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コラム

電子契約は印刷・保存が必要?電子帳簿保存法の解釈を交えて解説

WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 システム開発部 開発4課課長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。

リモートワークの普及に伴い、これまで契約書を紙で扱っていた企業においても、電子化へ移行させようとする動きが加速しつつあります。電子契約になれば紙に印刷したり保存したりする手間と時間が省け、ペーパーレス化・業務効率化を進められます。しかし、「本当に印刷して保存する必要がないか心配」「なんとなく印刷しておかないと不安」という声もよく聞かれます。
そこで、本記事では電子契約における契約書の印刷・保存の必要性について、電子帳簿保存法の解釈を交えながらご説明いたします。

電子契約書の印刷・保存の必要性

はじめに、電子契約書の印刷・保存の必要性の判断に関わる、電子帳簿保存法の概要をご説明します。

電子契約なら原則として印刷・保存不要

結論からお伝えすると、電子契約の場合なら、原則として契約書を印刷して保存しておく必要はありません。民法上、電子契約書は電子データをそのまま原本として扱えます。

ただし、税法上は電子帳簿保存法の要件を満たすことが前提となります。また、契約書の保存義務の期間は守る必要があります。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、国税関連の帳簿書類等の電子化を認める法律です。1998年に成立し、その後数回にわたる改正を経て条件緩和が進み、2022年1月にも法改正が予定されています。この流れを受け、近年では多くの企業であらゆる書類の電子化が進んでいます。

参考:国税庁 電子帳簿保存法の概要

契約書の保存義務は最低7年間

契約書や請求書、注文請書、見積書といった取引証憑書類は、紙の場合も電子契約の場合も、最低7年間は保存しておく義務があります。かつ、電子データとして保存しておくには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。

電子帳簿保存法上の要件

電子帳簿保存法で規定されている主な要件は次の通りで、これらを満たせない場合は印刷保存する必要があります。

訂正・削除の履歴が残る

帳簿関係書類を電子データとして保存しておくには、訂正・削除の履歴を残す必要があります。どの部分が、いつ、どのように訂正・削除されたのか、後から確認できるように管理します。

タイムスタンプを付与する

書類をスキャンした場合、受領者は署名をした上で3営業日以内にタイムスタンプを押下する必要があります。電子データが作成された日時を印すタイムスタンプが付与されていれば、タイムスタンプの日時以降に改ざんがされていない証明となります。

3営業日以内となると、たとえば月末にまとめて処理するといったことはできないため、なかなか厳しい要件といえるでしょう。ただし、この要件は来年1月施行予定の改正電子帳簿保存法により緩和される予定です。詳細は後述します。

見読可能性を確保する

電子データとして書類を保存するなら、内容が明瞭に読める状態でなくてはなりません。仮に印刷をした場合もきれいに読み取れる状態で保存します。

検索機能を有する

さらに、電子データは検索機能が確保されていることが要件とされています。具体的な機能は次の通りです。

・(帳簿書類の場合)取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索条件として設定できること

・日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること

・2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること

やや厳しい条件ですが、こちらも法改正により要件が緩和されます。

参考:国税庁 電子帳簿保存法上の電子データの保存要件

電子帳簿保存法の要件緩和が進む背景

電子帳簿保存法の要件緩和が進む背景には、職場の生産性を向上させようとする政府方針に対し、これまでのやり方では電子契約をはじめとする書類の電子化を進める企業が増えなかった実態があります。

2022年1月施行(予定)の改正電子帳簿保存法

ペーパーレス化の足枷となっている現行の電子帳簿保存法について、改正のポイントは大きく3つあります。

1. 事前承認制度の廃止

現行の要件では、帳簿書類の電子化にあたり、原則として3ヶ月前までに税務署へ申告し、承認を受ける必要がありました。申告にあたり申請書の作成やシステムの概要書、事務手続き書類など様々な準備が必要で、煩雑なため運用開始までに時間がかかっていました。

しかし、法改正によって事前承認制度は廃止され、書類作成・保存のための基準を満たすツール等を使用すれば、すぐにでも利用開始できるようになります。

2. タイムスタンプ要件の緩和

2022年1月の改正電子帳簿保存法では、タイムスタンプを押下する期間の制限が、3営業日以内から最長2ヶ月以内へと大幅に延長されました。また、前述の修正・削除履歴が残るシステムの場合は、タイムスタンプの付与は不要となります。

3. 検索要件の緩和

検索要件は年月日、金額、取引先のみで良く、国税庁が要求した場合に電子データのダウンロードに応じられるのであれば、組み合わせによる検索設定機能の確保も不要となります。

参考:国税庁 電子帳簿保存法が改正されました

参考:電子帳簿保存法とは

規制緩和により電子契約はさらに普及していくものとみられます。電子化へ移行する場合、何かしらの管理システムを利用することになるかと思いますが、電子帳簿保存法の要件を満たすツールかを確認し選定・活用しましょう。

紙で締結した契約書を電子化する場合 

では、これまでに紙で締結していた契約書を電子化したい場合は、どのようなルールになるのでしょうか。やはり紙のままで持っておくべきか、それともスキャンしておけばそれで良いのか、悩ましいところです。

締結済みの紙の契約書は保存が必要

紙の契約書として既に締結されている契約書については、原本は破棄せずそのまま保存しておく必要があります。これは税法ではなく民法の規定によるものです。電子化された契約書はあくまで複製物でしかないため注意が必要です。

ただし、電子帳簿保存法でスキャナー保存に関する要件を満たせば破棄しても問題ありません。

スキャナー保存ができない書類もある点に注意

現行の電子帳簿保存法では、スキャナー保存をするために、適正事務処理要件と呼ばれる、2名以上の担当による原本の紙とのデータの付け合せ検査が必須となっています。定期検査日までは原本を確保しなければなりません。

印刷した電子契約書に印紙税は必要か

では、電子契約を行った書類を、その後印刷した場合、印紙税は必要となるのでしょうか。

印紙税法第2条では、課税文書は書面の文書とされます。電子契約書の場合、電子契約書を印刷しても印紙税は原則かかりません。考え方としては、要件を満たした電子契約書のほうが原本であり、印刷した書類のほうが写しとして取り扱われるためです。

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