IT導入補助金は企業DXに便利な制度ですが、申請すれば必ず採択されるとは限りません。採択されるためには、要件および手順の正しい理解が必要です。
本記事では、2023年最新および過去の採択結果と採択率を上げるコツをご紹介いたします。不採択になる理由や再申請の具体的な手続きも解説していますので、ぜひ申請の際の参考にしてください。
IT導入補助金とは、中小企業・個人事業主など小規模事業者を対象とするデジタルツール導入の際に申請できる5種類の補助金です。各枠で対象となるITツールや支給限度額が異なるうえ、前期・後期のスケジュールが分かれているため、申請の際は注意しましょう。
【2023年度最新】IT導入補助金とは?対象や申請スケジュールをわかりやすく解説
中小企業がITツールを導入する際には、IT導入補助金の申請が可能です。本記事では、IT導入補助金とは何か、2023年最新の対象や申請スケジュール、手続きをわかりやすく解説いたします。DX化の経費を抑えつつ業務の効率化を図りたい企業の方は、ぜひ参考にしてください。
IT導入補助金前期における各枠の採択率(2023年8月22日現在)をご紹介いたします。
【A類型】
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
1次締切 | 1,871 | 1,363 | 72.8% |
2次締切 | 2,987 | 2,162 | 72.3% |
3次締切 | 2,837 | 2,143 | 75.5% |
【B類型】
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
1次締切 | 44 | 28 | 63.6% |
2次締切 | 77 | 43 | 55.8% |
3次締切 | 70 | 37 | 52.8% |
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
1次締切 | 25 | 20 | 80% |
2次締切 | 37 | 32 | 86.4% |
3次締切 | 16 | 16 | 100% |
申請数 | 交付決定数 | 採択率 | |
1次締切 | 2,744 | 1,735 | 63.2% |
2次締切 | 3,078 | 2,160 | 70.1% |
3次締切 | 4,146 | 3,117 | 75.1% |
4次締切 | 3,577 | 2,796 | 78.1% |
5次締切 | 5,061 | 4,002 | 79% |
1次締切 | 0 | 0 | 0% |
1次締切 | 2 | 1 | 50% |
総申請数 | 総交付決定数 | 総採択率 |
26,572 | 19,655 | 73.9% |
(参考:交付決定事業者一覧、デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)について、IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)|IT導入補助金2023)
続いて、2022年度のIT導入補助金の採択率をみていきましょう。
総申請数 | 総交付決定数 | 総採択率 | ||
通常枠 | A類型 | 23,426 | 13,621 | 58.1% |
B類型 | 669 | 338 | 50.5% | |
セキュリティ対策推進枠 | 297 | 287 | 96.6% | |
デジタル化基盤導入枠 | デジタル化基盤導入類型 | 45,836 | 37,639 | 82.1% |
複数社連携IT導入類型 | 7 | 4 | 57.1% |
(参考:IT導入補助金2022(令和元年度補正・令和3年度 補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)について|IT導入補助金2023)
不採択になる主な要因は以下の5つです。
IT導入補助金は、要件を正確に満たし、正しい手順を踏んで申請しましょう。申請枠が誤っていたり、必須項目を満たしていなかったりすると、不採択になります。過去の申請実績にかかわらず、当該年度の要件を必ず確認してください。
添付書類の不足や記入漏れも、申請時によくあるミスです。入力の際は、見落としがないか確実にチェックしましょう。また、個人と法人で必要な書類が異なる点にも注意してください。
過去3年以内にIT導入補助金および類似の補助金を受給している場合は、審査の減点対象です。上記補助金の受給実績があるからといって必ずしも不採択になるわけではありませんが、採択率が下がる可能性があります。
提出した事業計画が生産性の向上に結びつかないと判断された場合、IT導入補助金は採択されません。交付後には具体的な数値目標の達成が求められるため、根拠が不十分または計画性に欠ける内容での承認は難しいでしょう。
IT導入補助金の支給対象は、原則として中小企業および小規模事業者等のみです。大企業や一定の基準に抵触する事業者は申請できません。また、各枠の対象外のソフトウェアやサービスを申請しても採択されませんので、あらかじめ規定を確認しておきましょう。
補助対象はIT導入支援事業者の申請によって事務局から認定されたツールのみです。なお、採択前に一部でも支払いが済んでいるツールは対象になりません。
IT導入補助金の採択率に関わる申請時の審査における加点・減点の要件を確認していきましょう。
審査の加点要件となる項目は次のとおりです。
前年度および当該年度に別枠で申請している場合は、審査の際に減点されます。加えて、過去3年以内に下記の補助金の受給実績があるケースも減点対象です。
IT導入補助金の審査に通過するためのポイントは次の4点です。
IT導入補助金の申請準備の際は、必要書類の不備や対象外となる要因に該当していないかを確実にチェックしましょう。特に、2023年度から新たに加わった「SECURITY ACTION宣言」や「みらデジ経営チェック」の実施を失念しないようにしてください。効果報告に備え、導入したツールを使いこなせるよう社内研修等を行うことも重要です。
申請時には、可能な限り加点項目を満たしていると、採択される可能性が高まります。加点項目を明確に把握し、IT導入補助金の採択率を上げましょう。
IT導入補助金の申請は、規定のスケジュールに沿って進めなければなりません。また、一定の予算内で行われる事業であり、予定額に達すると応募が締め切られるかもしれません。申請の各ステップの完了には数ヵ月の期間を要する場合もあるため、余裕を持ってスキームを立て、期限にかかわらず早めの申請をおすすめします。
IT導入補助金で購入するツールは、自社が抱える課題の解決を目的として選ぶ必要があります。また、どれほど便利なツールでも、実際に使いこなせなくては意味がありません。適切なITツールを選定し、スムーズに導入・運用するには、パートナーとなるIT導入支援事業者のサポートが不可欠です。実績豊富な事業者なら、蓄積されたノウハウを基に、各企業にとっての有用性の見極めたうえで最良のITツールを提案してくれるでしょう。ただ、IT導入支援事業者を騙る悪質業者による架空申請の危険性があるため、選定の際は注意してください。
IT導入補助金の申請が却下された場合でも、下記2つの方法で速やかに対処すれば問題ありません。
申請内容に不備があったときは、IT導入補助金の事務局から通知があります。修正のうえ再提出が可能ですので、早急に手続きを進めましょう。ただし、再提出の内容や審査の状況によっては、採否の公表が次回以降に持ち越される可能性があります。
申請が却下されても、期間内であれば再申請が可能です。同じ類型での再申請の場合は、下記の手順を踏まなければ手続きを進められません。
なお、アカウントの連携解除後、ほかの申請実績がない場合はアカウントを新規登録する必要があります。
申請が採択に至らず自社のみで対応が難しい場合は、相談窓口に問い合わせてアドバイスを受けましょう。却下原因が分析・把握しやすくなり、内容修正および再申請の手続きがスムーズになることで、次回の採択率を最大限に高められます。
IT導入補助金の相談があるときは?問い合わせ窓口の選択肢と選定ポイント
IT導入補助金の申請には知識が必要で企業単独で行うのは困難な場合もありますが、サポートを受けるとスムーズに申請できるでしょう。本記事では、IT導入補助金の相談窓口をご紹介いたします。選び方も解説していますので、何から始めればよいかわからず困っている方はぜひ参考にしてください。
現時点における2023年度IT導入補助金の総採択率は7割程度です。採択されるにはルールの理解度が重要ですが、複雑な規定をすべて把握するのは難しく、手続きも煩雑で時間がかかります。
スムーズに申請手続きを進めて採択率を上げるなら、信頼できるIT導入支援事業者をパートナーに選ぶことが大切です。「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は、要望や予算に合わせて最適なバックオフィスツールを提案することで企業DXを支援いたします。実績も豊富であり、採択だけではなく運用・報告も含め最大限のサポートが可能です。今なら無料の相談を実施していますので、ぜひご検討ください。