Shachihata Cloud 導入事例 社会福祉法人幸生会
CASE STUDY

社会福祉法人幸生会

医療・福祉
500人~
DocGear3
承認までの時間を大幅に短縮することに成功。緩やかな電子化に無理なく移行。承認まで2週間かかっていたものが、導入後は2日あまりで終わるようになった。

電子印鑑の導入により、高齢者や障がい者、児童の支援施設での決裁業務を効率化。福祉分野の申請承認フローの電子化を推進。

1996年2月に法人を設立し、翌年には特別養護老人ホームを開所し、障がい者支援施設や保育所など様々な施設を展開することで支援の輪を広げている社会福祉法人 幸生会様。
複数の施設を運営する同法人では、各施設内で行われている申請承認業務を紙で運用してきましたが、業務の効率化を図るためにシヤチハタが提供する『パソコン決裁』が導入されました。

今回は、福祉や介護の現場に必要な各種申請業務の実態と 『パソコン決裁』の導入による効果について、理事 事務長である佐藤 孝雄 氏およびチーフ事務員 阿部 敦氏にお話を伺いました。

導入のきっかけ

紙による申請業務での効率化が課題に

「分かち合いと励まし 今、家族愛に生きる」を基本理念に1996年2月に法人としてスタート。
翌年には仙台市の補助事業として採択され、高齢者を対象にした特別養護老人ホームを運営する法人として歩みをはじめた社会福祉法人 幸生会。

現在は高齢者のみならず、障がい者支援施設や保育所など未就学児童を対象にした支援施設をそれぞれ展開。
宮城県を中心に17拠点を設置するまでに規模を拡大させています。
自治体の支援を受ける形で地域のニーズに合致した施設を次々と整備しており、全体の職員数はおよそ400名、施設を利用する人数は一時預かりの方も含めると年間で2000人を超えています。
そんな同法人では、休暇申請など労務的なものから施設の修繕申請や施設ごとに必要な補助金申請・実績報告まで、施設内で様々な申請業務が発生します。
長年紙による運用を続けてきましたが、施設数が増えていく中で無理が生じてきました。
紙書類の運搬に手間がかかる上に、申請を行ってから承認まで2週間かかることもあったのです。

「以前は、職員が人海戦術で各施設を回り、申請書類を回収して本部に集めていました。
しかし、施設が急速に増える中で紙に印鑑を押して本部に運ぶという運用が難しくなってきたのです。
承認までの時間がかかるだけでなく、業務を効率化することが緊急の課題となりました」と佐藤氏は当時を振り返ります。

既存の運用を変えることなく電子化できる点がポイントに

新たな仕組みを検討する過程で同法人の目に留まったのが、シヤチハタが提供する『パソコン決裁』でした。
「私自身が保育園の事務をしていた経験から、申請業務の課題を感じていました。
そんな中で『既存の運用を大きく変更することなく、本部にメールで書類が送れるよう、電子印鑑の仕組みを検討してみては』と理事長から指示がありました。
そこで見つけたのがシヤチハタのソリューションでした。」と阿部氏は語ります。
そこで実際に話を聞きながら、試用版で使い勝手を試してみた阿部氏。
「私自身、紙から電子化することについては懐疑的な部分もありました。
しかし、実際に使ってみると運用も大きく変えることなく運用できるとわかったのです。
また、各施設を回りながら仕組みの説明をしていきましたが、さほど違和感を持たれることもありませんでした」。
最終的には理事長の判断のもと、紙による申請承認業務を電子化する『パソコン決裁』の導入を決定しました。

導入後の変化

承認までの時間を大幅に短縮、緩やかな電子化に無理なく移行

現在、同法人ではすべての施設における申請承認の基盤に『パソコン決裁』を利用しています。
申請書の種類は、自治体に提出する補助金申請書や施設運営実績の報告書・介護報酬請求・物品購入申請書・施設修繕伺い・交通費精算と多種多彩。
施設からの申請は従来通り紙の書類を利用し、施設長をはじめとする複数の承認者が捺印した書類をPDF化し、本部へメールで送られます。
本部の承認フローは、最大でチーフ・課長・事務長・理事長の4名。すべての承認に電子印鑑が利用されています。

また、承認済みの申請書のデータは本部のNAS(ネットワーク接続ハードディスク)に保管するとともに、起案者にも最終捺印した申請書が戻されて施設のNASでも保管。
さらに、領収書が必要な申請の場合、承認に『パソコン決裁』を利用し、領収書類は本部へ届けられ、確認・管理されています。

毎月、『パソコン決裁』を利用してやり取りされる申請書類は200件あまり。

「電子決裁でないと申請を受け付けないという運用ルールを徹底したことで、すぐに現場へ浸透させることができました」と阿部氏。
その結果、以前は承認まで2週間程度かかっていたものが、今では2日あまりで終わるものも多くなりました。
決裁までの期間が大幅に短縮されています。

「自治体に提出する補助金申請や実績報告書などの書類は、明確に提出期限が決められています。
時間的に余裕がないケースでもすぐに対応できるようになりました。
安定した仕組みという面でも高く評価できます」と佐藤氏は語ります。
また、以前は決裁された起案書を施設に戻していました。
しかし今は、本部側のNASにも起案書が保管できるようになり、情報も探しやすくなっているとのとこ。

従来の紙での運用を踏襲しながら、電子印鑑の押されたPDFをメールで送るという電子化を行っている同法人。
「従来の慣れたインフラをそのまま活用しながら、緩やかな電子化に向かうことができました」と高く評価しています。

今後の展望

さらなるペーパーレス化への施策に取り組む

現在は申請承認フローの電子化を実現しているものの、いまだに紙での運用が残っている部分も。
同法人では、さらなるペーパーレス化を図っていきたいと考えています。
ツールでの運用では承認フローがどこまで進んでいるのかが分かりにくい上に、本部と施設で起案書が二重管理されている状況にあるからです。

そのため、同法人ではシヤチハタの『パソコン決裁 DocGear クラウド』の追加利用の検討を進めています。
『パソコン決裁 DocGear クラウド』はPDFへの捺印機能を備えており、従来のようにPDFファイルへ捺印するための専用アプリケーションを購入する必要がありません。

自治体をはじめ外部との書類データの安全なやり取りが可能になるクラウド型のファイル共有サービス『box』と連携したソリューションも、同法人に多くのメリットをもたらすインフラといえるでしょう。
「予算次第ではありますが、さらなるペーパーレス化を進めていく上でこうした新たな仕組みへのアップグレードも視野に考えていきたい」と今後について阿部氏は語っています。
取材協力:
社会福祉法人幸生会
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