DXリテラシーとは、DXに関する知識や必要性を正しく理解して企業がDXを進めるための必須スキルです。企業は市場における競争力を強化するためにDXを推進し、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルを創出していくことが求められています。
本記事では、「DXリテラシーってなに?」「DXリテラシーが必要な理由を知りたい」という方のために、DXリテラシーの概要と企業がDXリテラシーを求めている理由、教育方法を解説いたします。DXリテラシーを理解してビジネスに生かしていきましょう。
そもそも、DXリテラシーとはどのようなものでしょうか。DXの概要と近い言葉として認識されているITリテラシーも併せて確認していきましょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術によってビジネスに変革をもたらすことを指しています。企業は将来の成長や競争力を強化するため、AIやビッグデータなどのデジタル技術を活用した、新たなビジネスモデルの創出が求められています。
変化が激しいビジネス環境の中、DXに成功して製品やサービス、ビジネスモデルの新たな価値を生み出すことができれば、市場における優位を確立することが可能です。
DXリテラシーとは、DX推進に関わるすべての方に必要な基本のスキルです。なお、リテラシーは物事の知識や必要性を正しく理解して活用することを意味しています。
DXの実現や推進する上で求められる要素としては、以下の3つが挙げられます。
既存のビジネスモデルに大きな変革をもたらすには、DXリテラシーの高い人材を必要とされています。そのため、今では多くの企業がDXリテラシーの高い人材を求めています。
ITリテラシーとは、パソコンなどの情報通信機器を使いこなすスキルであり、今後全てのビジネスマンが身につけることを期待されているものです。一方、DXリテラシーはデジタル技術や情報通信機器を使いこなすだけではなく、ビジネスに大きな変化を起こす仕組みなどの創出ができるスキルです。
お互いの役割からITとDXは手段と目的といった関係にあり、ITはDXを推進するための重要な役割を担っています。そのため、DXの実現にはデジタル技術を正確に理解して活用できる、ITリテラシーの高い人材が必要になるのです。
企業はなぜDXリテラシーが高い人材を必要としているのでしょうか。具体例を3つ紹介いたしますので、あなたが働いている会社を思い出しながら読み進めてみてください。
DXリテラシーは、業務効率化と生産性の向上に有効であり、日本の将来的な労働力人口減少(※1)による人手不足の対策に適しています。
内閣府から、日本の総人口に占める労働力人口の割合は、2014年の約52%から2060年には約44%へ低下することが発表されています。そのため、今後増加する業務量に対応するために従業員を採用することは難しくなり、既存の従業員の負荷が増えることに繋がります。
しかし、働き方改革により長時間労働が見直され、人手不足を既存の従業員の時間外労働で対応することは困難となっています。このような状況が続けば企業に悪影響を与え、事業の縮小や労働環境の悪化の可能性があります。
つまり、限りある労働力で対応するために業務効率化や生産性の向上は不可欠であり、少ない労働力で従来以上の成果をあげることが重要なのです。
(※1)労働力人口……15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたもの。
「2025年の崖」とは、DXが実現しなければ企業の競争力は急速に低下し、2025年以降に大きな経済損失が発生する可能性があることをいいます。
2025年の崖問題へ対応するには、既存システムの刷新とDXの基盤となるシステム開発が重要視されています。2025年以降、現在の約3倍にあたる最大12兆円/年の経済損失が生じると推定されており、企業は早期にDXに対応することが求められています。
現在、企業がDXを進めるにあたって考えられる課題は、以下の3つです。
過去の技術や既存システムを利用し続けることが問題につながるとして挙げられています。しかし現状では、既存システムの保守・管理に人員・コストがつぎ込まれ、DXの基盤となるシステムへの移行ができていません。
企業が2025年の崖問題を乗り越えるためには、DX分野に人材を移行し、DXリテラシーの高い人材を確保・育成することが必要です。
激しく変化するビジネス環境に対応するためには、DXリテラシーを活用して市場での競争力を強化することが重要です。
ここ数年、あらゆる分野でAIやビッグデータなどのデジタル技術を活用した、新しいビジネスが生まれています。しかし、DXが進まない企業では市場の変化に柔軟に対応できず、デジタル競争に敗れて顧客を奪われる可能性があります。
DXに対応できていない企業は、顧客や社会のニーズをデジタル技術で管理できるように、データ活用の目的を洗い出し、早期にDXに取り組みましょう。
ここまでDXリテラシーの高い人材が必要とされている理由を解説してきました。ここからは、DXリテラシーを上げる教育方法の例を2つ紹介いたします。
DXリテラシーの教育方法を考える上で真っ先に思いつくのは、研修の受講ではないでしょうか。DXはビジネストレンドにもなっているため、DXリテラシーを高めるための講座や研修は豊富に取り揃えられています。
ゴールに向けたカリキュラムが設定されているため、体系的に学ぶことが可能。e-Learning形式での講座も多くあり、受講者のレベルや理解度に合わせた学習がおこなえます。
社内で実施する合同研修では参加者全員に一律のDXリテラシーを教育できるため、目的に応じて使い分けましょう。
DX検定は日本イノベーション融合学会が主催する、DXに関わる方に必要な先端技術と、ビジネストレンドを幅広く問う知識検定です。現在のDXリテラシーを可視化できるため、苦手な分野を洗い出せます。
DX検定の概要は以下のとおりです。
成績優秀者はスコアに応じて3段階のレベル認定証が発行され、レベル認定された方は名刺やプロフィールへの掲載が可能です。
DX検定以外にもDXのスキルが問われる資格はありますので、目的に沿って受験することをおすすめいたします。
DXリテラシーを身に付けたことで、すべての企業や組織が実績を出して、成功できるわけではありません。DXリテラシーを教育する上での課題は以下の3つです。
まず課題として挙げられるのが、DXリテラシーの重要性に対して社内全体で共通認識を持つ必要があるということです。しかし、学ぶべきDXリテラシーの内容は従業員や企業によって異なるため、専門性を持った外部コンサルタントへ依頼するのも手段の一つです。
デジタル技術は日々成長を遂げているので、DXリテラシーに関する学習は今後も続ける必要があります。
企業は市場の変化に柔軟に対応し、競争力を強化するためにDXの推進が求められています。DXが進まない企業では、DXを取り入れた競合企業との競争における優位性の確立が難しくなるので、今からDX対策を始めていきましょう。
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