Shachihata Cloud DXコラム オンライン契約書は便利?電子契約システムの導入方法や手順を分かりやすく解説
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オンライン契約書は便利?電子契約システムの導入方法や手順を分かりやすく解説

WRITER
石井 慶
シヤチハタ株式会社 デジタル認証事業部 部長
1994年入社。入社5年後電子印鑑を共同開発したアスキー・ネットワーク・テクノロジー社に出向し何も知らなかったITの基礎を学ぶ。現部署に異動後、業務改革を実行する企業に寄り添う毎日を送っている。

在宅勤務の拡大により、対面で行う必要のない「電子契約」に注目が集まっています。しかし、電子契約の導入を検討しているものの、何から着手すべきか分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、電子契約の導入方法や手順、ツール選定のポイントを分かりやすくご説明いたします。

電子契約とは

初めに電子契約の概要をご説明いたします。電子契約とは、インターネットを介し、契約書(電子ファイル)を送信し、相手と契約を締結することです。紙書類を使用しないため、コストの削減や契約締結のスピードアップが可能です。

電子契約の簡単な流れ

1. パソコンで契約書を作成する
2. インターネットを介し、相手に契約書(電子ファイル)を送信する
3. 相手が契約内容の確認と承認を行う
4. 契約締結が完了した契約書を電子データとして保存する

電子契約システムの導入率は増加傾向

コロナ禍でテレワーク(在宅勤務)が推奨されたことも追い風となり、近年電子契約システムの導入率は増加傾向にあります。2021年1月に実施された、JIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)・ITRによるアンケート調査によると、電子契約の導入率は67.2%に及びました。業種によって差はありますが、2020年調査時点の平均では約4割の利用率であり、大きく増加したことが分かります。

「今後の電子契約の採用を検討している」と答えた企業の割合を含めると、電子契約を前向きに捉えている企業は84.9%にも上り、今後もその浸透スピードは加速するものと推察されます。

参考:https://www.jipdec.or.jp/archives/publications/J0005167

電子契約を導入する方法

電子契約を導入するにはどのような方法があるのでしょうか。一般的な2つの方法をご紹介いたします。

文書作成ソフトで契約書を作成し、メールで送信する

比較的簡単な方法は、WordやExcelなどの文書作成ソフトで契約書を作成し、メールで相手に送信する方法です。紙書類の使用を削減し、対面契約の頻度を低減することが可能です。
しかし、文書作成ソフトを使用した方法は、高度な改ざん防止機能を利用できないため、税務上の契約締結には適していません。また、メールを送受信する手間がかかり、検索性も高いとは言えません。
このことから、文書作成ソフトを使用した方法は便利ではありますが、その機能だけでは不足していると言えるでしょう。

電子契約システムを利用する

現在、多くの企業において利用されているのが「電子契約システム」です。電子契約システムとは、1つのシステム内で、契約書のアップロードや送受信、保存、検索など、契約に関する業務を完結できるサービスです。多くの電子契約システムは、WEBブラウザで使用できるため、ソフトウェアのインストールが必要ありません。また、社外の契約相手は、ゲストユーザーとして無料で利用できるため、費用の負担や導入の手間が発生しません。
セキュリティ面においては、電子署名など高度な改ざん防止機能を備えており、改ざんやなりすましなどを防ぐことが可能です。

(表1)文書作成ソフトと電子契約システムの比較

文書作成ソフトで契約書を作成する方法の特徴 電子契約システムの特徴
・手軽に契約書の作成ができる
・高度な改ざん防止機能を備えていない
・契約書の管理としては不十分
・1つのシステム内で契約に関する業務を完結できる
・WEBブラウザで使用できる
・社外の契約相手もゲストユーザーとして無料で利用できる
・高度な改善防止機能を備えている

電子契約システム導入手順と流れ

次に、電子契約システムを導入するための一般的な手順をご説明いたします。事前準備を含め、導入するまでには時間と労力がかかる想定が必要です。法務やITシステムの専門的な人員強化も含めた検討を行いましょう。

1. 現状の契約書管理体制・ワークフローの可視化

まずは、契約書をどのような体制と仕組みで管理しているか、現状の把握と可視化を行います。

具体的な確認事項としては、取り扱っている契約書の種類はもちろん、それらの作成・対応の発生頻度、対応にかかっている期間、保管方法などが挙げられます。契約書以外にも、発注書や見積書、社内の稟議書など、その他の書類までを確認しましょう。

業務フローの面では、どこに人の手を必要としていて、どこに時間がかかっているのか明らかにしましょう。社内に電子契約を定着させるためにはワークフローの整備が必要です。契約書を電子化するにあたり、契約書への記載内容を追加する場合は、記載内容を明確に周知します。契約書の社内承認についても、承認ルートを明確にし、承認者には業務内容を理解してもらう必要があります。
電子契約システムの中には、契約書の回覧順を設定できるサービスもあります。初めに承認ルートを入力すれば、契約書が最終承認者まで自動送信されるため、ワークフローの決定・承認ルートの決定は、社内に電子契約を定着させるための必須事項と言えます。

このステップは適切なシステムの選択と、効率的な運用フローの設計に役立ちます。

2. 電子契約導入範囲の検討(目的設定)

管理体制・ワークフローが可視化できたら、電子契約を導入する範囲の検討へ移ります。特定の書類のみを対象とすれば影響範囲が小さくて済みますが、書類の種類によって対応が分岐することでかえって手順が複雑化する可能性もあります。

切り分けの仕方としては、「社内向けの書類・契約書を対象とする」「取り扱い頻度の高い書類を対象とする」などが考えられます。導入目的を明確にすれば、その後の工程も自ずと定まってきます。

社内のみ対応とする場合

契約書といっても様々な書類があります。まずは、社内で扱っている契約書を整理し、使用頻度が高く、電子化によって利便性を大きく向上できそうな契約書から電子化すると混乱が少ないでしょう。例えば発注書や見積書、納品書、社内の稟議書などから検討することをおすすめします。

社外も含め対応する場合

対外的な契約書を電子化する場合は、取引先の同意も必要です。対外的な書類までをカバー範囲とすることができれば、業務効率は大きく向上します。取引先の手間が少なくて済むような、簡単な仕組みの導入を検討しましょう。

3. 電子契約システムの選定

前提条件の整理がすべて終えられたら、電子契約システムを選定しましょう。電子契約システムにも様々な種類があります。

一度導入したシステムを後から変更するのは負荷がかかるため、比較検討しながら適切なシステムを選択することが大切です。システム選定のポイントの詳細は後述します。

4. システム及び業務の要件定義

導入したいシステムがある程度まで絞れたら、システム担当者・電子契約を利用する部署の担当者も交え、システム及び業務の要件定義を行いましょう。
利便性に着目するだけではなく、実際に使用する方の意見をヒアリングしておくことが大切です。自社の現状に合ったシステムを選定できるよう、機能の必要性を整理し、運用体制及び運用フロー・ルールを整えます。

5. 社内及び取引先との調整

導入するシステムと運用体制の整備ができたら、いよいよ導入に向けた最終調整に入ります。

新しい仕組みを導入する際は、否定的な意見も発生することが考えられます。社内に対しては、電子契約の活用促進のためにも、導入によるメリットを十分、丁寧に説明しましょう。

取引先に対しても、何がどう変わるのか、具体的に伝え、理解を得ましょう。

6. 電子契約システムの本導入

事前の周知が済み次第、選定した電子契約システムを正式に導入しましょう。導入後はツールの利用者登録や印鑑登録、アクセス制御などの初期設定を行います。想定通りにツールが挙動するか受入試験を行い、問題がなければ利用者へ展開しましょう。

7. 利用マニュアル準備や社内研修の実施

導入後はスムーズに利用開始できるように、ツールの利用マニュアルを作成して配布します。マニュアルを読んだだけでは分からないことも多いと思うので、可能であれば社内研修を行い、どなたでも簡単に操作ができるような環境を整備します。利用中に不明点が発生した際の問い合わせ窓口や、問い合わせフローも準備しておきましょう。

電子契約システム導入のメリット

電子契約を開始すると、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか。3つのメリットをご説明いたします。

1. コスト削減

電子契約では、紙の契約書が不要になるため、印刷代や輸送費、保存場所の家賃など、紙の契約書の用意や保存にかかっていたコストが削減できます。さらに、電子上の契約書(電子ファイル)には、印紙税が課税されないため、節税に繋がります。

2. 業務効率化

紙の契約書では、契約書に不備がある場合、改めて契約書を郵送したり、契約相手先を訪問したりする必要がありました。電子契約システムでは、契約書(電子ファイル)に不備があった場合にも、時間や場所を問わず契約書を再送信することが可能です。電子契約システムを導入することにより、契約業務時間の短縮が期待できます。

3. コンプライアンス強化

紙の契約書には、持ち出しや紛失のリスクが付きまといます。倉庫への出入庫記録を付けたり、キャビネットに鍵をかけたりしても、進行中の契約書の所在を把握することは困難です。
電子契約システムを活用すれば、進行中の契約書から締結済みの契約書まで、システム上で一括管理できます。また、契約書(電子ファイル)には、電子署名など高度な改ざん防止機能を付与できるため、改ざんやなりすましなどを防ぐことが可能です。

電子契約システム導入のデメリット

電子契約システムを導入するデメリットとしては、従業員や取引先への説明が必要となることが挙げられます。電子化をすれば全体的な業務効率は向上することが見込まれますが、新しいシステムの操作に慣れるまでに時間がかかることもあり、導入にあたっての目的や使い方の十分な説明の場は必要となるでしょう。

また、紙での取り扱いのように盗難・改ざん・紛失の心配は減りますが、一方でサイバー攻撃などのセキュリティ対策は別途必要となります。高セキュリティレベルの仕組みを導入することに加え、現在の職場のセキュリティ環境もこれを機に見直すと良いでしょう。

▼テレワークにおけるセキュリティのリスクと対策について詳しく知りたい方はこちら

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電子契約システムを選定するポイント

それでは、電子契約システムはどのように選定すればよいのでしょうか。選定のポイントをご説明いたします。導入までの手間を極力省き、また導入後に有効活用してもらえるよう配慮することが大切です。

1. 電子帳簿保存法への適応

電子帳簿保存法とは、国税関係書類やあらゆる契約書など、企業で取り扱う書類を電子データとして取り扱うことを認めた法律です。電子化を促進し生産性を向上させることを目的として、1998年に制定されました。電子化を認められるためにクリアしなければならない条件が厳しかったため、日本企業においてなかなか電子化が進みませんでしたが、その後数回の改正を重ね条件が緩和され、2022年1月にはまた改正されました。

1月の改正では大きな動きとして、企業が電子データで受け取った領収書や請求書などの国税関係書類は、電子データで保存する義務が生じることになる、という要件が含まれています。条件緩和というよりは、むしろ電子化移行を強く促す動きと受け取れます。完全に義務化するまでに2年間の猶予が与えられましたが、ますます電子化への動きは加速していくとみられます。よって、企業としては改正電子帳簿保存法の要件を満たす電子契約システムの導入が望ましいといえます。

2. セキュリティ対策機能の充実度

電子契約システムでは、インターネット上で重要書類を取り扱うことになります。大前提として、セキュリティ対策機能が充実したシステムを選定しましょう。サイバー攻撃や従業員の操作ミスなどによる情報漏えいリスク対策は必須です。
システムログイン時に多要素認証が行えればなりすまし防止になるので、選定基準としても良いでしょう。また、必要に応じたアクセス制限が設定できればより安全性が高まり、タイムスタンプ機能があれば契約内容が改ざんされていない証明になります。セキュリティ機能はしっかり確認しましょう。

3. ユーザビリティ(社員の使いやすさ)

システムを導入しても、活用されなければ意味がありません。操作方法が複雑なシステムの場合は、導入しても現場に定着させることが難しくなります。社内外とも、実際に利用する方に負担がかからず、使いやすいかは重要な選定ポイントです。
ユーザビリティが良ければ、それほど細かいマニュアルを配布しなくても、直感的に操作でき、積極的に利用してもらえるようになるでしょう。

4. 現行の仕組みへの影響度の低さ

電子契約システム導入による影響範囲が大きければ大きいほど、現行の仕組みを整備し、関係各所へ説明を行い、合意を得る過程に時間と労力を要することになります。目的に応じていて、かつ現行の仕組みを大きく変えずに導入できるシステムが望ましいでしょう。

5. リモートワークへの対応

コロナ禍を経てリモートワークが普及しており、今では在宅など会社から離れた場所からでも業務が行える環境を整えることが求められます。紙で契約書を扱う場合には捺印のために出社せざるを得ないケースもありましたが、電子契約システムを導入するのであれば、リモートワークでも業務フローに支障をきたさないシステムを選定しましょう。

6. 導入コスト・運用コスト

電子契約システムの導入によって業務効率化が促進され、人件費の削減には繋がりますが、導入したからといって売上増に直結するものでもありません。そのためあまり高額なシステムを導入すると負担が大きくなってしまいます。
自社開発する場合だとコストが膨大に膨らんでしまうため、初期コスト・ランニングコストともに抑えられる、クラウド型システムの利用を検討すると良いでしょう。

7. 導入前後の手間(サポート体制含む)

前述の通り、電子契約システムの導入には手間と時間がかかることが想定されます。紙での契約書の扱いに慣れている今、その商習慣を変えるとなれば、社内外ともに説明し、理解を得る手間がかかります。
導入時に発生する手間を極力低減できるように、現場にもたらされるメリットがいかに大きいものかを説明できるような電子契約システムを選定しましょう。

電子契約導入ならShachihata Cloud

クラウド型の電子契約システムは、ソフトウェアのインストールなど、面倒な導入作業を必要とせず、コスト削減や業務効率化などのメリットを得られる業務改善方法です。契約相手や社員の理解を得られるかどうか不安な方は、操作がシンプルな電子契約システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

シヤチハタの「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は、シンプルな機能ながら社外との契約にも対応した電子契約システムです。現在、無料トライアルを実施しています。最後にShachihata Cloudの主要機能をご紹介します。

Shachihata Cloudの主な機能

Shachihata Cloudとは、紙で行われていた書類のやり取りを、現行の運用フローを変更することなく、そのままデジタルへ移行できる電子契約システムです。製品コンセプトは「BPS(ビジネス・プロセス・そのまんま)。ネーム印で知られるシヤチハタが開発・提供するツールです。

主要機能は次の通りで、書類の電子化、回覧、捺印、ファイル保存はもちろん、ログイン時の二要素認証をはじめとするセキュリティ対策も備わっています。

(表2)Shachihata Cloudの主な機能一覧

PDF変換(Word/Excel)
書類回覧ルート保存
組織階層ごとの管理
ファイル保存(1年間)
ファイル添付
複数ファイル登録(1案件5つまで)
回覧中の対象者の追加、削除  社内回覧専用設定(社外非表示)
ログイン時の二要素認証
IPアドレス制限
電子署名
スマホネイティブアプリの利用 

さらに、タイムスタンプなどといったオプション機能の追加によって、よりセキュリティを強固にできるようになっています。

導入コストは無料で、月々の利用料は1ユーザーあたり110円(税込)と、検討しやすい料金体系となっています。まずはお試しで利用されてみてはいかがでしょうか。

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