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コラム

BPRとは?業務改善との違いや導入方法、事例などを解説

WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 システム開発部 開発4課課長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。

長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの向上が企業に求められるようになる中で、業務の在り方を問いながら組織体制・業務プロセスを改革するBPRに注目が集まっています。本記事ではBPRとは何か、業務改善との違いに触れながら解説します。BPRを推進するメリットや、導入にあたってのステップと注意点などをまとめました。

BPRとは?

BPRとはビジネスプロセス・リエンジニアリングの略称で、企業の目標を達成することを目的として、業務フローや管理体制、組織構造、それを支えるシステムなどを抜本的に見直し、再構築することです。

BPRは、企業が長期的な成長を遂げるためには、古く非効率なビジネス構造を根本から否定し見直すアプローチが重要であるという考え方に基づいており、1993年『リエンジニアリング革命』(マイケル・ハマー、ジェイムズ・チャンピー共著)の発表により世界的に広く知られることとなりました。

BPRと業務改善との違い

BPRと業務改善は同じ意味で捉えられがちですが、BPRの「R」、Re-engineeringが意味するところは「再構築」です。単なる業務の進め方のみならず、組織体制、経営戦略の領域にも踏み込み、企業のあるべき姿をゼロベースで見直し・検討した上で、ビジネスを成功へ導くプロセスを作り上げます。

いわばBPRは業務「改革」、業務プロセス「改革」であり、既存のルールをベースに検討して、部分最適化を図る業務改善とは根本的に異なります。

BPRが注目を集める背景

既に成立しているルールや業務フローをあえて否定し、作り直す過程は労力を要し、時間もかかります。推進する中で批判的な意見も出てくるでしょう。ではなぜBPRが注目を集めているのでしょうか。その理由は次の2点に集約されます。

働き方改革の実現

ご存知の通り、現代の日本においては少子高齢化の急速な進行により、労働人口の減少が深刻な社会課題となっています。これまでと同様の働き方では日本社会が立ち行かなくなってしまいます。
そこで日本政府は2019年より「働き方改革」を打ち出し、長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの実現を目指し、柔軟な働き方が選択できるようにするための改革を進めています。

単純な業務効率化や業務改善では、労働問題を解決する手段にはなり得ません。一方、業務・組織の在り方を根本から見直すBPRは、この働き方改革の実現を後押しする有効な手法として期待されています。

DX化による業務フロー変化

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、テレワーク時代への対応が急務となった今、それを実現する意味でもBPRは注目されています。

これまでの日本企業は縦割り・分業型の組織が一般的であり、各々の組織が独立し、決まった範囲の責任を果たすことに注力してきました。専門性を高められるメリットがある一方、組織横断的に取り組む必要のある事業課題への対応は難しくなります。近年のIT化によって組織をまたいだ業務がシームレスに行えるツールが普及しつつありますが、それを担う組織側は適応が遅れているのが現状です。

BPRの推進により、より大きな事業課題にスピード感を持って対応可能な体制を構築し、業務フローを変革することが求められます。

BPRのメリット

BPRを推進することで、企業が享受できるメリットは次の通りです。

生産性の向上 

BPRを導入する事前準備の段階で、業務全体のフローを洗い出すことになります。まずは業務を見直す契機になることが大きなメリットとなります。同じような業務を別の部署でそれぞれ行っていたこと、自動化できる業務に長時間かけていたこと、本来行わなくても良い業務の発見など、あらゆる無駄な労力・コストが可視化され、生産性が向上します。

働きやすさの改善

業務フローの可視化が進めば、無駄な業務や労働時間を、思い切って削減できるようになります。すると労働時間を短縮し、長時間労働の是正・働きやすさの改善へと繋げられます。

従業員満足度・顧客満足度の向上

職場の生産性が向上し、働きやすさが改善されれば、従業員満足度が向上します。従業員は適正な労働時間内で成果を上げられるようになるため、モチベーションもアップするでしょう。
すると、本当に時間を割くべき製品・サービス品質の向上、顧客対応に注力できるようになり、顧客満足度の向上にも繋げられます。

このようにBPRの導入によって、企業経営のみならず、従業員、顧客にも良い影響を与える好循環を生むことができるのです。

BPRを実践する5つのステップ

では、BPRを推進するPDCAを回すには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか。一般的な検討の進め方をご紹介します。

1. 検討

まずはBPR導入により、どのような目的・目標を達成したいのかを明確にし、BPRの対象とする業務範囲を定めます。
経営層、管理職層、現場の従業員、人事部門など、それぞれ現状の改善点をヒアリングしながら検討を進めます。一般的な業務改善の場合には、現場で働く従業員の業務に重きが置かれますが、BPRで重要視されるのは市場であり、顧客に対して高い価値を提供するにはどうすべきかの視点で検討を行います。

2. 分析

次に、業務内容・業務フロー・組織における課題の洗い出しを行い、改善手段を分析します。業務のフローチャートなどを作成しましょう。
課題の粒度には大小ありますが、大きな課題に的を絞り、解決のための施策を検討します。また、成功確率が高く見込める課題から着手すると良いでしょう。

3. 設計

続いて、洗い出した課題とその解決策を元に、改革のための戦略と実施方法を設計します。投資額も試算し、実行に落とすための体制構築を行い、業務フロー、ルールのあるべき姿を描きます。

4. 実施

戦略設計が完了したら、実行のプロセスへと移行します。社内全体の課題として従業員に意識付けを行った上で、情報共有しながら進めていくことがポイントです。

5. 効果計測・評価

実施して終わりにせず、進捗を確認しながら効果測定を行い、最初に定めた目標の達成度を評価することも大切です。評価する中で問題点が発生すれば、改善も行いましょう。

BPR導入時の注意点

続いて、BPR導入時の注意点について簡単にご紹介します。

綿密な検討が必要

組織の大変革に繋がるため、現場への影響度も高いといえるでしょう。現場の反発を受ける可能性も視野に入れた上で検討を進める必要があります。

BPRの必要性を社内共有する

BPRは提案者だけでは推進できません。現場の従業員を含めて必要性、目的などを事前に共有しておくことが重要です。

顧客視点を考える

BPR推進の目的には、利益向上も含まれます。単なる社内の業務改善に留まらず、BPRによって顧客が求めている価値提供に寄与することを忘れてはなりません。

常にPDCAを回し続ける

BPRは一度取り組めば終わりというものではありません。常に良い形になるようにブラッシュアップすることが大切であり、効果計測・評価のステップを意識し、常にPDCAを回し続けましょう。

電子印鑑サービス・Shachihata CloudによるBPR事例

最後に、BPR推進事例として、シヤチハタの提供する電子印鑑サービス「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」を導入した企業を2例ご紹介します。

富士通エフサス様

ICTインフラを提供する富士通エフサス様では、働き方改革の実現に向けてBPRに取り組みました。全国約160か所に拠点を持つ同社では、2018年5月の本社移転を機に、物理的な印鑑による決裁手続き・押印手続きといった社内業務の見直しを行い、フリーアドレス化・テレワークの全国展開を行うべく「Shachihata Cloud」を導入しました。

営業部門を中心に現在では約600名が活用するようになり、スマートフォンからも捺印できるようになったことで、業務のタイムロスや移動の手間が解消され、精神的・身体的負担が軽減されました。商談で顧客へ見積を提示するスピードなども向上し、顧客からも高評価を得られるようになりました。

▶富士通エフサス様の事例について詳しく知りたい方はこちら

芙蓉総合リース様

リース業界のパイオニアとして知られる芙蓉総合リース様では、2017年にBPR推進室を立ち上げ、業務プロセスの全社横断的な改革を行いました。その取り組みの一つが業務のペーパーレス化です。
それまで人事・総務関連の申請や承認はすべて紙の書類で行われており、申請書を印刷して押印し、申請先の部署へ届ける手間がかかっていました。申請書を受け取る側でも、承認の押印、書類に穴を空けてファイリング・保存する作業が必要でした。

そこでワークフローの見直しを行い、解決策として「Shachihata Cloud」を導入。これまでの一連の申請・承認業務が簡素化され、スムーズにデジタルへと移行されました。作業時間は大幅に削減でき、承認までのフローが滞ることもなくなり、今では本社のみならず国内拠点を含む全社でShachihata Cloudを活用しています。

▶芙蓉総合リース様の事例について詳しく知りたい方はこちら

電子印鑑導入でBPR推進を!

これまでご説明した通り、BPRは、業務フローだけでなく組織構造やそれを支えるシステムなどを抜本的に見直し、あるべき姿へと再構築する改革です。ただし、BPRは社内の理解を得ながら進めていく必要、があります。
まずは検討しやすくかつ効果が見込まれやすい課題から着手することが望ましいため、電子印鑑サービス「Shachihata Cloud」のトライアル導入から始めてみてはいかがでしょうか。

▶業務効率大幅アップ「Shachihata Cloud」について詳しく知りたい方はこちら

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