しになってしまわないように、以下のポイントをしっかり押さえましょう。
印鑑を上手に押すためには、正しい持ち方を心がけましょう。正しい持ち方ができていれば、無駄な力が入らず適度な力で押すことができます。
まず人差し指を印鑑の文字の真上に当て、次に親指と中指を添えます。親指は指の腹、中指は指の横を当てます。そして最後に印鑑の尻の部分を手の平へ当てて支えます。そうすることで印鑑を手の中で固定し安定させた状態で押すことができます。
印鑑を上手に押すには、印鑑を押す書類を置く場所にも気をつかう必要があります。机の表面がデコボコだったり傾いていたりしていては上手に押すことはできません。必ず平らな場所で押すように心がけましょう。
上手に印鑑を押そうと思うと、つい朱肉をたくさん付けてしまいがちです。しかし朱肉を付け過ぎると印影のにじみや印鑑のすべりに繋がるため、付け過ぎないように注意しましょう。
軽く複数回に分けて叩くことで付け過ぎを防ぐだけではなく、朱肉をムラなく均一に付けることができます。また、古い朱肉はインクの付きが悪くなっていることもあるため、なるべく新しい朱肉を使用するのもポイントです。
印鑑の種類によっても正しい押し方は異なります。たとえば仕事で使用される「職印」は認印と比べると普段使うことが少ない分、いざ使用する際にどの位置へ押したらいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、職印の正しい押し方についてご説明します。
職印とはその名の通り職務上用いる印鑑のことを言い、主に以下の2つの意味を持ちます。
「士業」とは、弁護士や司法書士、行政書士など最後に「士」の字を持つことの多い資格職業を意味します。職印はこのような士業に携わる人が使用する印鑑のことを言い、「資格印」「先生印」「肩書印」とも呼ばれます。印影は「資格名+〇〇(氏名)之印」のようにフルネームを入れることになっており、既製品ではなくオーダーメイド品を作ってもらう必要があります。
士業の中でも弁護士、司法書士、行政書士として業務を行う人は必ず職印を作成し、登録しなければいけません。名簿に登録する際、職印も一緒に届け出るという規則が定められています。税理士などのその他の士業の場合は、必ずしも職印が必要というわけではありませんが、資格所持者が承認した書類だと証明するために職印を作成する人もいます。
部長や課長などの役職が刻印された印鑑も、職印と呼ばれます。印影は「会社名+〇〇(役職名)の印」となっており個人名は入りません。そのため役職者が代わっても買い替えをする必要はありません。
職印は役職に就いたら必ず持つという義務はありませんが、社内で誰が承認したかを確認できるので必要であれば持っておくと便利でしょう。
職印は、主に士業の場合は契約書や領収書などに使用され、会社の役職者の場合は所内外の文書などに使用されます。職印を押す位置は厳密に決まっているわけではありませんが、一般的に良いとされる位置がありますので以下でご説明します。
丸印の場合は、署名や記名の隣に文字に重ならないように押すのが一般的です。たとえば横印刷の書類の場合は、名前の右隣が正しい位置とされます。
角印の場合、押す位置は署名や記名の隣が一般的ですが、丸印と異なり文字と重なるように押すことが多いです。会社名の最後の文字と印影の中心が重なる位置が目安となります。
ちなみに丸印と角印のどちらも使用する場合、丸印は署名や記名の隣に文字と重ならないように押し、角印は文字の中央部に重ねるように押すことが多いです。
「割印」「契印」は契約書の正しさを証明し改ざんを防ぐ役割があり、重要な契約の際には欠かせません。ここでは、割印と契印の押し方のポイントをご説明します。
割印や契印は、家や車の売買、雇用契約などの重要な契約を交わす際に押します。事務手続きでは割印と契印をまとめて割印と呼ぶ人もいます。またいずれも印影が2つに分かれるようになるため混同されやすいですが、厳密にはそれぞれ役割が違うため正しく理解することが大切です。また、それぞれの役割や違いは以下のようになります。
割印は、契約で2つ以上の同じ文面の文書を作成した際、それらが関連していることを証明するために押す印鑑です。たとえば、契約書の原本と写し、正本と副本、領収書の原本と控えなどに押します。一方の文書だけでの不正な複製や改ざんを防ぐ役割があります。
契印は複数ページにわたる契約書に押される印鑑で、ページが正しく繋がっていることを証明するために押します。契印を押すことで、契約書作成後にページがすり替えられたり抜き取られたりすることを防ぎます。
割印と契印の押し方にはそれぞれ違いがあります。以下で違いを詳しくご説明しますので、混同しないように注意しましょう。
割印は、2つ以上の文書が関連していることを証明するために押します。書類を重ねて少しずらし、書類をまたぐように押します。使用する印鑑は署名時と同じである必要はないため、契約書の署名時に実印を使用し割印は認印で押しても問題はありません。
3社間での契約など、同じ書類を3通以上作成する際も、そのすべてに割印を押す必要があります。丸形の印鑑を使用する場合は、3通に1回で押印することは難しいので、1通目と2通目、2通目と3通目というように、2箇所に割印を押すとよいでしょう。他の方法として、割印専用の縦長の印鑑を使用することもできます。この場合は、2通の時と同様に契約書を重ねて少しずらして押印すれば問題ありません。
契印も割印と同じく文書を不正に変更できないように押す印鑑ですが、契約書がどのように製本されているかによって押し方が違ってきます。
ホチキスで止められた契約書の場合、左右のページをまたぐように書類の継ぎ目部分に押します。両ページにしっかり印影を残すため、ページをしっかり開いてから押すのがポイントです。このような契約書の場合、ホチキスを外して書類を差し替えたり抜き取ったりすることができるため、見開き全てに押す必要があります。
製本された契約書の場合、表紙と製本テープが重なる部分と裏表紙と製本テープが重なる部分に押します。このような契約書の場合、仮に書類を差し替えようとしても製本テープを外さなければならないため、差し替えたり抜き取ったりしたことが分かってしまいます。そのため、見開きごとに契印を押す必要はありません。
印影がかすれたり、滲んだりと、押印に失敗してしまうこともあると思います。割印や契印を押すのは、その書類で改ざんなどの不正を防止することが目的です。そのため、割印や契印が少し見づらかったとしても、他の書類と印影が合致し、関連している書類であることが証明できれば問題ありません。どうしても押印し直したい場合は、失敗した印影の近くに改めて押印します。特に訂正印などを押す必要はありません。
ここまで、実際に印鑑を押印する場合の方法を見てきました。近年では、リモートワークやペーパーレスが推進される世の中に合わせて、電子印鑑のサービスも充実してきているため、電子化に向けた検討をしてみることをおすすめします。シヤチハタの提供するShachihata Cloud(シヤチハタクラウド)では、署名・押印時点での文書内容の証明ができるため、書類の改ざんを防止することができます。また、社外とのやり取りに対応する高セキュリティを担保した有償オプションも用意しており、複数社での契約にも安心して使用することができます。実際に操作してみながら自社で導入した場合のメリット・デメリットを考えてみたい、という方に向けて、無料トライアルもあるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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