電子インボイス制度が2023年10月から開始されます。これに合わせて、クラウドサービスなど電子ツールの導入を検討されている方もいると思いますが、その際に補助金を受けることができる場合があります。大きな金額が必要になるので、利用できる制度は賢く利用しましょう。
まず結論からお伝えすると、インボイス制度に対応した場合に支給される補助金はあります。支給対象になる可能性がある補助金は複数あり、それぞれ会社規模や導入ツールによって実際に支給対象になるかは変わってきます。
また、インボイス制度では、請求書の媒体の指定はありません。そのため、紙書類でのインボイスの作成も可能ではありますが、基本的に補助金の支給対象となるのは電子文書でインボイスを作成・管理するためのツールになります。
インボイス制度に使える補助金には複数の種類があります。自社の規模や状況に応じて、どの補助金が使えるのかを確認していきましょう。
中小企業・小規模事業者が、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための資金を補助する制度です。
目的に応じて、3つの枠に分かれています。
業務効率化や売上の向上を図ることを目的にした導入補助の枠で、対象となる経費はソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費などがあります。
補助率は1/2以内、上限額・下限額はA類で30万円~150万円未満、B類で150万円~450万円以下になります。
サイバー攻撃による業務の阻害などを防ぐためのツール導入を目的とした場合の枠で、対象経費は通常枠と同じです。
5万円~50万円以下の場合の補助率は3/4以内、50万円超~350万円の場合は2/3以内になります。
インボイス制度を見据えて設定された枠で、企業間取引の電子化を推進する目的があります。そのため、上記2枠の対象経費に加え、ハードウェア購入費も対象になります。
ハードウェア購入費のうち、PC・タブレット・プリンタ・スキャナ及びそれらの複合機器は補助上限額10万円で補助率は1/2以内、レジ・券売機等の補助上限額は20万円で補助率1/2以内になります。
小規模事業者持続化補助金は、文字通り小規模事業者が経営を継続するために支給される補助金のことです。目的に応じて、6つの枠が用意されており、そのうちのひとつを選択して申請することができます。
小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取り組みを支援する枠です。補助上限は50万円で、補助率は2/3です。
販路開拓の取り組みに加えて、事業者内の最低賃金が地域の最低賃金より+30円以上である事業者を支援する枠です。補助上限は200万円で、補助率は2/3(赤字事業者の場合は3/4)です。
販路開拓の取り組みに加えて、雇用を増加させ、小規模事業者の従業員数を超えて事業拡大を目指す(小規模事業者からの卒業)事業者を支援する枠です。補助上限は200万円で、補助率は2/3です。
販路開拓の取り組みに加えて、アトツギ甲子園でファイナリストになった事業者を支援する枠です。補助上限は200万円で、補助率は2/3です。
産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む事業者を支援する枠です。補助上限は200万円で、補助率は2/3です。
インボイス制度に対応するために、新たにインボイス発行事業者として登録し、販路開拓に取り組む事業者を支援する枠です。補助上限は100万円で、補助率は2/3です。
ものづくり補助金は、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と呼ばれています。中小企業や小規模事業者の生産性向上に必要な設備投資を支援する補助金になっています。補助内容は大きく3つの事業類型に分かれており、さらにその中でいくつかの枠があります。
新製品や新サービスの開発、業務改善に必要な設備投資などを支援する枠です。
補助上限は750万円〜1,250万円で、補助率は大企業で1/2、小規模事業者で2/3です。
前年度の課税所得がゼロである事業者において、賃上げ・雇用拡大に取り組むための製品やサービスの開発、または生産やサービス提供の業務改善に必要な設備投資を支援する枠です。
補助上限は750万円〜1,250万円で、補助率は2/3です。
DXによる生産性向上に必要な設備投資を支援する枠です。
補助上限は750万円〜1,250万円で、補助率は2/3です。
温室効果ガスの排出削減に役立つ設備投資を支援する枠です。
補助上限は1,000万円〜2,000万円で、補助率は2/3です。
海外拠点での活動を含む海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資を支援する枠です。
補助上限は3,000万円で、補助率は大企業で1/2、小規模事業者で2/3です。
中小企業30社以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための支援を目的とした設備投資を支援する枠です。
補助上限は1億円で、補助率は、大企業は1/2、大企業以外であれば2/3です。
事業承継や廃業に関連する業務に対して支給される補助金です。3つの枠組みに分かれており、その中でさらに分類がされますが、補助金額は枠組みの中では同じです。
販路開拓や事業戦略のコンサル費用などを補助します。「親族内承継」「M&A」「創業」の3つの類型に分かれます。
補助上限は類型問わず300万円(生産性向上などの要件を満たすと500万円に引き上げ)で、補助率は1/2です。
事業を承継する際に利用する仲介業者やフィナンシャルアドバイザーなどの専門家にかかる費用を補助します。
補助上限は400万円(M&A未成約の場合は200万円)で、補助率は1/2です。
事業の廃業や、廃業して再度創業する際にかかる費用を補助します。他の補助金と違い、別の枠組みと併用することができます。
補助上限は150万円で、補助率は1/2です。
補助の対象者は中小企業と小規模事業者になります。中小企業は資本金と常勤の従業員数に、小規模事業者については、常勤の従業員数に規定があり、その数値は事業内容によって異なります。
補助金の対象者は、法人・個人事業・特定非営利活動法人のうち、特定の業種かつ従業員の数が所定の人数より少ないところになります。宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業であれば常勤の従業員が5人以下、宿泊業や娯楽業と製造業については20人以下になります。
従業員にはパートタイムや役員は含まれないので、注意が必要です。
ものづくり補助金の対象者はIT導入補助金や持続化補助金とは違い、従業員数や業種の制約はありません。しかし、規模に応じて補助上限などは変わってきます。
個人事業主を含む、中小企業・小規模事業者が対象になります。業種の制約はありません。
シヤチハタの提供する電子決裁システム「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は請求書の電子化が可能なサービスのため、補助金の対象になります。クラウドサービスは、一般的に導入が容易といわれており、請求書など定型化された書類の電子化は、これから電子化を進める企業にとってはハードルが低い業務のひとつです。「Shachihata Cloud」は、インボイスの作成はもちろん、2022年1月に改正された電子帳簿保存法にも対応しており、これひとつで昨今の電子化ニーズを満たすことができます。今なら無料トライアルも実施中ですので、試してみてから導入したい方にもおすすめです。