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電子契約できない契約とは?電子化できない理由を分かりやすく解説

公開日: 更新日:

この記事でわかること

  • 電子契約できない契約の代表例
  • 公正証書が必要な契約を電子化する際の注意点
  • 電子契約ができない、または条件付きとなる理由
  • 相手方の承諾があれば電子契約できる契約の種類
  • 相手方の希望が必要な契約書や通知書の具体例
  • 電子契約できない契約を見分けるポイント
  • 電子契約に関係する主な法律の概要
  • 電子契約書をデジタル保存する方法
  • 電子契約書を保存する際に確認すべき要件

電子帳簿保存法の改正により、電子取引で交わした契約書や請求書などは、原則として電子データのまま保存する必要があります。しかし、契約の種類によっては、法律上、書面での作成や相手方の承諾が必要になる場合があり、すべての契約を電子契約にできるわけではありません。

本記事では、電子契約できない契約の具体例や、電子化できない理由、導入前に確認すべきポイントを分かりやすく解説します。

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電子契約できない契約一覧【2026年最新版】

電子契約できない契約として、まず確認しておきたいのが、公正証書の作成が法律上義務付けられている契約です。公正証書とは、公証人が法律に基づいて作成する公文書を指します。代表的なものには、以下の契約があります。

  •      事業用定期借地契約
  • 企業担保権の設定または変更を目的とする契約
  • 任意後見契約書

これらの契約は、これまで原則として電子化できない契約とされていました。しかし、2025年10月から公正証書の作成手続きのデジタル化が始まり、一部の公正証書については電子対応が進んでいます。

ただし、利用者が任意の電子契約システムを選び、通常の契約書と同じ流れで手続きできるわけではありません。電子契約の導入前には、対象契約が公正証書を必要とするものかを確認し、必要に応じて公証役場や専門家に相談することが重要です。
参照:日本公証人連合会|お知らせ「2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化されます!」

電子契約ができない理由

電子契約ができない、または利用に条件がある理由は、契約の確実性や相手方の保護を重視する法律があるためです。たとえば、公正証書が必要な契約では、公証人による本人確認や意思確認など、通常の電子契約とは異なる手続きが求められます。そのため、一般的な電子契約サービスだけで完結できない場合もあるでしょう。

また、契約書や通知書の種類によっては、相手方の同意や希望がなければ電子化できません。訪問販売などの特定商取引では、消費者保護の観点から事前承諾が必要です。労働条件通知書や派遣社員への条件明示書も、労働者本人が電子交付を希望していることが前提となります。電子契約を導入する際は、契約類型だけでなく、相手方の承諾が必要かどうかも確認することが大切です。

相手の承諾・希望があれば電子契約できるケース

電子契約は、法律上すべての契約で自由に利用できるわけではありません。ただし、書面での交付や明示が原則とされている契約でも、相手方の承諾や希望があれば電子化できるケースがあります。

消費者保護が重視される取引では、電子交付の内容や保存方法を説明したうえで、相手方から承諾を得ることが必要です。また、労働関係の書類では、受け取る本人が電子交付を希望していることが前提になります。電子契約を導入する際に確認すべき以下2つの契約について解説します。

  • 相手方の承諾が必要な契約 
  • 相手側の希望が必要な契約

相手方の承諾が必要な契約

相手方の承諾が必要な契約では、電子契約や電子交付を行う前に、相手方が内容を確認し、電子化に同意していることが前提です。特に消費者向けの取引では、紙の書面を受け取る権利やクーリング・オフの判断に関わるため、事業者が一方的に電子化することはできません。

特定商取引法では、2023年6月1日から、消費者の事前承諾を得ることで契約書面などの電子交付が可能になっています。 代表的な契約類型は、以下の通りです。

  • 建設工事の請負契約
  • 訪問販売の契約書面
  • 電話勧誘販売の契約書面
  • 連鎖販売取引の契約書面
  • 特定継続的役務提供の契約書面

相手方の希望が必要な契約

相手方の希望が必要な契約では、事業者側が電子化を希望するだけでは電子交付できません。書面を受け取る本人が、電子メールやクラウドサービスなどによる交付を希望していることが必要です。

たとえば労働条件通知書は、労働者が電子メールなどでの明示を希望した場合に限り、電子交付が認められます。労働者が希望していないにもかかわらず電子メールだけで明示すると、法令違反となる場合があります。

代表的な契約類型は、以下の通りです。

  • 労働条件通知書
  • 派遣労働者への就業条件明示書面
  • マンション管理等委託契約書

電子契約ができない契約を見分けるポイント

電子契約の可否を見分けるポイントは、契約の当事者間にパワーバランスがあるかどうかです。パワーバランスがある契約とは、以下のようなケースが挙げられます。

  • 事業者と消費者
  • 元請と下請
  • 雇用主と被雇用者
  • 賃貸と貸借

上記の関係性では、優位な立場から電子化を強要されてしまうと、劣位の契約者は事実上拒否できません。契約の電子化はパワーバランスに捉われるべきではないという見解から、一方的な要望では電子契約が不可となっています。

電子契約の契約書にかかわる法律

電子契約書を正しく作成・運用するためには、以下5つの法律を理解する必要があります。

  • 電子帳簿保存法
  • 電子署名法
  • IT書面一括法
  • e-文書法
  • デジタル社会形成整備法

各法律の概要と、電子契約上のルールをみていきましょう。

電子帳簿保存

電子帳簿保存法とは、税務関連の帳簿の電子化を許可する制度を定める法律です。経理のデジタル化により、業務の効率アップをねらいとしています。1998年の制定当時は、電子取引における電子書類の保存義務や、その保存方法等が非常に厳格でした。しかし、以降5度に及ぶ改正を繰り返し、徐々に要件が緩和されています。

2024年1月には再び改正法が施行され、過少申告加算税の軽減措置が適用される優良な電子帳簿の範囲が限定的になることが決まりました。新制度では、スキャナ保存の要件が大幅に緩和されるほか、新たな宥恕(ゆうじょ)措置が定められています。

電子署名

電子署名法とは、電子署名の法的効力を保証する法律です。2001年に初めて施行されてから、法改正を繰り返し、現在に至ります。民事訴訟法第228条第4項に定められる「二段の推定」により、電子署名の本人性が担保するしくみです。

IT書面一括

IT書面一括法とは、電子商取引等を目的として、2001年に施行された法律です。双方の同意のうえであれば、一部の契約を除き、電子メールなどデジタルツールを用いた契約書等の交付が認められることが定められています。

e-文書

e-文書法とは、ビジネス上の契約における紙書類を、電子データとして保存できるようにした法律です。正確には、電磁的記録の保存に関するe-文書通則法と、個別の文書手続きの規定を整備するe-文書整備法の2つで構成されています。情報処理を迅速化させることで業務負担を軽減し、経済活動の活性化を図るために2005年に施行されました。

デジタル社会形成整備

デジタル社会形成整備法とは、行政手続きや民間取引のデジタル化を進めるため、2021年に施行された法律です。宅地建物取引業法や借地借家法など、48の法律における押印や書面交付のルールが見直されました。

これにより、不動産関連の一部書類では押印が不要となり、電磁的方法による交付も可能になっています。さらに、2022年5月の宅地建物取引業法改正により、不動産取引における重要事項説明書や契約書の電子交付が正式に解禁され、実務においてオンライン完結を進めやすくなりました。
参照:国土交通省|ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について

電子契約の契約書をデジタル保存する方法

電子契約の契約書を電子化する手段は、大きく分けて以下2つの方法があります。

  • 紙文書をスキャンする
  • 電子契約システムを導入する

紙文書をスキャンする

紙で作成された契約書をスキャナーでデータ化し、取り込むことでデジタル保存する方法です。開始手続きは不要ですが、電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件を満たさなければなりません。

法では、「解像度200dpi以上かつカラー読み取り」「タイムスタンプの付与(または履歴が残るシステムの利用)」「取引年月日や金額等での検索機能」等の要件が定められています。

優良な電子帳簿には、過少申告加算税の軽減措置が適用されます。要件を満たしているかどうかが分からないときは、国税庁のサイトおよび各地の税務署に設置されている相談窓口に相談することが可能です。
参照:国税庁「スキャナ保存関係

電子契約システムを導入する

電子契約システムを導入すれば、上記のように手間のかかるスキャン作業が不要です。電子文書の保存も、システム上で一括管理できます。電子署名やタイムスタンプを用いることで、法的効力やセキュアな環境も担保できる点もメリットです。

電子契約の契約書を保存する際のチェックポイント

電子契約における契約書を保存する際は、次のポイントを確実にチェックしたうえで行いましょう。

  • 電子帳簿保存法の要件
  • 契約書の保存年限

電子帳簿保存法の要

電子帳簿保存法における電子取引データ保存では、下記2点の確保が義務付けられています。

  • 真実性
  • 可視性

「真実性」は、タイムスタンプまたは削除・訂正の履歴が残るクラウド型の電子契約サービス利用などで担保できます。「可視性」は、概要書や操作マニュアルを備え付け、文書検索機能を付与することで確保可能です。なお、上記の要件を備えれば、e-文書法で定められる「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」の4つの条件も満たせます。

契約書の保存年限

電子契約の保存年限は、原則として5年間有効です。契約書によっては、5年以上の保存が義務付けられていることから、そのままでは要件を満たせません。例えば、法人税関係の書類は10年間保存しなければならないため、有効期限が切れる前にタイムスタンプを再度付与する長期署名が必要になります。

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公正証書の作成や、相手の承諾・希望を要する契約の契約書は、電子化の対象外ですが、大半の紙書類のデジタル保存が認められています。

電子契約サービスを導入すれば、手軽に要件に対応可能です。「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」の電子契約サービスは「JIIMA認証」を取得しているシステムであり、電子帳簿保存法の電子取引保存対応も万全です。ご相談は、トライアルの申込フォームからお気軽にお問い合わせください。

WRITER
田中 空樹
デジタル認証事業部コンテンツストラテジスト
2022年シヤチハタ株式会社入社。 入社1年目でShachihata Cloudの製品サイトリニューアルに携わる。 現在もコンテンツマーケティングなどShachihata Cloudの良さを広めるために奮闘中。
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