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コラム

印影とは?印章とは?印鑑(ハンコ) との違い、語源や用途、電子印鑑についてご紹介

WRITER
木山 貴雄
シヤチハタ株式会社 システム開発部
大手PCメーカーのサポート業務や大手自動車メーカーでの社内SEを経験後、2005年シヤチハタに入社。シヤチハタフォントの開発・Web受注システムの開発を経て現在はソフトウェア開発部門に所属する。

多くの方がひとつは持っている印鑑ですが、実は、印鑑には様々な名称があるのをご存知でしょうか。よく聞く印章や印影とは何か、ハンコと印鑑の違いや歴史・使用用途など、印鑑にまつわる様々なことをご紹介します。また、今、多くの企業が取り入れている電子印鑑のメリットや従来の印鑑との違いについても、触れていきます。

印章・印影・印鑑の違いとは?

印鑑本体と、朱肉をつけ紙に捺印した朱肉の跡、そのすべてを総称して「印鑑」や「ハンコ」と呼ぶ方が多いかと思います。ところが、印鑑・ハンコには「印章」「印影」「印鑑」と区別される名称があるのをご存知でしょうか。

一般生活の中で使い分けることは少ないですが、ビジネスシーンでは使い分けをするシーンもあります。覚えておくことで、混乱を招くこともなくなるでしょう。

印章とは

「印章」とは、ハンコ本体のことを指します。 印章は木製やチタンの他に、牛のツノを加工して造られるものもあります。 印章の俗称がハンコなので、印章とハンコは同じ意味で使用して問題ありません。このあとご説明しますが、印鑑は印章とは違うものを指します。そのため、「100円ショップでハンコを買う」という言い方は正しいですが、「100円ショップで印鑑を買う」というのは、実は誤った使い方になります。

印影とは

印影とは、朱肉をつけた印章を紙に押し、紙に残る朱肉の跡を指します。
宅配便などで「ここにハンコを押してください」と言われることがありますが、正確には「ここにハンコを押して印影をください」になります。一般生活では、あまり使い分けをすることは少ないようです。

印鑑とは

印鑑とは、銀行印や実印として登録された印影のことを指します。
印章や印影の全てを総称して印鑑と呼ぶ場合が多いですが、実際には印章のなかで、銀行や役場に登録した印章の印影が印鑑です。印章の章で簡単にご説明しましたが、これで「100円ショップで印鑑を買う」というのが誤った使い方であることがご理解いただけたと思います。

(表)印章・印影・印鑑の違い

印章 ハンコそのもの
印影 印章を紙に押したときの朱肉の跡
印鑑 実印や銀行印として登録された印章の印影

▼印鑑のルールについて詳しく知りたい方はこちら

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印鑑・ハンコの語源

印鑑はなぜ印(しるし)に鑑(かがみ)なのか、ハンコはなぜハンコと呼ぶようになったのでしょうか。それぞれの語源を知ることで、より印鑑の意味を深く理解できるはずです。

印鑑の語源

印鑑の語源は、押されたハンコが本物かどうかをチェックする台帳が「鑑(かがみ)」と呼ばれていたことに由来します。

今現在の銀行などでもパソコンを使い同じ方法を取っていますが、当時はパソコンの代わりに「鑑(かがみ)」に登録されているハンコのみが、本物のハンコだとされていました。使用者が押したハンコが本物かどうか、押された印影と鑑に描かれている印影を見比べてチェックしていたそうです。
そのうち、「鑑(かがみ)」のことを「印を記した鑑」、つまり「印鑑」と呼ぶようになり、登録されたハンコそのものも印鑑と呼ぶように変化したとされています。

ハンコの語源

ハンコの語源には、いくつか通説があります。
一番よく知られているのが、版行・板行(ハンコウ)=ハンコとなった、という説です。

江戸時代で、出版物を出す際に頻繁に使われていた手法が版画です。版画で絵を作成する工程を「版行・板行(ハンコウ)」と呼びます。コピー機のない当時、版行は同じ絵を大量生産するのに非常に便利な方法でした。そのうち、版行は「ハンコ」と省略して呼ばれるようになり、版行で作り出された絵自体も「ハンコ」、文字だけの版行絵も「ハンコ」と混同されるようになったのです。
絵を木や板に鑑彫りにして紙に転写させる方法は、現代のハンコと通じるものばかりで、ハンコの最も有力な語源という説も、納得ができます。

さらに版行=ハンコ説以外にも、「判を押す行為」という意味から「判行」という言葉ができ、口語で「ハンコ」に変わったという説もあるとされています。

どれも確実視されている語源ではないですが、ハンコにも色々な成り立ちがあると考えると、ハンコという言葉が非常に興味深いものに思えてくるのではないでしょうか。

印鑑の種類

印鑑(ハンコ)には様々な種類がありますが、認印・銀行印・実印の3種類が最も広く知られているものです。
3つの違いについて、ご紹介します。

認印とは

認印とは、いわゆる宅配便のサインなどで使うハンコを指します。日常的に使うものですので、古印体など文字が読みやすい印影が一般的です。登録や届けを出す必要もないため、100円ショップなどで購入したものや安価なゴム製のハンコを、認印として使用することができます。

認印を実印や銀行印と併用することもできますが、取り扱いやすい反面、書体に個性も少ないため悪用される危険性も多くあり、 おすすめはできません。
また、認印に使われることも多いゴム製のハンコは、印影が劣化で変化してしまう可能性もあります。そのため、金融機関など印影の届け出が必要な機関では、登録できない場合も多いようです。

銀行印とは

銀行印とは、銀行に届け出をしたハンコです。お金の出し入れをする際に、通帳とセットで使用するのが一般的です。100円ショップで購入したハンコなど、どんなハンコでも銀行さえOKを出せば、原則は銀行印として使用できます。
とはいえ悪用のリスクを避けるために、認印のようなシンプルで読みやすい印影とは違い、複雑で真似しにくいデザインのものを銀行印に使うのが良いでしょう 。

実印とは

実印とは、自分の住民票がある市区町村の役場で登録できる「自分自身を証明するハンコ」を指します。銀行印が銀行だけにおける自分自身の証明印とするなら、実印は不動産取引や官公庁での手続き、自動車売買や保険といった、もっと幅広いシーンで使う身分証明証の代わりともなるハンコです。
銀行印同様、役場に届出したハンコであればどんなものでも「実印」として認められるため、三文判での実印登録も基本的には可能です。(自治体の判断によってはNGとなる場合もあります)
しかし簡単に複製できるデザインのハンコでは、銀行印以上に悪用のリスクが高いため、やはりおすすめできません。

印鑑登録・印鑑証明の手続き方法

役場に印鑑登録を申し出たハンコを実印と呼ぶのは前の章でも触れましたが、その印鑑登録の手続き方法はご存知でしょうか。
また、印鑑登録したハンコをその後何らかのシーンで使用したとき、本当に実印かどうか証明する「印鑑証明書の発行」についても、印鑑登録方法と合わせて知っておくべき事柄です。

印鑑登録・印鑑証明書の発行の手続き方法について、分かりやすく説明していきます。

個人の印鑑登録の手続き方法

印鑑登録の手続き方法は、お住まいの役場規定によって変わる場合もありますが、基本的には実印用の印鑑と、顔写真付きの身分証明が必要です。

15歳以上の本人であり、印影が本名で印影サイズが8mm以上25mm以下であれば、即日登録が完了します。実印として登録できない印鑑の定義は、お住まいの地域によって違うようなので、希望の印鑑が実印登録できるものかあらかじめ電話やホームページで確認しておくと良いでしょう。

登録が完了すると、「印鑑登録証」というカードが発行されます。これを使って印鑑証明書を発行しますので、紛失しないように保管しましょう。

法人の印鑑登録の手続き方法

法人で実印(いわゆる代表者印)を登録する場合についてもご説明します。代表者印の登録は、法人の本店所在地にある「法務局」に申請を行います。手続きには代表者印、代表者本人の実印、本人実印の印鑑証明書(発行後3カ月以内)の3つが必要です。

代表者印のサイズは、1cm以上3cm以内の正方形に収まるサイズという規定があります。印影の内容や形については特に規定がありませんが、一般的に丸形で、外側の円に会社名・内側の円に役職名が入ることが多いです。

特に注意が必要なのは、代表者本人の実印と印鑑証明書が必要なことでしょう。早ければ即日で本人の印鑑証明も登録完了できますが、ハンコが実印と認められなかった場合などは、ハンコの作り直しに時間がかかる可能性があります。あらかじめ本人の印鑑登録と印鑑証明書の発行をしてから、代表者印の登録に臨みましょう。

登録が完了すると、個人の印鑑登録証にあたる「印鑑カード」というものが発行できます。個人の場合は、自動的に印鑑登録証が発行されますが、法人の場合は「印鑑カード」の発行は任意です。印鑑登録のタイミングで一緒に発行してもいいですし、悪用のリスクなどを考慮して必要になったタイミングで発行するのでも、どちらでも構いません。

個人の印鑑証明書の発行方法

印鑑登録を行うと、印鑑登録証(印鑑登録カード)が発行されます。この印鑑登録証と、顔つきの身分証明証、手数料の3つがあれば、印鑑証明書の発行は即日可能です。

印鑑登録証をなくしてしまった場合、多くが印鑑の再登録が必要となります。
一度実印登録した印鑑情報を削除し、再び同じ印鑑(違うものでもOK)で再登録し、印鑑登録証を発行してもらうのが一般的です。印鑑登録証がないと印鑑証明書はほぼ例外なく発行ができないので、大切に保管しておきましょう。

法人の印鑑証明書の発行方法

法人の印鑑証明書は最寄りの法務局で発行できます。印鑑登録を行った法務局まで行く必要はありません。法務局で申請書に会社の商号、会社等の住所、印鑑提出者の役職・氏名・生年月日、印鑑カード番号を記載し、手数料分の収入印紙を添付して提出します。

郵送での発行や、証明書発行請求機がある場合は、請求機での発行も可能なので、事前に法務局のサイトで確認をしましょう。

印鑑照合の方法

印鑑証明書は、実際に押印された印鑑と登録している印鑑が、一致していることを確認するために発行します。では実際にどのように照合を行えばよいのでしょうか。

平面照合

最も一般的な方法で、印鑑証明書と印影を並べて肉眼で確認する方法です。時間がかからないのがメリットですが、人間の目で確認するので正確性に不安が残ります。

残影照合

印鑑証明書と押印された印影を重ね合わせ、高速でめくって残像を確認する方法です。平面照合と同じく時間がかからないのがメリットですが、平面照合よりも技術が必要になります。

折り重ね照合

押印された印影に、印鑑証明書の印影部分を折り重ね、折口が一致するか確認する方法です。折った位置によっては、偽装箇所が特定できないこともあり、正確さについては平面照合や残影照合と同じく不安が残ります。

拡大鏡による照合

拡大鏡を用いて、印影をよく見えるようにし、細部を比較して照合する方法です。拡大鏡があれば、すぐにできるのがメリットですが、人の目での確認になるため、システムより正確性は劣ります。

システムによる照合

印鑑照合のシステムを利用して照合する方法です。機械なので、人間の目で確認するより正確なのがメリットですが、導入や使用にコストがかかることがデメリットです。

印鑑照合の義務

照合の方法をいくつかご説明しました。万全を期すなら、当然複数の方法で確認をするのが安心ですが、契約の度に確認することは難しいでしょう。

過去、最高裁より基本的には平面照合を行えば、照合を行ったとする、という判決がでています。

したがつて、銀行が自店を支払場所とする手形について、真実取引先の振り出した手形であるかどうかを確認するため、届出印鑑の印影と当該手形上の印影とを照合するにあたつては、特段の事情のないかぎり、折り重ねによる照合や拡大鏡等による照合をするまでの必要はなく、前記のような肉眼によるいわゆる平面照合の方法をもつてすれば足りる

裁判所ウェブサイトより引用 :
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51901

これに則り、平面照合を基本とし、他に不自然な点があれば、他の方法でも確認をする、などの基準を社内で定めておくとよいでしょう。

近年では従来のハンコが電子印鑑へと変化しつつある

 

ビジネスシーンや大切な契約などでも使用することの多い印鑑ですが、現代ではそのような場面で、電子印鑑を用いることが多くなってきました。
電子印鑑とは、パソコン上で使用できる印鑑を選択し、クリックひとつでパソコン内の書類に電子印鑑を押印できるものです。

とくに届出も必要なく、捺印後の書類編集・改ざん不可能なシステムや、なりすまし防止の個人IDが設定された電子印鑑は、企業同士の大切な契約などでも便利で安心であるとして使われることが増えてきました。
実印・銀行印に成り替わることはまだないものの、近い将来、実印・銀行印の代わりとして電子印鑑を使用できる日が来るかもしれません。

従来のハンコと電子印鑑のメリット・デメリット

企業において徐々に広まりつつある電子印鑑ですが、なぜ、従来のハンコから電子印鑑へシフトするようになってきたのでしょうか。
それぞれのメリット、デメリットに着目をすることで、企業で電子印鑑が活用される理由が見えてきます。

従来のハンコのメリット/デメリット

まず、従来のハンコのメリットから見ていきましょう。従来のハンコのメリットのひとつが、入手しやすく価格も安い、という点です。三文判であれば100円ショップでも買うことができ、実印や銀行印も街の印章店で容易に手に入ります。

デメリットとしては悪用されてしまう不安や、紛失や盗難防止対策が難しい、といった点が挙げられます。
従来のハンコは簡単に街中で手に入るため、同じものを入手すれば、なりすましも簡単にできてしまいます。そこで、なりすましができないようなデザインの印影を作り、厳重に管理しようと考えるのではないでしょうか。しかし大切なハンコはそう頻繁に使うものでもありません。そのため保管場所を忘れてしまったり、盗難されていても気づけなかったりすることも珍しくありません。企業にとって、重要なハンコの紛失はかなりの痛手となります。

電子印鑑のメリット/デメリット

一方、電子印鑑のメリットは、電子印影の複製や盗難の心配がないことが挙げられます。従来のハンコのデメリットを埋めるようなこのメリットは、情報漏えいに敏感でなくてはならない企業にとって、大きなポイントとなるでしょう。
仮にパソコンから電子印影を始めとする印鑑データを盗もうとしても、電子印鑑のセキュリティ性は高く、悪用は難しいといえます。また、照合についても印影データに捺印者や捺印日時のデータがあるので、見比べて確認するということは必要ありません。

さらに、メールなどで送られてきた書類をいちいちプリントアウトして押印、スキャンをして返送といった手間も省けるため、ビジネス面においての貢献度も、従来のハンコに比べて高いのではないでしょうか。

デメリットとしては、導入コストがかかることが挙げられます。しかし、作業の効率化やペーパーレス化を長い目で見れば、結果として導入コストを上回る企業利益を生む可能性があります。

▼電子印鑑について詳しく知りたい方はこちら

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印鑑は悪用を防ぐのが大切、用途に応じた適切な印鑑チョイスを

認印・銀行印・実印、電子印鑑、現代社会においては、どれかひとつだけを持っていれば仕事から日常生活まで全て問題ない、というわけではありません。どれも自分自身を証明する大切な印鑑ですので、用途に応じた適切な印鑑を持ち、悪用のリスクを分散させるようにしましょう。

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