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電子契約の法的根拠となる法律とは?文書保存に関する法律についても解説

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この記事でわかること

  • 電子契約の法的根拠となる主な法律(電子署名法・民法・民事訴訟法など)の役割
  • 電子署名法における本人性・非改ざん性の考え方
  • 契約自由の原則に基づき電子契約が成立する理由
  • 電子契約書が裁判で証拠として扱われる仕組み(民事訴訟法の位置付け)
  • 電子帳簿保存法やe-文書法と電子契約の保存義務の関係
  • 特定商取引法・電子契約法・下請法など利用者を守る法律の概要
  • 電子契約で印紙税が課税されない理由とコスト削減の考え方
  • 法律により電子化できない契約の具体例と今後のデジタル化の動向
  • 電子契約導入前に確認すべき取引先同意や社内運用整備のポイント
  • 電子契約の法律面を理解したうえで適切なサービスを選定する考え方

電子契約を導入するにあたり、「法律上問題なく利用できるのか」確認しておきたいと考える総務担当者の方は多いのではないでしょうか。電子契約は紙の契約書とは形式が異なるため、どの法律によって有効性が支えられているのかを理解しておくことが重要です。

電子契約は複数の法律の考え方によって成立が認められ、証拠としての扱いや保存方法も制度として整備されています。本記事では電子契約に関係する代表的な法律と保存に関するルールを整理して解説します。

電子契約の法的根拠となる主な法律

電子契約は単独の法律だけで成立している仕組みではありません。契約の成立を定める法律、電子署名の効力を認める法律、証拠として扱う際の考え方を示す法律などが組み合わさることで法的な位置付けが整理されています。

電子契約の法的根拠としては、下記の法律が重要となります。

  • 電子署名法 
  • 民法 
  • 民事訴訟法

電子契約の法的根拠としては、下記の法律が重要となります。

電子署名法

電子契約の信頼性を支える中心的な法律が電子署名法です。この法律では、一定の条件を満たす電子署名が付与された電子文書について、本人の意思によって作成されたものと推定されると定められています。

ここで重要になるのが次の2点です。

  • 本人が操作したと確認できること(本人性)
  • 作成後に内容が変更されていないこと(非改ざん性)

これらを満たす電子署名が付与されていれば、電子契約は法律上の信頼性を備えた契約方法として扱われます。
参照:e-GOV法令検索 電子署名及び認証業務に関する法律 第2条

民法

電子契約が成立する前提となっているのは民法の基本原則です。民法では契約は当事者同士の意思が一致すれば成立するとされています。これを契約自由の原則と呼びます。

この考え方により契約は紙の書面だけに限定されず、電子データによる合意でも成立します。つまり電子契約は特別な例外ではなく、民法の原則に沿った契約形態の一つとして位置付けられています。
参照:e-GOV 法令検索 民法第522条

民事訴訟法

民事訴訟法は、民事訴訟に関する手続きについて定めた法律です。電子的記録で作成した契約書が法的に認められる証拠となりうるのかについて書かれています。

第247条に定められた自由心証主義により、裁判では電子契約書を含むすべての証拠に基づいて事実についての主張の真正性を判断します。つまり、電子契約書も法的に証拠として認められる書類なのです。

(自由心証主義)
第二百四十七条 裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。
引用:民事訴訟法|e-Gov法令検索

電子契約の文書保存に関する主な法律

電子契約の文書保存に関しては、以下の2つの法律が重要です。

  • 電子帳簿保存法 
  • e-文書法

これらはペーパーレス化の推進を後押しし、企業の業務効率化や文書管理の信頼性向上にもつながっています。
それぞれについて詳しく解説します。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、各税法で保管が義務付けられている帳簿や書類を電子データで保存する際の決まりごとを定めた法律です。

第7条では、電子取引にかかわる電磁的記録の保存義務について書かれています。従来、紙で行った契約は7年間保存義務がありましたが、電子契約においても電子契約書等は電子データとして保存しなければなりません。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
引用:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律|e-Gov法令検索

注意点としては、法令に基づく要件を満たす形で保存しなければ罰則が設けられている点です。詳しくはこちらの記事で解説しています。

関連記事:「電子帳簿保存法の対象書類や電子データの保存要件をわかりやすく解説

e-文書法

e-文書法(正式名称:民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)は、法律で保存が義務付けられている書類を電子データで保存できるようにするための法律です。これにより紙の契約書や帳票の電子保存が認められています。
参照:e-GOV 法令検索 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律

電子契約の利用者を守る法律

電子契約の利用者を守る法律を3つ解説いたします。

  • 特定商取引法
  • 電子契約法
  • 下請法

特定商取引法

特定商取引法には、契約内容を書面化して消費者に交付する義務が定められています。従来は電子契約であっても書面で交付しなければならないとされていましたが、改定により消費者の承諾があれば電磁的記録による通知も認められるようになりました。

(通信販売における承諾等の通知)
第十三条
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、当該書面による通知をしたものとみなす。
引用:特定商取引に関する法律|e-Gov法令検索

電子契約法

電子契約法は、電子取引において消費者を守る法律です。第3条では、消費者の操作ミスで意図しない申し込みをしてしまった場合に救済される場合がある旨が記されています。サービスを提供する側は、消費者の操作ミスを引き起こさないような設計をすることが求められます。

(電子消費者契約に関する民法の特例)
第三条 民法第九十五条第三項の規定は、消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について、その意思表示が同条第一項第一号に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであり、かつ、次のいずれかに該当するときは、適用しない。ただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込み又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。
一 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき。
二 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき。
引用:電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律|e-Gov法令検索

下請法

下請法は、下請事業者を守る法律です。 第3条1項、2項で下請事業者の承諾があれば、電磁的記録での交付も可能である旨が記されています

(書面の交付等)
第三条 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。ただし、これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。
2 親事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該下請事業者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて公正取引委員会規則で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該親事業者は、当該書面を交付したものとみなす。
引用:下請代金支払遅延等防止法|e-Gov法令検索

その他関連法規

電子契約の導入にあたっては、契約の成立に関する法律だけでなく、書面の交付方法や課税の取り扱いに関係する法律についても理解しておくことが大切です。電子契約と関係する代表的な法律として、下記2つの法律を確認しておきましょう。

  • 印紙税法 
  • IT書面一括法

印紙税法

印紙税法は、印紙税について定めている法律です。課税文書は収入印紙を貼って納税する義務がある旨が第2条と第3条に書かれています。

では、電子契約書は印紙税がかかるのかというと、結論かかりません。電子契約書を電子メールやFAXで送信することは課税文書を作成したことにはならないため、国税庁は印税の課税原因は発生しないものと考えています。よって、電子契約書は印紙税が削減できるため、コストカットになると言われているのです。
参考:請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について(別紙1-3)

IT書面一括法

IT書面一括法は、電子契約書面の交付について電子メールなどの電子的手段を認める法律です。契約先が承諾していることが条件となる点を押さえておきましょう。

法律により電子化できない契約もある点に注意

電子契約は多くの契約で利用できますが、すべての契約を電子化できるわけではありません。事業用定期借地契約(借地借家法23条)、企業担保権の設定または変更を目的とする契約(企業担保法3条)、任意後見契約(任意後見契約に関する法律3条)は、公正証書での作成が義務付けられており、電子契約での締結は認められていません。

なお、2025年10月1日以降は公正証書作成手続がデジタル化されており、今後電子化が進む可能性もあります。
参照:日本公証人連合会|2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!

電子契約を導入する際のポイント

電子契約を導入する際は、法律上の位置付けを理解するだけでなく、実務で円滑に運用できる体制を整えることが重要です。特に取引先との合意形成や社内の運用ルールの整備は、導入を成功させるための重要なポイントとなります。ここでは導入前に確認しておきたい基本事項を解説します。

取引先の同意を得る

電子契約は法律上認められている契約方法ですが、実際の契約締結には取引先の同意が必要です。相手方が電子契約の利用に対応していない場合や、社内規程によって紙の契約書を原則としている場合には、書面契約で対応せざるを得ないケースもあります。

そのため電子契約を導入する際は、事前に取引先へ説明して理解を得ておきましょう。あらかじめ同意を得ておくことで契約手続きをスムーズに進めやすくなります。

社内の運用体制を整備する

電子契約を導入する際は、新しい業務フローを社内で整備し、関係部署へ周知することが重要です。紙の契約書を前提とした運用から電子契約へ移行する場合、承認方法や保管方法などの手順が変わるため、担当者への理解を深める取り組みが必要になります。

また新しいシステムは社内に定着するまで一定の時間がかかることが一般的です。段階的に運用を進めながら社内に浸透させていくことが円滑な導入につながるでしょう。

電子契約を導入するなら「Shachihata Cloud」

電子契約の法的有効性や定めについてはさまざまな法律がかかわっています。本記事では重要なポイントを抜粋してまとめましたので、電子契約を導入する前に確認し、正しく理解しましょう。

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WRITER
田中 空樹
デジタル認証事業部コンテンツストラテジスト
2022年シヤチハタ株式会社入社。 入社1年目でShachihata Cloudの製品サイトリニューアルに携わる。 現在もコンテンツマーケティングなどShachihata Cloudの良さを広めるために奮闘中。
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