電子印鑑・電子決裁のことなら
電子印鑑サービス 電子印鑑 取締役会議事録の電子化と電子署名の条件・注意点を徹底解説
DX COLUMN

取締役会議事録の電子化と電子署名の条件・注意点を徹底解説

公開日: 更新日:

この記事でわかること

  • 取締役会議事録の役割と作成義務
  • 取締役会議事録に記載する主な内容
  • 取締役会議事録を電子化できる条件
  • 電子化する際に必要な「署名又は記名押印に代わる措置」
  • 取締役会議事録に使える電子署名の種類
  • 当事者型電子署名と立会人型電子署名の違い
  • 取締役会議事録を電子化するメリット
  • 電子署名サービスを利用して署名を付与する方法
  • 電子化する際に確認すべき社内規程や保存ルール
  • タイムスタンプの必要性と電子署名との違い

取締役会議事録は、取締役会で話し合われた内容や決議事項を記録する重要な書類です。近年はペーパーレス化やリモートワークの広がりにより、取締役会議事録を電子化したいと考える企業が増えています。

取締役会議事録を電子化する場合は、紙の議事録における署名や記名押印に代わる措置として、一定の要件を満たした電子署名が必要です。要件を確認しないまま運用すると、法的な有効性や登記申請時の対応で問題が生じるおそれがあります。本記事では、取締役会議事録の基本から、電子署名を利用する条件、実務上の注意点まで分かりやすく解説します。

取締役会議事録とは何か

取締役会議事録とは、取締役会で報告・審議された内容や決議事項を記録する書類です。会社法では、取締役会を開催した場合に議事録を作成することが求められています。議事録は、経営判断の経緯を残す役割があり、登記申請や社内外への説明資料として使われることもあります。

紙で作成する場合は、出席した取締役や監査役が署名または記名押印することが基本です。電子化する場合も、この署名・押印に代わる適切な対応が必要です。

会社法で作成が義務付けられている議事録

取締役会議事録は、会社法で作成が義務付けられている議事録です。具体的には、取締役会の議事について議事録を作成し、書面で作成する場合は、出席した取締役と監査役が署名または記名押印を行う必要があります。

これは、決議内容や審議の経過を後から確認できるようにするためです。なお、取締役会議事録を電子化する場合は、紙の署名や押印に代わる対応として、電子署名を利用します。
参照:会社法(平成十七年法律第八十六号)|第三百六十九条3項

取締役会議事録に記載する主な内容

取締役会議事録には、取締役会の開催日時や場所、出席者、議長の氏名、議事の経過、決議の結果などを記載します。また、決議事項だけでなく、取締役や監査役などからの報告事項、特別な利害関係を持つ取締役がいる場合の氏名なども、必要に応じて記録します。

単に結論だけを残すのではなく、どのような内容が話し合われ、どのような結果になったのかを確認できる形にすることが重要です。
参照:会社法施行規則(平成十八年法務省令第十二号)|第百一条2項・3項

取締役会議事録を電子化できる条件とは

取締役会議事録を電子化する場合、単にPDF化して保存すればよいわけではなく、書面で求められる署名または記名押印に代わる措置が必要となります(会社法369条)。

ここでは、取締役会議事録を電子化する場合の条件について解説します。

取締役や監査役の「署名又は記名押印に代わる措置」が必要

取締役会議事録は、紙の書面だけでなく、電磁的記録として作成することも認められています。ただし、電子化する場合も、紙の議事録と同じように、出席した取締役や監査役が内容を確認したことを示す必要があります。

会社法では、書面で作成する場合の署名または記名押印に代えて、法務省令で定める措置を取ることが求められています。つまり、取締役会議事録を電子データで作成する場合は、単なるデータ保存ではなく、署名や押印に相当する方法で本人確認や承認の記録を残すことが必要です。
参照:会社法(平成十七年法律第八十六号)|第三百六十九条4項

「署名又は記名押印に代わる措置」とは

「署名又は記名押印に代わる措置」とは、紙の議事録における署名や押印の代わりに、電子データ上で本人が内容を確認したことを示すための措置です。取締役会議事録を電子化する場合、出席した取締役や監査役が確かに関与したことを示す「本人性」と、作成後に内容が変更されていないことを示す「非改ざん性」が重要です。

そのため、電子署名を利用し、誰がいつ署名したのか、署名後に内容が変更されていないかを確認できる状態にしておく必要があります。
参照:会社法施行規則(平成十八年法務省令第十二号)|第二百二十五条1項6号・2項

取締役会議事録に使える電子署名の種類

取締役会議事録を電子化する場合、署名または記名押印に代わる措置として電子署名を付与します。電子署名には下記の2種類があります。

  • 当事者型電子署名
  • 立会人型電子署名

それぞれ仕組みや準備の手間が異なり、どちらを利用する場合も本人性や非改ざん性を確認できることが重要です。

当事者型電子署名

当事者型電子署名とは、認証局が発行する電子証明書を本人が取得して署名する方式です。本人性を示しやすく、取締役会議事録にも利用できます。一方で、電子証明書の取得や管理に手間がかかる点に注意が必要です。。

立会人型電子署名

立会人型電子署名とは、電子契約サービスなどの事業者が、利用者の指示を受けて電子署名を付与する方式です。署名者本人が個別に電子証明書を取得しなくても利用しやすいため、クラウド型の電子署名サービスで広く使われています。以前は、取締役会議事録に使える電子署名は当事者型に限られると考えられていました。

しかし、2020年5月の法務省見解の変更により、現在では立会人型電子署名でも、利用者本人の意思に基づく署名であることなどが確認できれば有効としています。導入時は、利用するサービスが取締役会議事録や登記申請の実務に対応しているかを事前に確認することが大切です。

取締役会議事録を電子化するメリット

取締役会議事録を電子化すると、作成後の署名依頼や保管、共有にかかる手間を減らしやすくなります。特に、役員が複数拠点にいる企業や、オンラインで取締役会を開催する企業では、紙の議事録を郵送・回覧する負担を軽減できます。

ここでは、取締役会議事録を電子化するメリットとして、下記3点について解説します。

  • 押印・回覧の手間の削減
  • 保管・検索のしやすさ
  • オンライン開催後の議事録作成への対応

押印・回覧の手間の削減

紙の取締役会議事録では、出席取締役や監査役に署名または記名押印を依頼し、順番に回覧する必要があります。役員が遠隔地にいる場合は、郵送や返送の手配が発生し、完了までに時間がかかることがあるでしょう。

電子化することにより、オンライン上で署名依頼や進捗確認ができるため、回覧作業の負担を軽減できます。議事録の確定から保管までの流れを短縮し、総務・法務部門の業務効率化にもつながります。

保管・検索のしやすさ

紙の取締役会議事録は、ファイルや保管場所の確保が必要で、過去の議事録を探す際にも時間がかかる場合があります。電子化すれば、作成日や議題、会議名などで検索しやすくなり、必要な議事録をすぐに確認可能です。

関係者への共有もしやすくなるため、社内確認や監査対応にも役立ちます。ただし、保存場所や閲覧権限、改ざん防止のルールはあらかじめ整備しておくことが大切です。

オンライン開催後の議事録作成への対応

オンラインで取締役会を開催した場合でも、紙の議事録に署名や押印を集めるために、郵送や出社が必要になることがあります。電子署名を活用すれば、会議後の議事録確認から署名までをオンラインで進めやすくなり、役員の移動や事務負担を減らせます。電子署名を利用する際には、誰が署名できるのかを明確にし、本人確認や権限管理を適切に行うことが重要です。

取締役会議事録に電子署名を付与する方法

取締役会議事録に電子署名を付与する方法には、電子署名サービスを利用する方法や、商業登記電子証明書を使う方法があります。利用目的や登記申請の有無に応じて、適した方法を選ぶことが大切です。それぞれの方法について、詳しく解説します。

  • 電子署名サービスを利用する
  • 商業登記電子証明書を取得して電子署名を付与する

電子署名サービスを利用する

取締役会議事録に電子署名を付与する方法として、電子署名サービスを利用する方法があります。議事録データをサービス上にアップロードし、署名が必要な取締役や監査役に署名依頼を送信します。署名者は本人確認の手続きを経たうえで内容を確認し、電子署名を付与します。

署名完了後は、署名済みの議事録を電子データとして保管でき、必要に応じて検索や共有をしやすい点がメリットです。ただし、電子署名サービスによって、本人確認の方法、タイムスタンプの有無、登記申請への対応範囲などが異なります。導入前に、自社の運用目的に合うか確認しましょう。
参照:電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)|第二条・第三条

商業登記電子証明書を取得して電子署名を付与する

取締役会議事録を登記申請に添付する場合は、電子署名の方法について事前確認が必要です。特に、代表取締役の変更など、登記手続きに関係する議事録では、作成者の電子署名や添付情報の形式が問題になることがあるため注意が必要です。

商業登記電子証明書を取得し、法務省のオンライン申請に対応した形で電子署名を付与する方法も選択肢になるでしょう。利用する電子署名サービスが登記申請に対応しているか、法務局で受け付けられる形式かについても確認しておいてください。
参照:法務省|商業・法人登記のオンライン申請について
参照:法務省|商業・法人登記の申請書の添付書面を電磁的記録で作成している場合について「ご利用の手引き

取締役会議事録を電子化する際の注意点

当事者型と同じく立会人型の電子署名も認められたことで、多くの企業で取締役会議事録の電子化が進めやすくなりましたが、導入に際しては主に以下の点に注意しておくと良いでしょう。

  • セキュリティと改ざん防止の仕組みを構築する
  • 定款や社内規定をチェックする
  • 保存期間や閲覧請求に対応する

セキュリティと改ざん防止の仕組みを構築する

電子化された取締役会議事録は、紙と異なり、データの改ざんや不正アクセスのリスクへの対策が欠かせません。電子署名サービスを選定する際は、メール認証や二要素認証など署名者の本人性を担保する仕組みがあるかを確認しましょう。あわせて、誰が文書を作成・編集・閲覧・署名できるかを役職や部署単位で設定できる権限管理機能も重要です。

また、電子署名による署名後の改変検知や、ハッシュ値による完全性の保証など、改ざん防止の技術が組み込まれていることも確認すべきポイントです。いつ・誰が・どの操作を行ったかを記録できる監査ログや操作履歴機能があれば、後から追跡することが可能になります。
参照:電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)|第二条・第三条

定款や社内規程をチェックする

電子化を進める前に、自社の定款や社内規程に紙や押印を前提とした記載がないかを確認しましょう。たとえば、「取締役会議事録は書面で作成し、出席役員が押印する」といった規定や、議事録の保管方法・閲覧手続きに関する規定などが該当する可能性があります。

電子化の運用に合わせて、これらの規程を見直し、必要に応じて改定の取締役会決議を経るなど、適切な手続きを踏みましょう。また、使用するサービスや署名権限を持つ役職、署名期限といった電子署名の運用ルールを社内規程として明文化しておくと、運用が安定し、担当者の引き継ぎもスムーズになります。

保存期間や閲覧請求に対応する

取締役会議事録は、作成後の保存方法にも注意が必要です。会社法では、取締役会議事録を本店に10年間備え置くことが求められており、株主などから閲覧請求を受ける場合もあります。

電子化する場合は、必要なときにすぐ確認できるよう、ファイル形式や保存場所、検索方法を整備しておきましょう。また、誰が閲覧・ダウンロードできるのかを明確にし、アクセス権限を管理することも重要です。
参照:会社法(平成十七年法律第八十六号)|第三百七十一条1項・2項

取締役会議事録の電子化におけるタイムスタンプの必要性

取締役会議事録の電子化において、タイムスタンプの付与は法令上の義務ではありません。会社法および会社法施行規則では、電磁的記録に対して電子署名を求めていますが、タイムスタンプそのものは要件とされていないためです。

ただし、電子署名が「誰が」署名したかという本人性を示すのに対し、タイムスタンプは「いつ」作成され改変されていないかを客観的に証明する役割を担います。両者を組み合わせれば議事録の真正性をより強固に担保できるため、長期保存する重要書類や、後から作成時期が争点になる可能性のある議事録では活用が有効です。

取締役会議事録の電子化には電子署名サービスがおすすめ

取締役会議事録を電子化する際は、会社法や会社法施行規則で求められる電子署名の要件を確認しておくことが大切です。自社で電子証明書や署名環境を整える方法もありますが、実務では有料の電子署名サービスを利用する方法が手軽です。

導入時は、取締役会議事録への対応範囲、登記申請での利用可否、署名者管理、社内規程との整合性を確認します。そのうえで、自社の取締役会運営に合う方法を選びましょう。

Shachihata Cloudの電子署名サービスの特長

Shachihata Cloudは、電子印鑑や電子署名、ワークフロー機能を活用し、社内文書の申請・承認・保管をオンラインで進められるクラウドサービスです。取締役会議事録を電子化する際も、押印や回覧にかかる手間を減らし、署名・承認の進捗を確認しながら管理できます。

また、紙の書類を郵送したり、役員の出社に合わせて押印を依頼したりする負担の軽減にもつながります。電子化にあたっては、自社の規程や登記申請の要件を確認したうえで、必要な機能を備えたサービスを選ぶことが重要です。

WRITER
田中 空樹
デジタル認証事業部コンテンツストラテジスト
2022年シヤチハタ株式会社入社。 入社1年目でShachihata Cloudの製品サイトリニューアルに携わる。 現在もコンテンツマーケティングなどShachihata Cloudの良さを広めるために奮闘中。
お問い合わせ 資料請求