この記事でわかること
電子署名は、契約や承認をオンラインで完結できる便利な仕組みです。最近では無料で利用できるツールも増え、コストをかけずに導入を検討する企業や個人も多くなっています。この記事では、電子署名を無料で使う方法や注意点、事業規模に合わせた導入のポイントを解説します。さらに、法的に有効とされる条件や有料プランに移行すべきタイミングについても紹介します。

電子署名を無料で行う方法を3つご紹介いたします。
1つ目は、ExcelやWord、PDFファイルで電子署名を行う方法です。PDFファイルはAdobe AcrobatやAcrobat Readerを使えば、電子署名ができます。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
電子署名の方法とは?法的効力や導入効果、注意点もわかりやすく解説
電子署名は本人が署名していることと、内容が改ざんされていないことを証明するものです。本記事では、電子署名の概要や法的根拠について解説しています。署名する手順や導入効果、注意点を紹介しておりますので、電子署名を導入したい担当者の方はぜひご覧ください。
2つ目は、無料で提供されている電子契約サービスを利用する方法です。代表的なものだと、「みんなの電子署名」があります。
| みんなの電子署名 | |
| 料金 | 無料 |
| アカウント数 | 無制限 |
| 署名数 | 無制限 |
| タイムスタンプ | あり |
| ファイル形式 | |
| 文書保管 | 署名から1年間は無料 1年以上は50文書で月額550円(税込) |
みんなの電子署名は基本的にすべて無料で利用できます。電子署名する数に制限がないため、数が多い場合でも金額を気にせず利用できるでしょう。タイムスタンプ機能もあるため、セキュリティ面にも配慮されています。ただし、電子署名した文書の保管は1年間まで無料で、それ以降は従量課金となります。また、対応しているファイル形式がPDFのみである点にも注意が必要です。
3つ目は、電子契約サービスの無料プランやトライアルを利用する方法です。有料プランが設けられている電子契約サービスは、ほとんど無料でお試し利用できます。
「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」もその1つで、無料トライアルを実施しています。有料プランと同様の機能を利用でき、操作感を確かめられるため、本格的な導入を検討している場合にもおすすめです。

電子署名を無料で利用できるツールには、導入前に自社に合ったものかを手軽に確認できるという大きな利点があります。有料サービスを契約してから「操作が分かりにくい」「必要な機能がなかった」といった問題が発覚すると、費用だけが無駄になってしまいます。その点、無料プランであれば初期費用をかけずに使い勝手や機能を試せるため、自社の業務フローに最適なツールを見極めやすいのが特徴です。
また、無料ツールを活用することで、社員の操作習熟度や社内の運用体制も確認できます。小規模な導入から始めて問題がなければ、有料プランへスムーズに移行できる柔軟性も魅力です。コストを抑えながら安心して電子署名を導入したい企業にとって、無料ツールは最初の一歩として非常に有効です。

無料で作成した電子署名であっても、「本人性の確認」と「内容の非改ざん性」の2つの条件を満たしていれば、法律上有効と認められます。
有料の電子署名サービスは、通常これらの要件を満たす仕組みが備わっていますが、無料ツールを使う場合は十分に注意しなければなりません。ここでは、無料の電子署名が法的に有効と認められるために、どのような点を満たす必要があるのかを、具体的にわかりやすく解説します。
無料で利用できる電子署名であっても、電子署名法が定める技術的・法律的な要件を満たしていれば、紙の署名や押印と同様の法的効力が認められます。
重要なのは、利用するサービスが「本人確認の仕組み」と「改ざん防止機能」を備えているかを確認することです。これらが確保されていれば、無料の電子署名でも安心して契約や承認に使用できます。
無料の電子署名でも法的に有効と認められるためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。
まず「本人性の確認」が欠かせません。これは、署名を行ったのが確かに本人であることを示す仕組みで、ID認証や電子証明書の発行などで担保されます。
次に「内容の非改ざん性」が求められます。これは、署名後に文書が変更されていないことを確認できる仕組みであり、タイムスタンプやデータの暗号化などによって保証されます。
さらに、電子署名法ではこれらの要件を満たした場合、「本人によって作成された」と法律上推定される「推定力」が与えられます。
これら3つの条件を確保することで、無料の電子署名でも安心して法的に有効な契約を結ぶことができます。

無料で使える電子署名サービスはメリットがある一方、注意すべき点もあります。次の4点を確認してから利用を検討しましょう。
有料の電子契約サービスの無料プランは、「月に5件まで」といった制限がある場合が多いです。数が少ない個人事業主などには影響がないかもしれませんが、毎月多くの電子契約を行う場合は無料プランでは対応が難しいでしょう。
無料で使える電子署名サービスは契約数だけでなく、電子証明書やタイムスタンプなどの機能が使えない場合もあります。無料プランだと求めている機能が利用できないことがある点を理解しておく必要があるでしょう。
無料で使える電子署名サービスは、特定のファイル形式にしか対応していない場合があります。たとえば、みんなの電子署名はPDFにしか対応していないため、WordやExcelに電子署名する場合はひと手間かかってしまいます。スムーズに利用するためにも、自社で使いたいファイル形式があるかどうか確かめることが必要です。
無料がゆえに、ツール自体のセキュリティ対策が万全ではない可能性もあります。ウイルス感染で情報漏洩するリスクがあるため、自社内でセキュリティ対策をしっかり行わなければなりません。
電子署名を導入する際は、事業の規模や契約件数、社内の承認フローに合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。個人事業主と大企業では必要とされる機能やコスト感が大きく異なるため、自社の状況に応じた導入計画を立てることで、無駄な費用を抑えながら業務効率を最大化できます。ここでは、事業規模ごとにおすすめの導入方法を紹介します。
個人事業主やフリーランスの場合、コストを抑えながらも「本人確認」や「改ざん防止」などの基本的なセキュリティ機能が備わった電子署名サービスを選ぶことがポイントです。契約書の数が少なく利用頻度も高くない場合、無料プランや低価格の有料プランでも十分に対応できます。
また、pdf形式の書類に直接署名できる簡易ツールを活用すれば、導入負担を最小限に抑えられます。まずは無料プランで操作性や機能を確認し、自分の業務に合うものを見極めるのがおすすめです。
小規模から中堅企業では、契約書の件数や承認フローの複雑さに応じて導入する電子署名ツールを選ぶことが大切です。たとえば、複数人での同時承認や権限管理、API連携など、業務に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
コストを抑えつつも、将来的な拡張性を意識して選定するのが理想です。特に国産の電子署名サービスはサポート体制が充実しており、オプション機能も柔軟に追加できるため、導入しやすいと評価されています。
大企業や上場企業では、契約書の件数が多く、ガバナンスや内部統制の観点からも厳格な管理体制が求められます。そのため、電子署名ツール選定の際には、ワークフローの自動化や進捗管理、多段階承認などの機能が不可欠です。
さらに、ERPやCRMなど他の業務システムとの連携、強固なセキュリティ対策、法令遵守への対応も重要な要素です。全社的な統合管理を実現できる多機能型システムを導入することで、グローバル展開や内部統制の強化にもつなげられます。

無料プランで十分に感じていても、契約数の増加や社内体制の拡大により、有料プランへの移行を検討すべき時期が訪れます。ここでは、電子署名を有料化する判断の目安となる3つのタイミングを紹介します。
月に電子契約をする件数が多い場合は、有料プランを使う方が便利です。無料プランだと件数が限られていることで、対応しきれない場合もあります。紙から電子の契約に切り替える場合は長い目で見るとコスパがいいため、件数が多い場合は有料プランを検討しましょう。
電子証明書やタイムスタンプで本人性や非改ざん性を担保したいときは、有料プランがおすすめです。契約書としての証拠力を高める意図があります。また、2段階認証等のセキュリティ対策もしっかりしているツールだと、情報漏洩のリスクが抑えられます。セキュリティ面を重視したい場合は、有料の電子契約サービスを使うのがよいでしょう。
電子署名以外の機能を利用して、ツールをまとめたい場合にも有料プランは適しています。電子契約サービスには、各種書類のテンプレート機能やワークフロー、文書の保存などの電子署名以外の機能が備わっているものも多くあります。電子契約を導入することで一気にDX化を進められるためおすすめです。また、複数のツールを契約するより、1つのツールにまとめられるほうがコストを抑えられる可能性もあります。

電子署名を無料で使う場合、「どこまで機能が使えるのか」「複数人での利用はできるのか」など、気になる点が多いでしょう。ここでは、無料プランを利用する際によく寄せられる以下の質問と、その答えをわかりやすく解説します。
無料ツールの仕組みを正しく理解することで、自社に合った電子署名サービスを選びやすくなります。
無料プランでは、基本的に1ユーザーのみでの利用が一般的です。複数人で同時に利用したい場合や、チーム全体で管理したい場合は、有料プランへの切り替えが必要になるケースが多いです。
無料プランでも、電子署名の作成、文書の送信、保管、検索などの基本的な機能は利用できます。ただし、承認フローの自動化やテンプレート管理などの高度な機能は、有料プランに限定されることが多いです。
多くの無料プランでは、保存できる契約書の件数に制限があります。一定期間を過ぎると削除される場合もあるため、長期保存を目的とする場合は、有料プランを検討するのが安心です。
無料プランでは、メールやチャットによるサポートが制限されていることが多く、トラブル発生時に十分なサポートを受けられない可能性があります。安定した運用を求める場合は、有料プランが安心です。

無料で電子署名が行えるツールは多くありますが、機能面の制限やセキュリティ面で不安が残ります。万全の状態で電子署名を利用したいなら、「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」の導入がおすすめです。
「Shachihata Cloud」は、電子署名を始めとしたさまざまな機能を併せ持つDXツールです。事業者立会人型の電子署名を付与し、文書の非改ざん性を担保します。ワークフローとしても利用でき、捺印した文書をPCやスマホアプリで回覧・承認することが可能です。また、2段階認証やIPアドレス制限などのセキュリティ対策にも対応しています。
これだけの機能がありながらも1ユーザーあたり月額120円(税抜)からの低価格で利用できるので、初めて電子署名を利用する場合も低コストで運用できます。無料トライアルを実施していますので、この機会にぜひ導入をご検討ください。
