従業員の本音を聞く機会はなかなかありませんが、事業の伸びが悪い、停滞感があるといったときは、従業員満足度に目を向けるタイミングと言えます。
今回は、従業員満足度を高めるメリットや満足度を調査する方法と、満足度を高めるための方法についてご説明します。
従業員満足度(Employee Satisfaction、ES)とは、従業員が企業で働くことに対してどれほど満足しているかを示す度合いのことです。
従業員満足度は、報酬や福利厚生だけではなく、職場環境や企業理念、仕事内容も大きく影響すると言われています。最近は働き手不足が問題となっているため、優秀な人材を確保するためにも従業員満足度を高めようと考える企業が増えています。
従業員満足度を高めるためには、定期的に企業内で従業員満足度に関する調査を実施して課題を抽出し、改善していくことが大切です。
従業員満足度が高まると、従業員だけではなく企業にとっても良い点があります。ここでは従業員満足度が高まると、どのようなメリットがあるのかをご説明します。
従業員満足度の高い企業では、従業員が積極的に業務に取り組むため、顧客満足度の向上が期待できます。
「自分の業務を通じて会社を発展させたい」という当事者意識の高い従業員が増えることは、企業全体の生産性の向上にも繋がります。
従業員が積極的に業務に取り組むことはコミュニケーションの活性化に繋がります。日頃からコミュニケーションが取れていると、お互いの経験や知識を共有できるほか、失敗や問題に対して従業員同士でフォローし合えるため、従業員1人あたりの負担が減り不満を感じにくくなります。
従業員満足度の高い企業で働き続けたいと思うのは、自然なことです。そのような企業は離職率が低くなり、優秀な人材を確保し続けられるため、新規事業の立ち上げや業務改善などに注力することができます。
また、採用活動を行う際は、広報担当者や役員だけでなく、現場で働く従業員の声も伝えましょう。この企業で働きたいと思う求職者が増えれば、採用活動もスムーズに進みます。
従業員満足度は「動機付け要因」と「衛生要因」から構成されています。従業員満足度を高めるためには、まずはこの2つの要因の意味と違いを理解することが重要です。
動機付け要因は、従業員の「やりがい」に関わる領域のことです。
何のために業務を行うか、業務を行うことで何を得られるかなど、業務を行う目的を理解することは事業に対する興味関心や成長意欲に繋がります。事業目的を従業員に共有できているか、従業員の適性に合った業務を割り振れているかなどを確認しましょう。
衛生要因とは、従業員の「不満足」に関わる領域のことです。
従業員満足度を高めるためには、従業員自身が企業に対しマイナスに感じる要素を減らすことも重要です。業務量に対して報酬が見合っていない、人間関係が良好ではなく働きづらい、福利厚生に魅力を感じられないなどの不満があると、業務内容そのものには満足していても全体的な満足度は下がります。
衛生要員は従業員の退職理由の大きな原因となるため、下記のような調査を実施するなどして、コミュニケーションの回数や質をあげましょう。
従業員満足度を高めるためには、現状の満足度を調査する必要があります。ここでは、従業員満足度の調査方法についてご説明します。
一般的な調査の手順は、以下の通りです。組織体制や調査時期などに応じて、柔軟に対応してください。
1.調査の目的を明らかにする
2.調査方法や質問項目を設定する
3.実際に調査を行う
4.調査結果の分析を行う
5.改善を提案し実行する
まずは、事前に調査を行う目的を明らかにしておきましょう。従業員満足度の改善を検討するに至った経緯や、実際に従業員から聞いた声をもとに目的を明確にし、目的に沿った質問事項や質問形式を設定します。実際の調査方法については改めて後述しますが、計画的に行うことで、より精度の高い回答が得られます。
調査で回答を得ることができたら、分析して改善策の提案を行い実行します。
その後実際に従業員満足度が高まったかを効果測定することも重要です。年に1回のペースなどで定期的に調査を繰り返し、少しずつでも確実に効果を出していきましょう。定期調査には、満足度の変化が見えやすくなるというメリットもあります。
調査はアンケート形式がおすすめです。アンケート形式にすることで、調査目的に沿って従業員の意見を聞き出しやすくなるためです。
従業員満足度を高めるための調査は、従業員の素直な意見を知ることが重要です。そのため、匿名で答えられるようにするなど率直な回答をしやすい配慮を心がけましょう。
従業員満足度を高める目的で行う調査において、調査すべき項目は大きく4つあります。
業務に関する項目としては、業務内容や業務を通して得られる知識や経験、成長などに関する質問が挙げられます。業務量や業務時間なども不満を感じやすいポイントなので、あわせて調査しましょう。
処遇に関する項目では、人事評価や待遇面についての調査を行います。評価制度が正当だと感じているか、異動や昇進に公平性を感じるか、また給料や福利厚生に納得しているかといった質問が挙げられます。
働きやすいと思える人間関係が築かれているか、社歴問わず意見が通りやすいかなど企業内部の雰囲気について調査する項目も欠かせません。普段本音を言いにくい上司との関係性についても率直に回答してもらえるよう、匿名にするなど工夫しましょう。
企業理念や事業内容を理解しているか、共感しているかを問う項目です。企業の業績や将来性、社内ルールなど、企業全体に対する総合的な意見を求めることを目的としています。
最後に、従業員満足度を高めるための実践方法を4つご紹介します。
どんな施策を打ち出したとしても、経営サイドと従業員とで意識が食い違っていては「やらされ感」が出やすくなります。これは従業員の不満に繋がるため、円滑な施策の遂行が難しくなります。
そのため、企業理念や企業が進む方向性をはじめ、経営サイドがなにを考えているのかを従業員に理解してもらい、共感してもらう必要があります。共感を得るためにはチームのリーダーや中心人物が理念に沿った行動を示すことが第一です。また、社内報を作成したり直接コミュニケーションを取る場を設けたりと、経営サイドと従業員の距離感を縮めることも有効です。
企業理念や方向性に共感してもらい、従業員が率先して業務を行える環境をつくりましょう。
企業の売上や目標を数値化、グラフ化すると、従業員ひとりひとりの働きが全体の結果に影響を与えているという実感を持ってもらいやすくなります。
売上が上がり、目標が達成されていく状況を目に見えて実感できれば、従業員のモチベーション向上も期待できます。従業員個人の目標についても同様で、具体的に目に見えることでモチベーションが高まり、これからの課題も明確になって成長に繋がります。
従業員の満足度を向上するための取り組みとして、福利厚生の充実は非常に効果的です。例えば家賃補助や社員食堂など、生活を支える福利厚生は従業員にとって大きなポイントになります。企業としては導入コストの検討が必要になりますが、福利厚生が充実すると企業に還元しようと考えて業務に取り組む従業員が増加します。結果として、かけたコストを上回る成果を期待することができます。
業務の効率化に取り組むことも、従業員満足度の向上に効果的です。非効率な業務は、従業員の不満を生む原因のひとつとなり得ます。ルーティン業務は定期的に見直して、不要な業務は除外もしくは簡略化するなど業務効率の改善を図りましょう。特に、決裁などを含む事務処理関係の仕事は処理が煩雑になりやすい傾向にあります。業務を効率化するためには、業務内容やフローを見直すだけでなく、オンラインツールなどの導入の検討もポイントとなります。
例えば、「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」ではオンライン上で簡単に書類の回覧が可能で、紙書類に出力せずとも電子印鑑を捺印できます。また、スマートフォンやタブレットでも利用できるため、リモートワークを推奨している企業にとっては最適なツールです。
従業員満足度の向上のためにも、業務効率化に有効なツールは積極的に導入しましょう。
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