IT導入補助金2024とは？概要と変更点、補助金の対象までを詳しく解説

企業がビジネスを行う上で直面する課題は多岐にわたります。特に中小企業にとって、デジタル化の波に乗るための資金調達は大きな課題になることがあります。技術の急速な進化に対応し、競争力を維持するためには、デジタルの導入が不可欠ですが、それには相応の投資が必要です。IT導入補助金は、こうした企業の資金面の課題を軽減し、業務生産性の向上や効率化を進めるのに役立つ制度として注目を集めています。本記事では、IT導入補助金の目的と概要、2024年度における変更点、IT導入補助金2024のメリットと補助対象までを詳しく解説していきます。

IT導入補助金2024とは

「IT導入補助金2024」とは、中小企業や小規模事業者がデジタル化を進めるために設けられた公的な支援策です。まず、IT導入補助金の目的と概要、そして2024年度に予定されている新たな変更点について解説します。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がデジタル技術を活用して業務効率化や競争力強化を図るための支援を目的とした補助金です。この補助金制度は、企業が必要とするITツール（ソフトウェア・サービス等）を導入する際の経済的負担を軽減し、デジタル化を加速させることを目指しています。対象となるITツールは、販売支援、決済・会計・財務、セキュリティ関連など多岐にわたり、事前に事務局によって審査・登録が行われたものになります。また、IT導入に関する相談対応などのサポート費用や、クラウドサービス利用料なども補助対象に含まれます。

IT導入補助金2024の変更点

2024年度のIT導入補助金では、下記の変更点があります。

・デジタル化基盤導入枠の廃止とインボイス枠の新設

・ECサイト制作が対象外

デジタル化基盤導入枠の廃止とインボイス枠の新設

デジタル化基盤導入枠とは、下記ソフトにかかる経費の一部を補助し、インボイス対応も見据えた企業間の取引デジタル化推進を目的とした枠です。

• 会計ソフト
• 受発注ソフト
• 決済ソフト
• ECソフト

デジタル化基盤導入枠については、2024年度は廃止となり、新たにインボイス枠が新設されました。インボイス枠はデジタル化基盤枠と似た内容となっていますが、2023年10月より施行されたインボイス制度を受けて、企業のインボイス対応とシステムの導入を支援するためのものと想定されます。

ECサイト制作が対象外

デジタル化基盤導入枠の廃止とインボイス枠の新設に伴い、ECサイト制作機能を持つITツールが補助の対象外となりました。インボイス枠では、インボイス制度に対応した受発注システムを導入することを目的とした枠であるため、ECサイト制作は対象外となったものと考えられます。

IT導入補助金2024のメリット

IT導入補助金2024は、中小企業や小規模事業者にとって便利な仕組みですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、IT導入補助金2024のメリットについて見ていきます。

返済義務がない

IT導入補助金の最大のメリットは、その名の通り「補助金」であることです。つまり、企業は支援を受けた資金を返済する必要がありません。この特性は、特に資金調達が難しい中小企業やスタートアップにとって大きな利点となります。返済のプレッシャーがないため、企業は新たなITツールやサービスを導入し、ビジネスの改善に集中することができます。これにより、リスクを抑えつつ、革新的な技術を活用することが可能になり、長期的な競争力の向上につながります。

セキュリティ強化やコンプライアンス強化につながる

IT導入補助金を利用することで、セキュリティの強化とコンプライアンスの遵守につながります。現代のビジネス環境では、データの保護とコンプライアンスの遵守が非常に重要なテーマです。IT導入補助金2024にはセキュリティ対策推進枠があり、サイバー攻撃のリスクに対処するためのセキュリティツールが補助対象となっています。また、2023年10月に施行されたインボイスに対応するためのツールも補助対象です。セキュリティリスクの軽減とコンプライアンスへの対応の両面で役立ちます。

業務効率化・DX化を狙える

　IT導入補助金2024を活用することで、業務効率化とデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進が可能になります。効率的な業務プロセスはコスト削減に寄与し、DXは新しいビジネスモデルの開発や市場での競争力強化を可能にします。補助金を用いて最新のIT技術を導入することで、総務・人事・給与・労務・販売支援・物流など、さまざまな分野における業務の自動化・効率化・売上アップのサポートなど、ビジネスのあらゆる面で改善が見込めます。企業は市場の変化に迅速に対応し、成長機会を最大限に活用することができるようになります。

IT導入補助金2024の補助対象

　IT導入補助金2024は、さまざまな分野のITツール導入を支援します。ここでは、IT導入補助金2024で定められた分類・枠について解説します。

通常枠

　IT導入補助金2024の「通常枠」は、企業が一般的なITツールを導入するための支援を提供します。この枠組みの目的は、総務・人事・給与・労務・販売支援・物流など、さまざまな分野における業務の自動化・効率化・売上アップのサポートなど、ビジネスの基本的な側面を強化することです。具体的には、業務管理システム、CRM（顧客関係管理）ソフトウェア、会計ソフトウェア、オンラインマーケティングツールなどが補助対象となります。この枠は、デジタル化の基礎を固めることを目指しており、幅広い業種の企業に適用されます。

インボイス枠（インボイス対応類型・電子取引類型）

　「インボイス枠」は、インボイス（適格請求書）システムの導入や改善を目的とした特定の枠組みです。インボイス対応類型と電子取引類型で分類されており、インボイス対応類型では、電子請求書などを扱う会計ソフト、決済ソフトなど、インボイス制度に対応することを目的としたツールを対象としています。電子取引類型では、例えば、発注者がインボイス制度対応のITツール（受発注ソフト）を導入し、取引の受注者である中小企業・小規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利用させる場合に補助されます。この枠により、企業は会計処理の正確性と透明性を高めると同時に、経理業務の時間とコストを削減できるよう支援を受けることができます。

セキュリティ対策推進枠

「セキュリティ対策推進枠」は、企業のセキュリティ基盤を強化するための補助金です。この枠では、サイバーセキュリティの強化、データ保護対策、ネットワークセキュリティの改善など、サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクを低減し、企業の情報資産を保護するための最新のセキュリティ技術やシステムの導入が補助対象となります。企業は信頼性と安全性を確保し、ビジネスの持続可能性を高めることができます。

複数社連携IT導入枠

「複数社連携IT導入枠」は、複数の企業が共同でITツールやハードウェアを導入することで、生産性向上や地域DXの実現などを図る取り組みを支援するための枠です。この枠を利用することで、業界内の協力を促進し、共同でデジタルソリューションの開発や地域の活性化などをビジネスとして推進することができます。参加企業はリソースを共有し、協力して市場や地域の課題に対応することができるようになります。

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業務効率化とその先にあるDXの実現には、企業の課題を解決するITツールの導入が不可欠です。ITツール導入に対する企業の経済的負担を軽減し、デジタル化を加速させるために、IT導入補助金2024の利用は有効な対策のひとつと言えます。

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