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取締役会議事録とは?記載事項やリモート開催での対応も解説

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取締役会議事録は取締役会の議事内容をまとめた書類で、会社法により作成が義務付けられています。登記時に添付書類としても使用される重要な書類ですが、そもそもどのように記載したらよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、取締役会議事録とは何か、何を記載すべきかを分かりやすく解説いたします。最近増えているリモート会議時の対応についてもご紹介いたしますので、正しい知識を身に付けて対応しましょう。

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取締役会議事録とは

取締役会議事録とは、取締役会の議事内容を記録した議事録のことです。取締役会は会社の取締役全員が参加する会議で、3か月に1回は開催するよう会社法362条2項に示されています。会社経営にかかわる重要な会議であるため、議事録を作成しなければなりません(会社法369条3項および4項)。また、作成方法は書面または電磁的記録と定められています。

取締役会議事録は取締役会を開いた日から10年間は保管する必要があります。満たしていない場合には100万円以下の過料が科される場合もありますので注意しましょう(会社法976条4号および8号)。

参考:会社法

取締役会議事録の作成について

取締役会議事録の重要性をご理解いただけたところで、作成に関してのよくある質問を2つご紹介します。

作成は誰が担当するのか

取締役会議事録の作成者は、会社法等の法律で定められていません。ただし、実務上は議長である代表取締役が作成者になることが多く、定款等で定められている場合もあります。

作成期限はあるのか

取締役会議事録の作成期限も、作成者と同様に会社法等の法律で明確に定められていません。しかし、決議内容によっては他の法令で提出期限が決まっていることから、作成期限があるものもあります。例えば、登記事項に関わる取締役会を行った場合は2週間以内に議事録を添付したうえ、申請しなければなりません。

先延ばしにして議事録内容が曖昧になってしまうことを避けるためにも、取締役会が終わってから2週間以内には議事録を作成しておくとよいでしょう。

取締役会議事録の記載事項

ここからは取締役会議事録に記載しなければならない事項について解説いたします。記載事項は会社法101条にて、以下のように定められています。

① 取締役会が開催された日時及び場所
※当該場所に存しない取締役等が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。
② 取締役会が特別取締役による取締役会であるときは、その旨
③ 取締役会が特別の招集に該当するときは、その旨
④ 取締役会の議事の経過の要領及びその結果
⑤ 決議を要する事項について特別の利害関係を有する取締役があるときは、当該取締役の氏名
⑥ 取締役以外が発言できる場合等により取締役会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
⑦ 取締役会に出席した執行役、会計参与、会計監査人又は株主の氏名又は名称
⑧ 取締役会の議長が存するときは、議長の氏名

引用:内閣府

その他、定款の定めにより書面決議で取締役会決議の省略を行う場合でも、取締役議事録の作成は必要となります。この場合には、以下の項目を記載しましょう。

①取締役会決議があったものとみなされた事項の内容
②決議があったものとみなされた事項を提案した取締役の氏名
③取締役決議があったものとみなされた日
④議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

また、取締役会での報告が省略された場合も取締役会議事録の作成は必要です。この場合には、以下の事項を記載します。ただし、3か月に1回以上、取締役が自己の職務状況を報告することについては、会社法372条2~3項により省略できません。

①取締役会への報告を要しないものとされた事項の内容
②取締役会への報告を要しないものとされた日
③議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

テレビ会議や電話会議の場合

テレビ会議や電話会議での取締役会は、出席者の情報伝達の即時性や双方向性が確保されている場合に開催が認められます。そのため、議事録内にはその条件をクリアしている旨の記載が必要です。

また、出席者の全員が社外から会議に参加している場合は、議長の所在場所を開催場所として記載します。たとえば、議長が自宅から参加した場合は、議長の自宅住所が開催場所となります。もし一部の取締役のみが電話などリモートで参加している場合は、他の多数の取締役が集まっている場所を開催場所として記載しましょう。

取締役会議事録には出席者の署名や押印が義務

会社法369条3項により、取締役会議事録には出席した取締役および監査役全員の署名、押印が必要です。取締役会議事録は書面または電磁的記録で作成しなければなりません。従来は書面で作成することが多かったものの、近年はDXの推進やリモート化によりPDFファイルなどの電磁的記録で作成することも多くなってきました。そのため、いつでもすぐに利用できる電子署名や押印ができるサービスを利用しておくのがおすすめです。

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取締役会議事録の閲覧謄写はできるのか

会社法371条2項により、取締役会議事録等の閲覧または謄写の請求は可能とされています。ただし、いつでも誰でもできるわけではなく、閲覧謄写ができる人やその時期には条件があります。

株主は当該株式会社の営業時間内であればいつでも閲覧・謄写の請求が可能です(会社法371条1項)。監査役・監査役設置会社、裁判所の許可を得て、閲覧・謄写の請求ができます(会社法371条3~5項)。当該会社の債権者は役員または執行役の責任を追求するため必要があるとき、親会社の株主はその権利を行使するため必要があるときに、どちらも裁判所の許可を得られたら閲覧・謄写の請求が可能です。

取締役会議事録が書面で作成されている場合は、書面自体の請求または謄写の請求を行います。電磁的記録で作成されている場合は、印刷した書面の閲覧・謄写か画面上の閲覧を選択して請求します。

なお、正当な理由なしに閲覧謄写をさせなかった場合には、100万円以下の過料が科されることがありますので、注意しましょう。

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取締役会議事録は、会社法369条3項により、出席した取締役および監査役は議事録に署名、押印の義務があります。DXの推進やリモート化が進んでいる中、電磁的記録で作成されることは今後増加し、いずれ電子印鑑や電子署名への対応は避けられなくなるでしょう。

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WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。
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