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電子署名は代理人でも可能?有効性・法的リスクと正しい運用方法を解説

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電子契約における代理署名の有効性とは?代理人による押印・電子署名のリスクについても解説

近年のペーパーレス化を背景に、電子契約を導入する企業が増える中、契約締結における電子署名の運用にも注目が集まっています。契約書への署名や押印は、当事者の意思を示す重要な行為ですが、実務では代表者以外の社員が代理で対応する場面も少なくありません。

一方で、電子署名を代理人が行う場合、「法的に有効なのか」「どのような条件を満たす必要があるのか」と不安を感じる担当者も多いでしょう。本記事では、電子署名や代理署名の基本を整理したうえで、電子署名の代理が有効となる要件、実務で発生する主なケース、リスク・注意点、安全に運用する方法をわかりやすく解説します。

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電子署名の代理とは?

契約実務における押印・電子署名の実態

契約実務では、代表者や決裁権者がすべての契約書に自ら署名・押印するとは限りません。取引件数が多い企業では、権限を委譲された担当者や管理職が契約手続きを進める場面も多く、紙の契約だけでなく電子契約でも「代理」による対応が生じます。特に電子契約では、操作の容易さと証跡管理の両立が重要です。まずは電子署名の基本的な意味と、代理署名がどのような行為を指すのかを整理しておきましょう。

電子署名とは

電子署名とは、電子契約書などの電子文書について、「間違いなく本人によって作成されたこと(本人性)」と、「内容が改ざんされていないこと(非改ざん性)」を技術的に証明する仕組みです。電子署名法第3条では下記のように定められています。

第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

引用:e-Gov法令検索 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)

これは、要件を満たした電子署名が付された電子文書は、紙の書面における押印やサインと同様に、証拠としての信頼性を持ちうることを示すものです。

電子署名の基本については、下記の記事も参考にしてください。
電子署名とは?法的効力や仕組み、具体的なやり方までわかりやすく解説

代理署名とは

代理署名とは、契約や申請などの手続きにおいて、本人から権限を与えられた代理人が、本人に代わって署名や押印、電子署名を行うことです。企業実務では、代表者本人がすべての契約手続きを行うのが難しい場合に、役員や従業員が代理で対応するケースがあります。

代理署名そのものは直ちに無効となるものではなく、本人から適切に代理権が与えられていれば、有効な法律行為として扱われます。民事訴訟法第228条第4項では下記のように定められています。

第228条第4項 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

引用:e-Gov法令検索 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)

これは、本人だけでなく、正当な代理権を持つ代理人が署名や押印を行った場合でも、その文書は真正に成立したものと推定されることを示すものです。

電子署名の代理は有効なのか

電子署名・通常の署名はいずれも、法律上の要件を満たしていれば有効と認められます。電子署名を代理人が行う場合も同様で、本人が代理人に対して正当な代理権を与え、その事実を委任状などで証明できることが前提です。

さらに、代理人が与えられた権限の範囲内で契約内容に署名していること、署名が本人に代わって行われた代理署名であると明示されていること、加えて、その署名行為自体が本人の意思に基づいていることも必要です。これらの要件を欠くと、後に契約の有効性が争われるおそれがあります。実務では慎重な運用が必要です。

電子署名で代理が発生する主なケース

代理署名は、実務の中で一定程度発生します。代表者本人がすべての契約手続きを行うのが難しい場合には、社内で権限を持つ担当者や、状況に応じて実務を代行する従業員が対応します。主なケースとしては、以下が挙げられます。

  • 社内規定等に基づいて権限が委譲されているケース
  • 緊急時・不在時に従業員が代行するケース

社内規程等に基づいて権限が委譲されているケース

代表者から権限を受けて、代理で電子署名を行うケースです。社内規程や職務権限規程に基づき、代表者の契約締結権限の一部を、購買管理部長や営業部長などに移譲し、その部長等が名義人となって契約を代理締結するパターンが一般的です。あらかじめ役職や契約類型ごとに権限範囲が整理されていれば、実務上も比較的安定して運用しやすいケースといえます。

緊急時・不在時に従業員が代行するケース

契約上は明示的な権限委譲を行わないものの、実務上の必要から従業員が電子署名を代行するケースです。たとえば、代表者が不在であっても契約締結を急ぐ必要がある場合、契約名義は代表者のままとし、押印・電子署名の実際の作業だけを従業員が行うことがあります。本来であれば代表者本人が行うべき電子署名を他者が担う形ですが、代表者名義で契約されている以上は、二段の推定が適用されます。

 二段の推定とは、契約書などの文書が本人の意思で作成されたかを判断する基準のことです。

  • 一段目の推定: 印影が本人の印鑑・署名と一致すれば、「本人が押した」と推定
  • 二段目の推定:本人が署名・押印したのであれば、文書全体について「本人の意思で真正に成立した」と推定

参照:e-GOV法令検索「民事訴訟法228条4項」

これにより、緊急時や代表者の不在時に電子署名を従業員が代行したとしても、直ちに契約無効となる可能性は高くないでしょう。

電子署名を代理する際のリスク・注意点

代表者が押印・電子署名しない場合のリスクと対策

電子署名を代理で行う運用は、契約実務の効率化や意思決定の迅速化に役立つ一方で、運用方法を誤ると契約の有効性や社内統制に関する問題が生じるおそれがあります。ここでは、下記のケースに伴うリスク・注意点について解説します。

  • 代表者から権限委譲されている場合
  • 代表者名義のまま従業員が代理署名する場合

代表者から権限委譲されている場合

代表者に代わって社員が電子署名を行う運用は、契約手続きを現場に近い立場で進められるため、スピード感のある意思決定を可能にします。特に、契約件数が多い企業や、一定の範囲で部門責任者に決裁権限を持たせている企業では、実務上よく見られる方法です。一方で、この運用を適切に機能させるには、その署名が法的に真正なもの、すなわち本人が認めたものであることを担保できる管理が欠かせません。

リスク

権限を付与された社員が、その権限の範囲を超えた契約を締結した場合、後に契約の有効性が争われるリスクがあります。また、第三者が社員になりすまして権限を濫用する危険性も考えられます。このようなケースでは、会社にとって大きな損失や信用の低下を招く恐れがあります。

注意点

無断契約やなりすましを防ぐには、代表者が委任状を発行し、権限の範囲や対象業務を明確にすることが必要です。また、電子契約システムを活用して、本人認証を行うことで不正行為を抑止できます。また、複数の承認者によるワークフローを活用することで、権限外の契約が進められるリスクを大幅に軽減できます。

代表者名義のまま従業員が代理署名する場合

 社員が代表者名義のまま契約を締結するケースは、「二段の推定」により契約成立可能なため、実務上頻繁に見られる方法です。しかし、この形式では下記の通り、契約の有効性に影響を及ぼす可能性があります。

リスク

 社員が代表者名義で契約を締結する場合、適切な権限付与が行われていないと契約が無効とされるリスクがあります。また、契約内容について相手方から代理権の有無を問われ、トラブルが生じる可能性もあります。このような事態は、契約の信頼性や会社の信用に影響を及ぼします。

注意点

代表者名義での代理契約を有効に機能させるためには、契約内容を事前に代表者が確認し、承認を行う仕組みを整備することが重要です。また、電子契約システムを導入して、契約の承認履歴を記録することで、権限の有無や意思確認の証拠を明確にすることが可能です。加えて、必要に応じて委任状を添付することで、契約の信頼性を高めることができます。

ワークフローシステムなら電子署名の代理でも安心

電子署名の代理を安全に運用するには、誰がどの契約を承認できるのかを明確にし、その流れを仕組みとして管理することが重要です。ワークフローシステムを活用すれば、職務権限に基づいた承認ルートを自動化できるため、権限のない従業員による無断代理のリスクを抑えやすくなります。

また、電子印鑑とログ管理によって「誰が、いつ、どの文書を承認したか」を可視化できるため、監査対応や不正抑止にもつながります。代理署名の利便性と内部統制を両立するうえで、有効な選択肢といえるでしょう。

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代理署名を含む契約実務は、業務効率化を図る一方で、法的リスクを伴います。電子署名サービスを活用することで、権限管理や本人確認、承認履歴の記録を強化し、安全かつ効率的な契約締結が可能になります。また、リスク回避に必要な実務対応を整えることで、企業全体の信頼性向上にもつながります。

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WRITER
田中 空樹
デジタル認証事業部コンテンツストラテジスト
2022年シヤチハタ株式会社入社。 入社1年目でShachihata Cloudの製品サイトリニューアルに携わる。 現在もコンテンツマーケティングなどShachihata Cloudの良さを広めるために奮闘中。
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