ソフトウェア・パソコン等を購入する際、IT導入補助金を受給できれば経費が抑えられます。ただし、申請の際は適切なツールを選定し、期限内に規定の手順を踏まなければなりません。 本記事では、2023年度IT導入補助金の対象企業やソフト一覧、スケジュールを解説いたします。種類ごとの違いやメリット・デメリットも紹介していますので、申請・運用に関するお悩みを解決したい企業の方はぜひご一読ください。
IT導入補助金とは、中小企業庁による事業や業務にデジタルツールを導入する経費の一部を補助する制度です。ITツールの導入による生産性の向上や業務効率化、売上アップを目的としています。
補助対象は、中小企業・小規模事業者等です。業種や業務形態により資本金・従業員数に制限が定められており、大企業とそのグループ・子会社や直近3年以内の課税所得が15億円以上の中小企業、一部業種の法人・事業者等は申請できません。
適用条件を満たしても、類似の補助金を受給した場合や法律・法令に違反した企業等は申請が受け付けられない可能性があります。
IT導入補助金の対象は、事務局が認定する以下のソフトウェア・システム等の購入費や利用料です。
● 電子決裁
● ワークフロー
● 経理・会計
● 受発注
● 人事管理
● 給与計算
● 営業・顧客管理
● 書類管理
● 一定期間のクラウド利用料
● 導入オプション・役務等の諸経費
● 一部ハードウェア購入費(デジタル化基盤導入類型のみ)
具体的なITツール・ソフトについては「IT導入支援事業者・ITツール検索」をご参照ください。
IT導入補助金の申請後、締切から交付決定までは約1ヶ月~1ヶ月半です。事業の実施期間は、交付決定日から5ヶ月程度となっています。また、実績報告期限も実施期間と同日です。「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」の「IT導入補助金2023特設サイト」では、締切日および事業実施期間や報告期限などのスケジュールが公表されているため、確認のうえぜひお問い合わせください。
IT導入補助金は全5種類です。各種類の概要や限度額等を確認していきましょう。
経営力の強化のために導入するITツール購入費の1/2を補助する制度です。A類型は、5万円~150万円未満で1種類以上の業務プロセスをカバーするITツールが対象となります。一方、B類型は150万円~450万円以下で業務プロセスが4種類以上あることが利用条件です。
情報漏えいや改ざんのリスクを軽減するITツール導入を補助する制度です。サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト掲載ツールのうち、IT導入支援事業者から提供されたものが対象となります。限度額は利用料5万円~100万円以下のサービスの最大2年分であり、補助率は1/2以内です。
円滑な企業間デジタル取引を目的とするITツール購入に利用できる補助金です。購入費や利用料および諸経費の合計が50万円以下なら3/4以内、50万円超~350万円以下の場合は2/3以内の金額が補助されます。
ただし、認定ハードウェア購入の場合、PC・タブレット等の機器は10万円以内、レジ・券売機等は20万円以内が限度額であり、補助率はいずれも1/2以内です。
インボイス制度に対応したクラウド型ソフトウェアに利用できる補助金です。2023年度に新設され、中小・個人事業者だけではなく大企業も申請できます。対象は最大2年分のクラウド利用料であり、限度額は350万円以下です。中小企業・小規模事業者等は2/3、その他の事業者等は1/2が補助されます。
ただし、取引先と共同使用するITツールの場合、支給額はアカウント総数から他社が使用する割合を乗じた金額です。
商工団体等やコンソーシアムが地域DX化を目的とするITツールを導入する際に利用できる補助金です。業務の基盤となるITツールのほか、各種分析・決裁システムおよび関連経費が対象となります。他枠とスケジュールや流れが異なるため、申請の際は注意してください。
IT導入補助金のメリット・デメリットをそれぞれ確認していきましょう。
IT導入補助金には以下のメリットがあります。
幅広いITツールに利用できるうえ、返済も不要です。業務フローや負担が削減できるため、利益や従業員のモチベーションの向上が狙えます。
IT導入補助金のデメリットは以下のとおりです。
規定どおりに手続きを進めなければならず、報告書の作成が義務付けられています。購入後に補助金が支給されるため、場合によっては使いにくいかもしれません。
とはいえ、上記デメリットはIT導入支援事業者からサポートを受けることで解消できる可能性があります。
IT導入支援事業者とは、ツールの提案・プラン策定や申請手続きから導入・運用までトータルにサポートする単独のITベンダー・サービス事業者またはコンソーシアムです。補助金を申請する際は、IT導入支援事業者から招待されたマイページを経由しなければなりません。
IT導入補助金を申請する流れを説明いたします。2023年度から「SECURITY ACTION宣言」と「みらデジ経営チェック」が必須要件に加わっているため、手順を明確に把握しましょう。
まず、公募要領から内容・条件とスケジュールをチェックします。前期と後期でスケジュール等が異なるため、誤認に注意してください。
続いて、IT導入支援事業者を選定しましょう。選定の際は「IT導入支援事業者・ITツール検索」から探せます。
IT導入支援事業者とともに、自社に最適なITツールを検討してください。
IT導入補助金の申請に必要な下記書類を揃えましょう。
【法人の場合】
【個人事業主等の場合】
各書類の姓名が異なる場合は、改姓を証明する書類も必要です。
「gBizIDプライム」に登録し、ID・パスワード等を取得してください。アカウント申請から発行までに2週間程度かかるため、計画的に申請しましょう。
「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」をベースとする「SECURITY ACTION宣言」を申請します。申し込みフォームから、一つ星または二つ星の取組目標のいずれかを自己宣言してください。
経営状況を可視化するため「みらデジ経営チェック」を受けてください。ポータルサイトから利用者登録し、gBizIDプライムアカウントと連携させてから実施しましょう。
IT導入支援事業者と共同で事業計画を策定し、交付申請を行います。交付申請にはIT導入支援事業者から申請マイページに招待をしてもらう必要があり、招待を受けたページに必要な情報を入力して申請します 。
交付申請を完了して事務局から「交付決定」を受けたら、ITツールの発注と契約、支払いなどを行います。この交付決定の連絡をもらう前に契約などを行ってしまうと、補助金の対象外になりますので、十分に注意してください。
導入実績を期限内に事務局へ報告します。申請マイページから実績報告書を作成し、購入を証明できる書類を添付のうえ、速やかに提出しましょう。
実績報告の完了後、補助金が交付されます。交付決定額は、IT導入補助金マイページで確認可能です。
目標の達成度や従業員への給与等を報告します。報告対象の年度・期間は補助金の種類によって異なりますが、最長3年度分です。
を参考に下記に変更。
IT導入支援事業者と共同で事業計画を策定し、交付申請を行います。交付申請にはIT導入支援事業者から申請マイページに招待をしてもらう必要があり、招待を受けたページに必要な情報を入力して申請します。
IT導入補助金の申請には期限があるため、次のポイントを意識してスピーディーに進めてください。
IT導入補助金の申請には期限があるうえ、期限内でも申請額が予算に達すると締め切られます。初回の申請でスムーズに採択されるよう、必要書類のチェックを徹底し、必須事項を確実にクリアするようにしましょう。準備に関してわからないことや疑問点がある場合は、IT導入補助金の問い合わせ窓口に相談してみてください。
IT導入補助金の相談があるときは?問い合わせ窓口の選択肢と選定ポイント
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IT導入補助金の申請には、信頼できる有能なパートナーが不可欠です。パートナーとなるIT導入支援事業者は、申請方法や採択率を上げるためのノウハウを熟知している実績豊富なベンダーから選定することをおすすめします。
IT導入補助金の採択率を徹底解説!2023年最新状況と過去の推移および採否を左右する要因
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IT導入補助金を有効活用すれば低コストで業務効率・利益のアップが図れる反面、申請・運用ステップが複雑で手間と時間がかかります。また、ITの専門知識なしに自社のニーズに合致するツールを正確に選定するのは難しく、枠ごとの対象や日程を正確に理解して計画的に申請・運用しなければなりません。
「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」では、バックオフィスツールや電子契約・決裁システム等、通常枠に該当するサービスを提供しています。申請・導入から運用サポートまで煩雑な作業をまるごとカバーするため、DX担当者がいない企業でも安心です。プランの相談・見積もりを無料で承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。