この記事でわかること
契約書には、契約印・割印・契印・訂正印・捨印・消印のように、押す場所が決まっている押印の種類があります。それぞれ役割や押印位置が異なるため、誤った場所に押してしまうと、契約書の確認や管理に手間がかかる可能性があり、注意が必要です。
本記事では、契約書で使われる印鑑の種類ごとに、正しい押印位置や押し方をわかりやすく解説します。紙の契約書だけでなく、電子契約との違いも確認しましょう。
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契約書への押印には、本人が契約内容に同意したことを示す役割があります。また、文書が当事者の意思に基づいて作成されたことを示し、後から内容を改ざんされるリスクを抑える点がメリットです。
ただし、契約は当事者の合意によって成立するため、法律上、すべての契約書に押印が必須とされているわけではありません。商慣習や証拠力の観点から、押印は現在も重要です。民事訴訟では、本人の印鑑による押印がある場合、その文書が本人の意思で作成されたと推定される「二段の推定」という考え方があります。
参照:経済産業省|押印に関するQ&A

契約書に押す印は、1種類だけではありません。契約の成立を示すための契約印、複数部の契約書が同じ内容であることを示す割印、複数ページのつながりを示す契印など、目的に応じて6種類に分かれます。
それぞれ「何のために押すのか」「どこに押すのか」「どの印鑑を使うのか」が異なるため、契約書を作成したり確認したりする際は違いを理解しておくことが大切です。
ここでは、契約書で使われる下記の6種類の押印の詳細について、正しい押印位置とあわせて解説します。
契約印とは、契約当事者が契約内容を確認し、同意したことを示すために押す印です。契約書の中でも基本となる押印で、署名または記名欄の横に押すのが一般的です。重要な契約では、印鑑登録された実印を使う場合があります。
一方、日常的な取引では、一般的に認印が使われます。会社間の契約では、会社名の横に社印や代表者印を押すケースが多いです。どの印鑑を使うかは、契約の重要性や相手方との取り決めに応じて判断しましょう。
割印とは、同じ内容の契約書を複数部作成した場合に、それらが同一の契約書であることを示すために押す印です。たとえば、契約当事者がそれぞれ1部ずつ保管する場合、2部の契約書を少しずらして重ね、両方にまたがるように押印します。
契印が複数ページのつながりを示す印であるのに対し、割印は複数部の契約書の同一性を示します。使用する印鑑は、契約印と同じ印鑑を使うのが一般的です。
契印とは、契約書が複数ページにわたる場合に、各ページが連続していることを示すために押す印です。ページの差し替えや抜き取りを防ぐ目的があり、契約書の内容を保全する役割があります。
押印位置は、見開きページの継ぎ目や、袋とじにした製本部分が一般的です。契約書をホチキス留めしている場合は、ページの境目にまたがるように押します。使用する印鑑は、契約印と同じ印鑑を使うことが多いです。
消印とは、契約書に貼った収入印紙の再使用を防ぐために押す印です。印紙税が必要な契約書では、所定の金額の収入印紙を貼り、その印紙と契約書の用紙にまたがるように押印します。これにより、収入印紙が使用済みであることを示せます。
消印は、契約当事者のうち一方の印で足りる場合もありますが、双方で確認しておくと安心です。署名や押印と同じ印鑑でなくてもよく、氏名の自署も消印として扱われます。
訂正印とは、契約書の記載内容を訂正したことを示すために押す印です。誤字や金額、日付などを訂正する場合、訂正箇所に二重線を引き、近くに正しい内容を記載したうえで押印します。
訂正印には、契約当事者がその訂正に同意したことを示す役割があります。そのため、一方だけで勝手に訂正するのではなく、必要に応じて双方が押印することが大切です。使用する印鑑は、一般的に契約印と同じ印鑑を使用します。
捨印とは、契約書の欄外や余白にあらかじめ押しておき、後から軽微な訂正を行えるようにするための印です。誤字や脱字などを修正する際に便利ですが、押印した人の確認を得ずに内容を変更されるおそれもあるため、慎重に扱う必要があります。
特に金額、契約期間、支払条件など重要な内容を訂正できる状態にしておくと、トラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。捨印を求められた場合は、訂正できる範囲を確認してから押印しましょう。

契約書に押印する際は、正しい位置に押すだけでなく、印影が読み取れる状態にしておくことも大切です。印影がかすれていたり、文字の向きが大きくずれていたりすると、契約書を確認する相手に不安を与える場合があります。
また、押印位置を間違えた場合は、すぐに契約が無効になるわけではありません。ここでは、きれいに押印するためのコツと、押印位置を間違えたときの対処法を解説します。
押印するときは、まず印鑑の文字の上下を確認し、契約書の文字の向きをそろえて押しましょう。朱肉はつけすぎるとにじみ、少なすぎるとかすれやすくなるため、印面全体に均一につけることがポイントです。
また、机の上に直接押すのではなく、印鑑マットを使うと印影がきれいに出やすくなります。印影がかすれた場合は、同じ場所に重ねて押すことは避け、相手方に確認したうえで近くに押し直しましょう。
押印位置を間違えただけで、契約が無効になるわけではありません。契約は当事者の合意によって成立するため、印影から誰が押したのか確認でき、契約内容に問題がなければ、有効性が認められる可能性が高いです。
ただし、契約印を署名欄から大きく離れた位置に押した場合や、割印・契印など本来の目的を果たせない位置に押した場合は、押し直しが必要になることがあります。二重押しになった場合は、印影が不鮮明になりやすいため、相手方に確認したうえで対応しましょう。
金額や契約条件の誤記、押印者の取り違えなど、契約内容や当事者確認に影響する場合は、契約書全体の作り直しも検討が必要です。

電子契約では、紙の契約書に印鑑を押す代わりに、電子署名やタイムスタンプなどを用いて、本人性や契約締結時点を確認します。そのため、契約印、割印、契印、消印などの押印位置を細かく意識する必要がありません。
紙の契約書では、押印位置の確認や押し直しによる手戻りが発生することもありますが、電子契約ならこのような作業を削減できます。また、収入印紙が不要になるほか、契約書の検索性や保管性も向上するため、契約業務全体の効率化につながるでしょう。

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紙の契約書では、契約印、割印、契印、消印、訂正印、捨印など、それぞれの役割に応じた押印位置を確認しながら作業を進める必要があります。一方で、電子契約に移行すれば、押印位置を細かく意識する必要がなくなり、契約業務の手間も削減できます。
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