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建設業法に関連する電子契約のガイドラインとは?要件やグレーゾーン解消制度も解説

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建設業界でも電子契約の導入が進み、建設業法との兼ね合いが注目されています。工事の請負契約書を電子化する場合、ガイドラインを守りながら書面の取り扱いやサイン方法などをどう運用するかが鍵です。本記事では、グレーゾーン解消制度による規制の解消や要件を満たすためのシステム活用など、建設業法と電子契約をスムーズに結びつけるためのポイントをわかりやすく解説します。

建設業法に関連する電子契約のガイドラインとは

電子契約は、建設業法の改正時に作られた国土交通省の電子契約ガイドラインに示される下記要件および技術的基準に沿って運用しなければなりません。

  • 電子契約の手段
  • 相手方の事前承諾
  • 見読性
  • 原本性
  • 本人性

電子契約の手段

建設業における契約は、下記の電磁的措置のいずれかの方法を用いることにより電子化できます。

  • インターネットを介して契約データの送受信および保存を行う電子契約システム
  • 電子契約データを保存したCD-ROMなど磁気ディスクの交付

相手方の事前承諾

書面の電子化は義務ではないため、電子契約の利用には相手方の承諾が不可欠です。あらかじめ詳細な契約方法・内容を相手方へ通知し、双方の承諾の下で電子契約が運用されなければなりません。

見読性

契約内容の電子データは、すみやかに閲覧および書面化できるようにしておくことが必要です。スムーズな閲覧・出力を実現するため、ディスプレイの備付けや検索機能の整備などの措置が求められます。

原本性

電磁データの内容は、原本から改ざんされていないことを証明する手立てが必要です。具体的には、公開鍵暗号方式による電子署名や電子証明書、タイムスタンプを付与したうえ、外部システムにデータを保存する必要があります。

本人性

本人性の確保は、2020年10月1日に施行された建設業法の改正により新規追加された技術的基準の一つです。

契約の相手方が間違いなく本人であることを確認できるような措置を講じるよう定められました。

建設業法改正の流れ

まず、電子契約が利用できるようになるまでの建設業法改正の流れをみていきましょう。

IT書面一括法の制定

従前の建設業法における請負契約は、当事者のほか多くの下請が関わることから、正確性の向上を目的として書面でのやり取りが義務付けられていました。建設業法改正の契機となったのは、2001年に施行されたIT書面一括法です。IT書面一括法により、複数の法律における書面の交付義務が相手方の承諾を条件として免除されることとなりました。

建設業法の改正

IT書面一括法の施行によって改正された法律の一つが建設業法です。条文に19条第3項が追加され、国土交通省により「建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する『技術的基準』に係るガイドライン」が作成されました。なお、後の法改正で建設業法施行規則第13条の2は第13条の4へ変更となっています。本ガイドラインを満たす方法であれば、契約の書面化・押印が省略可能となりました。

デジタル改革関連法の施行

2021年9月施行のデジタル改革関連法により、建設業法を含む48法律の押印・書面化の義務が見直されました。本改正では、建設業における見積書・売買契約書などさまざまな内容が電子化できるようになり、電子化できる範囲がさらに拡大しています。

建築業法におけるグレーゾーン解消制度

電子契約は、本人性を満たす方法が明確に示されていなかったため、IT書面一括法にともなう建設業法の改正直後は混乱が生じました。本章では、曖昧だった本人性確保の問題が解決するきっかけとなったグレーゾーン解消制度について解説いたします。

グレーゾーン解消制度とは

グレーゾーン解消制度とは、経済産業省が管轄する適法性の照会システムを指します。自社のサービスの運用方法が法的に問題ないか、所轄の省庁に確認できる制度です。

建築業法と電子契約の適法性に関する回答

建設業法グレーゾーン解消制度の回答内容により、電子契約における本人性は以下の方法で確保できることが示されました。

  • 当事者型の電子契約システム
  • 立会人型の電子契約システム
  • 電子印鑑・電子サイン措置のうえログイン時のユーザー認証およびタイムスタンプの付与

上記は、見読性と非改ざん性の担保や、メールアドレスによる本人確認が行えることを理由に適法性が認められています。

建設業界において電子契約サービスを導入するメリットとは

建設業では、工事を進める前に請負契約を締結する必要がありますが、契約書の作成や書面のやり取りに手間と時間がかかることが多くなります。電子契約サービスを導入することで、サイン手続きの効率化や要件を満たしたまま書面を電子化でき、グレーゾーンを解消する制度の活用もしやすくなります。以下では、建設業界における具体的なメリットを3つに分けて解説します。

メリット①:契約書管理と承認フローの効率化

電子契約システムを利用すれば、紙の契約書を郵送・保管する必要が大幅に減り、工事請負契約の締結から改訂までをオンラインで完結できます。
書面の差し替えやサイン漏れといったミスもリアルタイムで確認可能です。さらに、承認フローを自動化できるため、上長や法務部門に回す手続きをスピードアップできます。結果として、契約書に関する管理負荷が軽減され、生産性が向上します。

メリット②:コンプライアンスと要件を満たしやすい

建設業法に準拠した契約書を作成する場合、求められる書面交付や電子署名などの要件をシステム上でチェックできる点が大きな利点です。
電子契約サービスなら、最新版のガイドラインに沿ったテンプレートを活用したり、法改正への対応を自動で反映できたりするケースもあります。これにより、グレーゾーン解消制度の利用や電子化が進む中でも、法的リスクを最小限に抑えて導入しやすくなるでしょう。

メリット③:プロジェクト進行の迅速化とコスト削減

工事に必要な契約書類をオンラインでやり取りできると、離れた現場や下請業者とのサイン交換が速やかに完了します。紙の郵送代や印紙代も削減できるため、トータルコストを抑えつつプロジェクトのスケジュール管理が効率化します。
さらに、システム上で契約関連の文書を一元管理できるため、複数のプロジェクトを同時進行する際でも混乱が少なく、企業全体の業務効率が高まります。

建設業法に適合した方法で電子契約を取り入れるポイント

電子契約を導入する際は、建設業法の規定に加え、JIIMA(公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会)のガイドラインに定められる下記のポイントも遵守してください。

  • セキュリティ対策を徹底する
  • 現行ワークフローに連携させる
  • クラウド型の電子契約システムを導入する

セキュリティ対策を徹底する

電子契約では、情報漏えいやなりすましなど、デジタル特有のトラブルに気を付けなければなりません。厳格なパスワード管理はもちろん、ハイレベルなアクセス制限やログイン時の2要素認証を設定し、セキュリティ対策を徹底しましょう。

現行ワークフローに連携させる

建設業の分野で電子契約が定着すれば業務効率化につながりますが、導入直後は内外で混乱を招きかねません。はじめは簡易的な契約から電子化を導入し、書面契約と電子契約との並行しつつ、徐々に定着させていくことが推奨されます。現行のワークフローのまま導入できる電子契約システムであれば、最小限の負担で移行できるでしょう。

クラウド型の電子契約システムを導入する

タイムスタンプとメール認証の条件を満たしていれば、電子印鑑もしくは電子サインの付与でも電子契約の成立が可能です。しかし、万が一トラブルが発生した場合、証拠として不十分と見なされる可能性があります。電子契約を利用する際は、導入・運用が手軽なクラウド型のシステムがおすすめです。

【低コストで導入できる】非改ざん性を担保した電子契約ならShachihata Cloud!

DX化の入り口として、紙書類での契約から電子契約への移行をおすすめします。電子契約は印紙税や事務業務の削減、契約までのスピード向上など、多くのメリットがあります。一方でセキュリティ面で心配が残り、なかなか踏み出せない企業もいることでしょう。

Shachihata Cloudは、サービス時ログイン時の二要素認証、ログインできるIPアドレスの制限などセキュアな環境で利用できるツールです。立会人型電子署名の付与やタイムスタンプで文書の非改ざん性を担保します。1ユーザー550円からと低コストで運用できるため、電子契約の導入に適しています。

相手方は無料で捺印できる!ゲストユーザーの利用方法

契約締結の相手方企業は、Shachihata Cloudを契約していなくても受信専用のゲストユーザーとして利用することが可能です。役職印や角印など3種類の印鑑を無料で作成・捺印できます。ゲストユーザーお申し込みフォームから必要事項を入力して登録を行うだけで利用できるため、手間なくスムーズにご利用いただけます。

また、捺印した契約書はお互い1年間ダウンロードができます。会社印の捺印が必要な文書のやり取りが双方の費用負担ゼロで行えるので、ぜひご活用ください。

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非改ざん性を担保!電子署名の付与方法

電子契約は電子署名をすることで本人性を証明でき、付与後に文書が改ざんされていないことを示せます。Shachihata Cloudは、申請・承認などユーザーごとの回覧操作や回覧履歴をつけてダウンロードすると文書に付与されるため、難しい操作は必要ありません。付与した電子署名は、署名パネルから簡単に確認できます。

Shachihata Cloudでは電子署名の法的有効期限を最低1年保証しています。別途タイムスタンプを利用すると、電子署名の有効期限を1年から10年まで延長可能です。

アクセス権限で柔軟に管理!フォルダの設定方法

Shachihata Cloudは、電子契約から書類保存まで1つのツールで対応できます。会計年度や部署ごとなど、任意のフォルダを作成して書類管理ができるため、どこに何を保存したかがわからなくなる心配がありません。

フォルダの移動や並び替えはドラッグアンドドロップで完結するため、操作も簡単。フォルダへのアクセス権限はユーザー単位で付与できるため、部外秘の情報もセキュアな環境で管理できます。

建設業法ガイドラインに準拠した電子契約システムの導入を

建設業に電子契約を用いる際は、国土交通省が定めるガイドラインに沿った運用が求められます。同時に、JIIMAのガイドラインを遵守することで、電子契約を安全に活用できるでしょう。

JIIMA認証を取得している「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は、建設業界でも使いやすい電子契約システムです。電子印鑑や手書きの電子サインの付与も可能であり、従来の書面契約と変わらない手順でご利用いただけます。現在のワークフローにそのまま導入できるため、マニュアルいらずで便利です。無料トライアルで全機能を事前にお試しいただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

WRITER
田中 空樹
デジタル認証事業部コンテンツストラテジスト
2022年シヤチハタ株式会社入社。 入社1年目でShachihata Cloudの製品サイトリニューアルに携わる。 現在もコンテンツマーケティングなどShachihata Cloudの良さを広めるために奮闘中。
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