まもなく電子帳簿保存法の宥恕期間が終了し、電子契約では書類のデジタル保存が義務となります。早急な対応が求められますが、すべての契約が電子化できるわけではありません。電子契約書類の保存方法や基準がよくわからず、お困りの方も多いのではないでしょうか。本記事では、法律上まだ電子化できない契約とその理由を解説いたします。判別基準とデジタル保存のやり方も詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
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2022年の宅地建物取引業法改正および2023年6月の特定商取引法改正により、ほとんどの契約書類が電子化できるようになりました。しかし、下記の契約・契約書は電子化が不可、または相手方への確認が必須です。
また、国税関係書類のうち、一部の取引および計算や整理、決算のために作成されたものはスキャナ保存の対象外となっています。例えば、下記の書類は、スキャナ保存しなくても構いません。
上記で説明した契約書が電子化を認められていない理由は、主に以下2つです。
公正証書とは、法律関係の行為や事実を公証人が保証するシステムです。公証人法により、公正証書およびそれに関わる書類は電子化が認められていません。ただ、近年は公正証書の電子化が検討され始めているため、将来的に電子化が認められる可能性があるといえます。
一部の書類は、電子契約の利用に相手方の合意が必要です。例えば、訪問販売等の特定商取引では消費者保護の観点から、事前承諾なしに書類の電子化および交付はできません。また、労働条件通知書や派遣社員に対する条件明示書は、被雇用者の希望が電子化の必須要件となっています。
電子契約の可否を見分けるポイントは、契約の当事者間にパワーバランスがあるかどうかです。パワーバランスがある契約とは、以下のようなケースが挙げられます。
上記の関係性では、優位な立場から電子化を強要されてしまうと、劣位の契約者は事実上拒否できません。契約の電子化はパワーバランスに捉われるべきではないという見解から、一方的な要望では電子契約が不可となっています。
電子契約書を正しく作成・運用するためには、以下5つの法律を理解する必要があります。
各法律の概要と、電子契約上のルールをみていきましょう。
電子帳簿保存法とは、税務関連の帳簿の電子化を許可する制度を定める法律です。経理のデジタル化により、業務の効率アップをねらいとしています。1998年の制定当時は、電子取引における電子書類の保存義務や、その保存方法等が非常に厳格でした。しかし、以降5度に及ぶ改正を繰り返し、徐々に要件が緩和されています。
2024年1月には再び改正法が施行され、過少申告加算税の軽減措置が適用される優良な電子帳簿の範囲が限定的になることが決まりました。新制度では、スキャナ保存の要件が大幅に緩和されるほか、新たな宥恕(ゆうじょ)措置が定められています。
電子署名法とは、電子署名の法的効力を保証する法律です。2001年に初めて施行されてから、法改正を繰り返し、現在に至ります。民事訴訟法第228条第4項に定められる「二段の推定」により、電子署名の本人性が担保するしくみです。
IT書面一括法とは、電子商取引等を目的として、2001年に施行された法律です。双方の同意のうえであれば、一部の契約を除き、電子メールなどデジタルツールを用いた契約書等の交付が認められることが定められています。
e-文書法とは、ビジネス上の契約における紙書類を、電子データとして保存できるようにした法律です。正確には、電磁的記録の保存に関するe-文書通則法と、個別の文書手続きの規定を整備するe-文書整備法の2つで構成されています。情報処理を迅速化させることで業務負担を軽減し、経済活動の活性化を図るために2005年に施行されました。
デジタル社会形成整備法とは、デジタル改革推進のため、2021年施行された最も新しい法改正を指します。宅地建物取引業法や借地借家法など、全48の法律の押印・書面交付ルールの改正を定めた内容です。
デジタル社会形成整備法の制定により、書面化が義務付けられていた不動産関連の一部の書類が押印免除となり、電磁的方法による書類交付が可能になりました。
電子契約の契約書を電子化する手段は、大きく分けて以下2つの方法があります。
紙で作成された契約書をスキャナーでデータ化し、取り込むことでデジタル保存する方法です。開始手続きは不要ですが、原則として以下の要件を満たさなければなりません。
なお、上記の要件は、2024年1月1日から一部改正されます。まず、要件4および要件6は、新制度では不要です。また、要件7については、契約書や納品書、請求書など、ビジネス上で資金・モノの流れに関連する重要書類のみに適用されることとなりました。優良な電子帳簿には、過少申告加算税の軽減措置が適用されます。
要件を満たしているかどうかが分からないときは、国税庁のサイトおよび各地の税務署に設置されている相談窓口に相談することが可能です。
電子契約システムを導入すれば、上記のように手間のかかるスキャン作業が不要です。電子文書の保存も、システム上で一括管理できます。電子署名やタイムスタンプを用いることで、法的効力やセキュアな環境も担保できる点もメリットです。
電子契約における契約書を保存する際は、次のポイントを確実にチェックしたうえで行いましょう。
電子帳簿保存法における電子取引データ保存では、下記2点の確保が義務付けられています。
「真実性」は、タイムスタンプまたは削除・訂正の履歴が残るクラウド型の電子契約サービス利用などで担保できます。「可視性」は、概要書や操作マニュアルを備え付け、文書検索機能を付与することで確保可能です。なお、上記の要件を備えれば、e-文書法で定められる「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4つの条件も満たせます。
電子契約の保存年限は、原則として5年間有効です。契約書によっては、5年以上の保存が義務付けられていることから、そのままでは要件を満たせません。例えば、法人税関係の書類は10年間保存しなければならないため、有効期限が切れる前にタイムスタンプを再度付与する長期署名が必要になります。
公正証書の作成や、相手の承諾・希望を要する契約の契約書は、電子化の対象外です。とはいえ、現時点で大半の紙書類のデジタル保存が認められています。電子帳簿保存法の宥恕期間は2023年3月31日で終了し、以後は要件を満たして電子契約にかかわる書類を作成・保存しなければなりません。法律を正しく理解するのは難しく、改正のたびにシステムを改修するのは煩雑だと感じている企業の方も多いでしょう。
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