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コラム

秘密保持契約(NDA)とは?締結時の注意点と捺印ルール

これまで取引のなかった企業と新しく協業することになった場合、さまざまな契約を締結することになりますが、それらの中で代表的なものが秘密保持契約(NDA)です。秘密情報の取り扱いがこれまで以上に重要視されるようになった昨今の企業経営においては、重要度が高く、必要不可欠な契約といえるでしょう。しかし、秘密保持契約がどのような契約なのかあまりよく理解していない方も多いのではないでしょうか。
この記事では秘密保持契約とは何か、また締結する際に注意すべきポイントと、捺印時のルールをわかりやすくご説明します。

秘密保持契約(NDA)とは

秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)とは、自社の保有する秘密の情報を他の企業へ提供することになった際に、その企業がさらに別の企業に漏えいしたり、不正に利用されたりすることを防ぐ目的で締結する契約のことをいいます。要は当事者間のみに秘密を留めることを約束する契約です。

秘密保持契約は、たとえば、新しくローンチする予定の商品の広告を、外部の広告・デザイン会社に発注する場合などに締結されます。外部の企業には新商品の情報を開示しなければ広告の制作を進められないため、秘密情報を開示する前にこの契約を結ぶことになります。

秘密保持契約書については、経済産業省が参考となる例を公開しています。雛形としても活用いただけるかと思いますので、ご自身の会社の契約書の見直しを検討されている方や、これから新しく締結する予定のある方は、一度お目通しください。


参考:経済産業省:秘密情報の保護ハンドブック「業務提携の検討における秘密保持契約書の例」
(※PDFファイルが開きます。24ページ目をご参照ください)
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/reference1-6.pdf

秘密保持契約はなぜ必要か

企業間の取引においては、業務遂行上、自社の重要な情報を相手方に開示せざるを得ない機会が発生する場合があります。しかし、情報が漏えいした場合に、巨額の損害を受ける可能性もゼロではありません。そのような事態にならないためにも、相手方に秘密を守ることを約束させておき、自社の利益を守ることが必要です。

情報漏えいの中でもわかりやすい例としては、特許申請のための秘密保持契約が挙げられます。特許法第29条では、「公然知られた発明」、つまりは開示されていない発明と判断された場合には、特許を受けることができないと定められています。秘密保持契約を締結していない第三者に情報が知られたとなった場合には、「公然知られた発明」と受け取られ、特許を取得できないリスクを伴います。そうなった暁には大きな損害を被ることになりますので、秘密保持契約の締結は重要といえます。

また、不正競争を防ぐ役割もあります。たとえば情報が漏えいした結果として、第三者が似たような製品・サービスを作った場合です。秘密情報が不正競争防止法でいう「営業秘密」に該当するのであれば、類似品を作った企業に対して損害賠償請求や差し止め請求をすることができます。ただし、前提としてその秘密情報が正しく秘密として管理されていることが、請求ができる条件となります。秘密保持契約を交わしていれば、秘密情報として管理していたことが証拠として残ります。

契約締結時のチェックポイント

それでは、実際に秘密保持契約を締結する際によく注意しておきたい点を5つご紹介します。

1. 秘密情報の定義が明確か

相手方に漏えいされた場合に損害を被ることになる、秘密情報の範囲を明確に定義付ける必要があります。ここで定義した秘密情報以外の情報で漏えいが起きても、相手方を契約違反に問うことはできないため、十分な注意が必要です。

一方で、開示された時点で既に公になっている情報や、情報の受領者の責任ではない理由で知られることになった情報などについては、秘密保持契約の対象とすることはできません。このような事項は「除外規定」として定めましょう。

2. 秘密保持義務の範囲が明確か

秘密情報を受け取る相手方が、どのような義務を負う必要があるのかを明確にしましょう。具体的には、秘密情報を第三者に漏えいしてはならないことに加え、秘密情報を適切に管理すること、また管理する際にその情報への不正なアクセス・持ち出しを防止するための対策を施すことなどが挙げられます。

3. 義務違反した場合に効果はあるか

相手方が義務に違反した場合、それ相応の措置を取ることができるのかもよく確認が必要です。具体的には、秘密情報が漏えいした場合に損害賠償請求ができる旨や、秘密情報の使用の差し止めを請求できる旨を明記しておくことが必要です。

4. 契約期間と契約後の拘束は適切か

秘密保持契約書の有効期間を定めることはもちろん必要ですが、契約が終了したら公にしていいわけではない場合も多いかと思います。契約期間とは別に、契約終了後も、たとえば5年程度など契約内容について効果を持続させることができる、残存条項を明記しておくことが大切です。

5. 契約終了時の返還や廃棄の対応を定めているか

秘密情報が記載されたあらゆる資料は、契約終了後に返還してもらうか、もしくは相手方に廃棄してもらう旨を記載しておきましょう。契約期間が終了しても相手方に秘密情報が残っていると、漏えいや不正利用のリスクも残存するために、必要な対応となります。

署名・押印のルール

秘密保持契約書には、署名または記名押印が必要となります。そこで最後に、秘密保持契約に署名・押印する際に知っておくべきルールについてご紹介します。

押印に用いる印鑑の種類は、締結する契約の重要度により決定されます。それほど重要性が高くなく、締結後の立証力を問わない場合は、契約を結ぶ担当者のサインだけ、もしくは認印でもかまいません。重要な契約の場合には実印が用いられるうえ、印鑑証明書の添付が求められます。

押印する場所については、秘密保持契約書が複数ページにわたる場合、契約書のつなぎ目または綴じ目に、ページにまたがるように押印します。末尾だけに押印したとすると、前段を改ざんされたり、差し替えられたりしても気づけない可能性があるため、このような方法を取ります。
契約書のページ数が多い場合には見開きページごとに押印するのは大変なので、袋とじ製本をして、取り付けた背表紙の部分と契約書本体にまたがる形で押印をすることで、一箇所に収まります(図参照)。

(図)

自社の利益を守るために事前によく確認を

以上、秘密保持契約の概要と締結時の注意点、押印ルールについてみてきました。秘密保持契約は、漏えいや改ざんを防止し、自社の利益を守るために必要で重要な契約です。今回ご説明したチェックポイントを参考に内容を正しく理解し、事前に抜け漏れがないかどうかよく確認して自社の利益を守りましょう。

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