Shachihata Cloud DXコラム 電子印鑑の角印を無料で作る方法 セキュリティや法的効力も解説
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電子印鑑の角印を無料で作る方法 セキュリティや法的効力も解説

企業の見積書や契約書など様々な書類で用いる角印は、電子データ化することで業務効率化が図れます。本記事では、電子印鑑の角印を無料で作る方法をご紹介します。セキュリティ面での課題や法的効力など気になる注意点も併せて確認しましょう。

なお、Shachihata Cloudでは、BtoB企業様向けに「電子印鑑から始める業務改善DX」資料を提供しております。 無料でダウンロードできますので、ぜひ電子印鑑の導入にお役立て下さい。

電子印鑑とは

角印は法人の正式な印鑑であるため、そもそも電子印鑑にしても問題がないのか不安な方も多いでしょう。はじめに、電子印鑑の種類と法的効力についてご紹介します。

電子印鑑の種類

角印の電子印鑑と言われておそらく多くの方が想像するのは、印影の画像データではないでしょうか。書類に画像として貼り付けられるような印鑑データは無料でも用意でき、手軽に利用することができます。

よりセキュリティレベルの高いタイプの電子印鑑だと、画像データに本人を識別する情報を持たせられます。有料の専用サービスで提供されている仕組みになりますが、中には捺印日時の情報を記録するタイムスタンプ機能などを含むサービスもあります。

このように電子印鑑には単純に印影を画像化したデータ、印影を画像化しかつ識別情報を持たせたデータの、大きく2種類があります。

電子印鑑の法的効力

法人印である角印なので、紙に押印するタイプの印鑑と比較すると法的効力が落ちるのではないかと思われるかもしれませんが、電子印鑑として用いても、法的効力に問題はありません。というのも、「押印」という行為そのものには法的効力が伴わないからです。民法第522条に「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する」とあります。

しかし、日本では商習慣として、取引の際に合意した証を残す手法として押印が定着しており、押印されている書類なら「なんとなく安心」というイメージが持たれています。そのため押印する手段が実物の印鑑か、電子印鑑かで、法的効力が変わることはありません。

角印とは

それでは、角印のサイズや書体など、無料の電子印鑑を作成するにあたり必要な情報を確認しましょう。

角印の形状・サイズ

角印とは、別名社判(しゃばん)*、社印(しゃいん)・角判(かくばん)などとも呼ばれますが、その名の通り四角い形状をしています。サイズには規定がありませんが、基本的には21.0mm〜24.0mmで作成されます。また、会社実印や銀行印など、他の法人印の中で最も大きいサイズで作成されることが一般的です。

*社判:会社実印なども含め、企業で使用される印鑑の総称

角印の書体は篆書体か印相体が一般的

角印によく用いられる書体は、篆書体(てんしょたい)や印相体(いんそうたい)です。ただし規定はないため、これらの書体で作成しなくても問題はありません。

内容は「社名」単体、「社名+印」、「社名+之印」いずれかを縦書きで入れます。社名が長い場合には略称でもかまいません。
会社名が英語表記の場合は、横書きにしても問題ありません。

角印は複数所持も可能

電子印鑑の角印は配布も簡単で、会社の誰でも利用することができます。
参考までに実物の角印についてもお伝えしておくと、複数所持することも可能です。利用頻度の高い種類の印鑑のため、いくつか持っておくほうが利便性の観点で良いでしょう。ただし、盗難・悪用のリスクがあるため、たとえば一部の役職者に限定して配布し鍵をかけて保管するルールを徹底するなど、取り扱いには注意しましょう。

電子印鑑の角印を無料で作成する方法

ここから、電子印鑑の角印を無料で作成する方法をご紹介します。

角印の画像をスキャンして作成する方法

簡単な方法は、実物の角印の画像をスキャナーでパソコンに取り込み、印鑑画像として名前を付けて保存するというものです。

しかし、そのままでは背景が白い状態のため、使い勝手が悪くなります。Adobe社のPhotoshop等、画像編集ソフトを使用し、背景を透過させてPNG形式で保存すると良いでしょう。

画像編集ソフトがお使いのパソコンにインストールされていない場合は、Microsoft社のExcelやPowerPointなどでも透過させることが可能です。

ExcelまたはPowerPointで画像処理する場合は、ドキュメント内に印鑑の画像を貼り付けたあと、「図の書式設定」から「背景の削除」を選択し、画像として残しておきたい領域と、透過させたい領域を分ける設定をします。出来上がった画像データは右クリックして「図として保存」をしましょう。

ただし、ExcelやPowerPointの場合は背景がうまく切り抜けない場合もあります。画像編集ソフトを用いたほうがきれいに処理できます。

WordやExcelで角印を作成する方法

WordやExcelで角印を作成する場合は「挿入」タブから「図形」にある「角丸四角形」を選択し、角印の土台を作りましょう。ドキュメントに貼り付ける際はシフトキーを押しながら拡大・縮小すると、縦横サイズが等しい正方形を作ることができます。

デフォルトの状態ではブルーの枠線と塗りつぶし、フォントは白に設定されています。枠線とフォントの色を赤に、「塗りつぶしなし」に設定し、会社名を入力しましょう。枠線とフォントは太めがおすすめです。フォントはインストールされているものの中から好きなものを選択します。入力形式は縦書きが良いでしょう。配置を整えたら、右クリックで「図として保存」を選択し、PNG形式で保存すれば完成です。

(図)WordやExcelで作成する電子印鑑のイメージ

角印作成に対応した無料ソフトを利用する方法

スキャンして自分で加工する、自分で作成する以外には、角印作成に対応した無料ソフトを活用する方法があります。具体的にはクリックスタンプ、クリックスタンパー、電子三文判等、角印に対応した無料ソフトを探してみても良いでしょう。

また、Excelの場合はアドインとして角印等の印鑑を作成・挿入できる無料ソフト「Excel電子印鑑」などをインストールする方法もあります。この方法であればより簡単に電子印鑑画像を作成できます。

ただしアドインをインストールすると、使用環境によってはExcelの動作自体に悪影響を及ぼす場合があります。無料ソフトのインストールについても同様に、信頼のおけるソフトでないとウイルス感染などが心配です。
社内規定で無料ソフトやアドインのインストールを禁止している企業もあると思いますので、インストールを行う前には問題がないか社内確認することをおすすめします。

電子印鑑の角印を無料で作成するメリットとデメリット

電子印鑑の角印を無料で作成する方法をご紹介しましたが、この方法にはメリットとデメリットがあります。

角印を無料で作成するメリット

角印を無料で作成するメリットとしては、お金をかけずに業務効率化を図れるという点です。簡単にコスト削減ができ、会社に出社せずリモートワークでも押印対応できるようになる手軽な方法です。

角印を無料で作成するデメリット

一方、角印を無料で作成するデメリットについては大きく次の3つが挙げられます。

角印を複製されるリスクがある

誰でも手軽に作成できるメリットの裏返しで、複製もされやすいのが大きなデメリットといえるでしょう。用意した画像を貼り付けるだけなので、悪用しようと思えば簡単にできてしまいます。

特に角印をスキャナーで取り込んでいる場合には、本物とほぼ同一の画像データを簡単に取得できます。実物の印鑑そのものが複製され悪用される恐れがあり、非常に危険です。

書類を改ざんされるリスクがある

悪用されたとしてもその履歴・形跡が残らないため、契約書類の内容も書き換えられている可能性が考えられます。誰が押印したか、本人性を確かめる手段がありません。

使用が認められていない場面もある

また、無料タイプの印鑑は、国や自治体等に提出するような公的な書類には使えないことがほとんどです。取引先が無料タイプの電子印鑑の使用を認めていない場合もあるでしょう。

帳簿関係の書類の電子化を認める電子帳簿保存法においては、書類の修正・訂正履歴が残ることやタイムスタンプの付与などが義務付けられており、印鑑だけを電子化するのではなく、「電子契約」そのものを法に対応するシステムに変更する必要があるといえます。

▼社印(角印)を電子印鑑で作る注意点と法的効力について詳しく知りたい方はこちら

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角印の作成なら有料サービスがおすすめ

以上で述べた通り、法人印である角印を無料のソフトを使って作成するのは、セキュリティの観点、契約書の法的効力の観点から、おすすめはできません。
契約のやり取りを含めて電子化が可能な、有料の電子印鑑サービスを活用することを検討しましょう。

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そこで角印等の法人印の電子化におすすめしたいのが、シヤチハタが提供する「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」です。

Shachihata Cloudは紙で行っていたワークフローを、それまでの運用を変えることなくデジタル化へと簡単に移行できる電子印鑑・電子署名サービスです。実際の印鑑をそのまま電子化でき、かつ本人認証機能によりなりすましを防止するなど、安心できるセキュリティ対策が施されています。オプション機能をつければタイムスタンプの付与も可能で、改ざん・悪用防止に繋がります。

利用料金も初期費用は無料で、1ユーザーあたり110円(税込)から利用可能と、導入を検討しやすい価格設定となっています。ぜひ無料トライアルでその利便性を体感ください。

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WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。
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