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雇用契約書の書き方とは?電子化のメリットもご紹介

企業が従業員を雇用する際に用意する書類のひとつに「雇用契約書」があります。企業と従業員の間で雇用条件を確認し認識を揃え、合意したことを証明し、早期離職などのトラブルを防ぐことにも繋がる重要な書類です。
今回は、雇用契約書の基本的な書き方や注意したいポイントをご紹介します。

雇用契約書とは

雇用契約書とは、雇用する側である企業と雇用される側である従業員の間で、勤務時間や給与といった労働条件を確認し、その内容に両者が同意したことを証明する書類のことです。雇用契約が成立した際に雇用契約書を取り交わし、双方が署名捺印します。雇用契約書を作成する義務付けは法律上ありませんが、従業員が入社した後のトラブルを防止する役割があるため、多くの企業で交付されています。

労働条件通知書との違い

雇用契約書とよく混同される書類に「労働条件通知書」があります。こちらは企業が従業員に雇用条件を通知するための書類です。労働基準法第15条(労働条件の明示)では、「使用者は、労働契約の締結に際し、従業員に対して賃金、労働時間その他労働条件を明示しなければならない」と定めています。また、これらの労働条件は原則として書面での交付が必要なため、労働条件通知書として通知義務のある事項を記載し交付が行われています。

雇用条件を通知するまでを目的としているのが労働条件通知書で、雇用条件の通知のみにとどまらず、双方の認識を揃えた上で同意を取得するまでを目的としているのが雇用契約書、と考えておくと分かりやすいでしょう。


引用:厚生労働省(労働契約締結時の労働条件の明示)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/meiji/index.html

▼労働条件通知書について詳しく知りたい方はこちら

雇用契約書の書き方(見本付き)

前述の通り、雇用契約書は法律上、交付を義務付けられている書類ではないので、必要な項目も法的には定められていません。しかし、労働基準法では労働条件を明示しなければならないという規定があり、明示すべき事項は労働基準法施行規則第5条第1項に規定もされています。
企業と従業員の間で雇用条件の認識を揃え同意をとる、という雇用契約書の目的と、明示の義務を考えると、これらの事項を雇用契約書に記載することが望ましいでしょう。
厚生労働省のウェブサイトでは、書面での交付が義務付けられている項目(1)から(6)を網羅した「労働条件通知書」の雛形が公開されています。
基本的にはこの雛形に則って記載をし、必要な場合は(7)以降を記載していくと安心でしょう。

参考:厚生労働省(労働基準法関係主要様式)

必須の記載事項

労働基準法施行規則第5条第1項に規定されている項目は、以下の14項目あります。
このうち、(1)から(6)は従業員の生活に影響の大きい重要な情報であり、書面での交付が義務付けられているため、雇用契約書にも必須で記載します。
(7)から(14)は口頭での通知でも法律上問題ないものの、該当する項目がある場合は、できる限り雇用契約書に記載することを推奨します。

(1)労働契約の期間に関する事項
(2)期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
(3)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(4)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(5)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(6)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(7)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(8)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(9)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(10)安全及び衛生に関する事項
(11)職業訓練に関する事項
(12)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(13)表彰及び制裁に関する事項
(14)休職に関する事項


引用:厚生労働省(労働基準法施行規則第5条第1項)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322M40000100023

試用期間中における雇用契約書の要否

試用期間中の雇用契約書は不要だと考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、労働条件の認識を揃えるという目的を考えると、内定後、入社するまでに取り交わしておくと安心です。
また、試用期間の条件についてもしっかり雇用契約書内に明記しておくことで、万が一、解雇することになった際の話し合いもスムーズに行える可能性が高くなります。

雇用契約書の製本と押印方法

雇用契約書の内容について、企業と従業員の間で同意が取れたら、正式な締結に向けて製本・押印の作業を行います。契約書が複数ページにわたる場合、下記の手順で製本しましょう。

製本の手順
(1)契約書の左端をホチキスで留める
(2)ホチキスを覆うように、左端全体を紙や製本テープで留める
(3)契約書と左端の紙または製本テープにまたがるように、押印する

製本が完了したら、同様のものを企業保管用・従業員保管用の2部用意します。2部を従業員に郵送し、従業員にも押印してもらった契約書を1部返送してもらいます。
返送された契約書に不備がなければ、契約が取り交わされたことになります。

▼契約書の製本について詳しく知りたい方はこちら

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雇用契約書の必要性

雇用契約書を結ばないと、どのようなトラブルが起き得るのでしょうか。よく発生するのは、求人票の内容と労働条件が異なるというトラブルです。

例えば、求人票では、年収に幅を持たせて書いてあり、その内訳が従業員にとってわかりにくいことがよくあります。休日についても、制度はあるものの取得には条件があるなど、求人票には記載しきれない情報があるかもしれません。

しかし、年収や休日は従業員の生活に直接影響があるため、ここに認識齟齬があると従業員にとって聞いていた話と違った、と感じる可能性が高くなります。不満が募れば、早期退職や企業の評判低下などにつながるリスクもあります。

求人票には書ききれなかった詳細情報を雇用契約書には記載するようにすると、こういったトラブルも起こりにくくなります。従業員の家族構成や生活環境を考慮して、気になる制度を事前に確認するなど、個人に即した対応も従業員にとって役立つでしょう。

雇用契約書は電子契約できる?

雇用契約書は、電子契約することができます。また、以前は電子化が認められていなかった労働条件通知書についても、2019年4月から法律で電子化が認められました。
ただし、労働条件通知書を電子化するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。導入を検討している場合は確認しておきましょう。

・労働者が電子契約を希望していること
・労働者本人だけが書類を閲覧できるようにすること
・労働者本人が書類を紙に出力できること

雇用契約書の電子化のメリット

ここでは、雇用契約書を電子化するメリットを2つご説明いたします。

契約締結までの時間が短縮できる

雇用契約書を電子化するメリットとして、業務効率化が挙げられます。 紙書類で契約を締結する場合、雇用契約書を作成してから締結までに数日~数週間の時間がかかります。この時間の大半を占めるのが郵送の時間と想定されます。

一方、雇用契約を電子で結ぶ場合は、郵送の時間がほぼゼロになるので、内容に問題がなければ数分で契約締結をすることも可能です。雇用契約にかかる時間を大幅に短縮できるので、いままでよりも入社時期を早めることができるようになるでしょう。

また、雇用契約を電子で結ぶことで、これまで契約締結にあたっていた採用担当者はその時間が削減できます。空いた時間を面接に充てれば、より多くの候補者と会うことができ、質の良い採用に繋がります。

雇用契約書の締結は、採用業務の中で唯一リモートができない業務だった、という企業もあると思いますが、採用業務のすべての工程をリモートで実行することができるようになったといえるでしょう。

コストが削減できる

さらに、電子契約によってコストの大幅削減が期待できます。契約書の作成に使われる紙代やインク代をはじめとして、郵送にかかるコストや保管の場所代なども削減することが可能になるでしょう。このように請求書に関する様々なコストを削減できるのは電子契約の大きなメリットです。

雇用契約書の電子化のデメリット

ここからは、雇用契約書を電子化することによって生じるデメリットについてご説明いたします。

誤送信のリスクが増える

電子化をすると、誤送信のリスクが増えることが考えられます。書面での契約締結の場合は、郵送もしくは対面で雇用契約書を手渡しします。対面の場合、誤っていればその場で分かりますが、メールだとすぐには気付くことができません。また、メールはアルファベットを一文字打ち間違えてしまっただけでも違う人に届いてしまう可能性があります。雇用契約書を誤送信した場合、悪用されてしまう可能性もあるので、誤送信をしない工夫や本人しかファイルを開けないようにする工夫が求められます。

雇用契約書などの重要書類は適切に管理を

雇用契約書は、無用なトラブルを回避するために必要な書類です。また、企業と従業員が双方納得し、問題なく働くためにも重要な役割を果たすでしょう。
雇用契約書のように、作成する機会の多い重要書類においては、契約締結は分かりやすくスムーズに、締結後はしっかりとした管理をしておきたいものです。紙に印刷し、双方が捺印し、製本するとなると時間を要するため、近年では電子化する企業も増えてきました。電子化することで、紛失などのリスク低減や検索性向上による業務効率化が見込めます。

重要書類の契約締結〜管理はクラウドサービスの活用が便利

重要書類のやりとりを電子化するには、様々なサービスがありますが、導入のしやすさやセキュリティ面について不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。シヤチハタが提供する「Shachihata Cloud with box」を導入すれば、高度なセキュリティであらゆる契約締結〜書類保管を一元管理できます。「Shachihata Cloud with box」は、電子決裁サービス「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」と、業界最高水準のセキュリティを誇るクラウド型文書管理システム「box」を連携させたサービスです。パソコンやスマートフォンがあれば、専用のソフトウェアをダウンロードする必要はなく、ウェブブラウザ上で簡単にアクセスでき、容易に導入できます。
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