コロナ禍を経てリモートワークに対応する企業が増えたことに伴い、あらゆる業務の電子化が加速しています。コロナ前までは顔を合わせての会議、得意先に足を運ぶ営業などが当たり前でした。しかし今ではWeb会議やチャット、メールでのやり取りが日常化したという方も多いのではないでしょうか。
電子化の対象は、「雇用契約書」や「労働条件通知書」など人事で取り扱う書類も例外ではありません。採用に関する書類も電子化へ移行することで、人事担当者の業務効率が大きく向上できます。そこで本記事では、雇用契約書を電子化するための方法と、その際の注意点、メリット・デメリットをご説明いたします。
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はじめに、雇用契約書とはどのような役割を持つ書類なのか、労働条件通知書との違いと併せてご説明いたします。
「雇用契約書」とは、民法623条に基づき、雇用主(会社)と労働者(働く人)との間に締結された労働契約の内容・条件を明文化し、双方合意したことを証明する契約書を指します。具体的には給与や就業場所、就業時間、業務内容、退職などといった労働条件が記載されており、雇用主・労働者の双方が合意することにより成立します。
雇用契約に限らず、契約は口頭でも成立しますが、できる限り書面化することが求められます。雇用契約書は法律上の交付は義務付けられていませんが、入社後のトラブルを避けるためにも、一般的に雇用主・労働者の双方が契約書に押印(またはサイン)して証拠書類となります。
雇用契約書と似たような場面で用いられる人事関連書類に、「労働条件通知書」があります。こちらは雇用主(会社)から労働者(働く人)に対して、どのような条件で働くかを明文化した書類を指します。労働基準法第15条に基いて交付が義務付けられており、通知をしないと罰則の対象となります。明示すべき項目も、契約期間や就業場所、業務内容など複数の項目が定められています。
労働条件通知書はこれまで紙の書面で交付すると決められていましたが、2019年4月より、メールなどでも交付可能となっています。
このように、労働条件通知書は紙の書面での交付から電子化が認められることになったため、雇用契約書についても電子化する企業が増えています。前述の通り、契約は双方の合意があれば口頭でも成立するため、その証明は紙書類でも電子データでも問題はありません。雇用契約書や労働条件通知書も、電子化「可能」と考えられます。
なお、雇用契約書の締結にあたり、双方が合意した証を書類に残すことがベストです。そのため雇用契約書には、必須ではありませんが、雇用主・労働者双方の押印をするケースが一般的です。雇用契約書を電子化し、押印を残したい場合には、電子印鑑を活用することになります。
これまで紙での取り扱いが主とされていた雇用契約書を電子化することにより、次のようなメリットが得られます。
人材の採用はスピード勝負。業界にもよりますが、日本は全体的に人手不足であり、紙書類を社内でのんびり回覧していては、その間に優秀な人材は他の企業に先に採用されてしまうリスクがあります。雇用契約書の電子化によって、人材の募集〜内定、承諾、雇用契約締結までスムーズにスピード感を持って進められます。入社希望者にとっても、採用されるか不安に思う期間を短くできるため、電子化によって雇用主となる企業・入社希望者双方にメリットがもたらされます。
人材の採用はスピード勝負。業界にもよりますが、日本は全体的に人手不足であり、紙書類を社内でのんびり回覧していては、その間に優秀な人材は他の企業に先に採用されてしまうリスクがあります。雇用契約書の電子化によって、人材の募集〜内定、承諾、雇用契約締結までスムーズにスピード感を持って進められます。入社希望者にとっても、採用されるか不安に思う期間を短くできるため、電子化によって雇用主となる企業・入社希望者双方にメリットがもたらされます。
また、雇用契約書の電子化によって、契約更新時においても業務効率が向上します。雇用形態によっては、契約更新を行う手続きが数か月おきに発生しますが、毎回紙に印刷して確認し、押印していては手間と時間がかかります。電子化されれば、すべての工程をオンラインで完結でき効率的です。
電子化によって手続きが簡略化されれば、意図した書類を探す工数や管理にかかる業務も削減でき、ヒューマンエラーの防止にも繋がります。採用人数が多いほどその効果は高いでしょう。
さらに、雇用契約書や労働条件通知書を紙で取り扱う場合、紙の印刷やインク・用紙代がかかりますし、労働者に郵送すれば送料もかかります。作成後はファイリングしてキャビネットなどに保存しておく必要があるため、保存する場所代もかかってくることになります。
今挙げたようなコストも、書類を電子化すればかからなくなるため、コスト削減に繋がるメリットも大きいといえます。
人事業務などは、コロナ禍でも出社せざるを得ない押印業務が多く発生したと思いますが、雇用契約書をはじめとする人事関連書類も電子化へ移行させることで、リモートワークでも業務を推進できるようになります。リモートワークに対応した会社であれば、遠方にいても優秀な人材を採用する道も開けるため、良い人材が集まりやすくなる期待も持てます。
一方、雇用契約書の電子化にあたっては、デメリットや注意点もあります。
まず認識しておく必要があるのは、2022年1月に改正された電子帳簿保存法の要件です。電子帳簿保存法は元々、企業などにおける財務関連書類や契約書の電子化促進によって生産性を向上するために整備され、電子化を認める要件が定められた法律です。
雇用契約書のような契約書面を電子取引に移行するための要件としては、「真実性」と「見読性」が挙げられています。真実性とは、契約書が確かに当事者同士によって合意を得た内容から、変更が加えられていない証明があることです。また、見読性とは、内容がはっきりと読める状態で管理しておくことです。
1月の法改正によって、電子取引は紙に印刷した保存が原則認められなくなることが定められました。雇用契約書を電子化するのであれば、猶予期間とされている2024年までに条件を満たせるよう準備が必要です。
参考:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021012-095_03.pdf
▼電子契約における電子帳簿保存法の解釈について詳しく知りたい方はこちら
電子契約は印刷・保存が必要?電子帳簿保存法の解釈を交えて解説
契約書の電子化を検討するにあたり、「本当に印刷・保存は必要ないのだろうか」と不安になることはありませんか?電子契約の場合には、原則として紙への印刷・保存は必要ありません。2022年1月に施行される改正電子帳簿保存法の解釈も交えながら、その根拠や注意点をご紹介いたします。
雇用契約書を電子化する場合、一般的には電子契約サービスを導入することになります。紙を取り扱うコストは削減できますが、電子契約サービスには利用料がかかります。クラウド型サービスであれば月額利用料だけで、大規模な開発をせずとも導入できるので、この方法が望ましいといえます。
雇用契約書を電子化する場合、導入前に従業員に説明して理解を得ることが大切です。どのような手続きを踏むことになるのか、従業員側で対応すべき内容などを伝える必要があります。今までのワークフローとやり方が変わると混乱を招くことがあるため、変更点を明確にするとともに、電子化によるメリットが大きいことを丁寧に説明しましょう。
最後に、雇用契約書を電子化する方法をご紹介いたします。
雇用契約書を電子化するのであれば、導入負荷が少ないクラウド型の電子契約サービスの利用がおすすめです。リモートワークにも対応した電子契約サービスがいくつか発売されているため、各社サービスの利用料と機能、利便性を比較し、自社に合ったサービスを選ぶと良いでしょう。
シヤチハタの開発した「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は、2022年2月に電子取引ソフトのJIIMA認証を取得しており、電子帳簿保存法に完全対応した電子契約・電子決裁サービスとなっています。タイムスタンプの自動更新など、文書の真正性を維持する機能もあり、セキュリティ面でも安心感のあるサービスです。
Shachihata Cloudは1ユーザー(印面利用者)あたり月額110円からご利用いただける、お手頃な価格帯に設定されています。オプション機能を付加すれば、セキュリティをさらに強化できるカスタマイズ性も持っています。管理画面はIT知識のない方でも、直感的に利用できるような設計となっており、導入後の従業員の負担が軽減されます。
▼電子契約でも使えるShachihata Cloudの機能や導入方法について詳しく知りたい方はこちら
電子契約でも使えるShachihata Cloudとは?便利機能や導入方法のご紹介
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*アンケート提供元:ゼネラルリサーチ(電子印鑑サービス10社を対象にしたサイト比較イメージ調査/期間2021年3月2日一〜3日/対象:20代〜50代の全国の男女ビジネスパーソン1,014名)