電子印鑑・電子決裁のことなら
Shachihata Cloud 導入事例 岡山大学病院
CASE STUDY

岡山大学病院

医療・福祉
500人~
DocGear3
回覧作業だけで1〜2週間かかっていたのが、わずか1、2日で完了するようになった。改訂漏れや回覧文書の紛失もなくなり、省力化、ペーパーレス化に貢献。

電子文書管理の基盤として、電子印鑑システムを使った申請承認フローを実現。

1870年に開設された岡山藩医学館が起源となり、現在は国立大学法人岡山大学の附属大学病院として日本の医療・福祉の発展に貢献し続けている岡山大学病院。
そんな同病院では、臨床検査分野における品質マネジメントの国際基格「ISO15189」を取得しており、そのISO運用に求められる厳格な文書管理の基盤に、シヤチハタのクラウド版『パソコン決裁 DocGear』を採用されました。

今回は、『パソコン決裁 DocGear』によるISO関連の文書管理の運用について、医療技術職員を統括されている医療技術部で、ISO15189の運用を手掛けている医療技術部長 臨床検査技師長の岡田 健氏にお話を伺いました。

導入のきっかけ

ISO関連文書の運用負荷軽減につながる仕組みを模索

岡山大学病院は、医科・歯科含めて43の診療科と中央施設を有する特定機能病院です。
基本理念は、「高度な医療をやさしく提供し、優れた医療人を育てます。」。
中四国地域を代表する中核病院として多くの患者に安全でやさしく公正な医療を提供しています。
臓器移植や小児心臓外科・細胞移植など最先端医療分野においては医療機関でもトップクラスの実績を誇るなど、高度先進医療の研究開発にも積極的に取り組んでいます。
また、医療および看護の質の高い病院として、患者や職員を惹きつけて離さない“マグネットホスピタル”を目指しています。
そんな同病院では、臨床検査に関する質と能力を向上させるための品質マネジメントシステム「ISO15189」認定を2007年7月に受けています。
そしてその規格に沿って、規定書やSOP(標準業務手順書)など文書類の管理と維持を行っています。
ISO15189では、規格を維持するために定期的な更新審査となるサーベイランスが求められます。
しかし、300種類にも及ぶISO関連文書を紙で管理していた同病院では、サーベイランスのたびに多くの手間と時間が発生したとのこと。
「必要な文書はすべて紙を原本として管理していたので、検査室ごとに必要な書類を回覧してもらうなどの確認作業が必要でした。
回覧に多くの時間がかかるばかりか、複数の検査室で確認が必要な文書が今どこまで承認が進んでいるのかなどの状況把握が困難でした」と岡田氏。
また、文書の改訂や新たな文書作成時には、申請から審査・承認などステップごとに誰が行ったのかの履歴管理が求められます。
しかし、押印作業が必要な紙による運用では多くの労力が必要だったと当時を振り返ります。

WordによるISO文書を活用して申請承認フロー構築が可能に

岡田氏は、サーベイランス時に急増する確認作業の平準化や申請・承認フローの履歴管理・ISO文書の管理負担軽減など、様々な課題を解決するべくが新たな仕組みづくりを検討していました。
そんな中で出会ったのが、シヤチハタの提供するクラウド版「『パソコン決裁 DocGear』」(以下、DocGear)でした。
私自身がISOの技術審査員をしている関係で、文書管理システムを利用してISO文書の効率的な管理を行っている他院の例を知る機会がありました。
ISO文書の管理に苦労している当院でも利用できるのではと考えたのです」。
ただし、コスト的には年間100万円前後のコストが発生するなど、導入するには敷居の高い仕組みだったといいます。
そこで岡田氏が注目したのが、使い勝手がよく月額1万2000円から利用できるクラウドサービスの『DocGear』でした。
「最小限のコストでISO文書が効率的に管理できる仕組としてクラウド利用を検討しました。
クラウド版の『DocGear』であれば、自分たちで簡単にフローが設定できるだけでなく、Wordで作られたISO文書がそのまま申請できます。
使い勝手の高さは我々が求めているものでした」と岡田氏。

インターネットがあれば自宅からでも規定書などが確認でき、これまでにはない柔軟な働き方も可能だと判断。
また電子印鑑による押印や文書閲覧のログ管理も可能となるなど、ISO要件に合致した承認フローがそのままシステムで具現化できる点を高く評価したと語ります。
電子キャビネット内でISO文書が一元管理できる点も評価し、ISO文書を管理するための強力な基盤として『DocGear』が採用されることになりました。

導入後の変化

自身でのフロー作成も容易、高度なISO文書の一元管理を実現

現在は、血液学的検査をはじめ、生化学的検査や免疫学的検査・微生物学的検査など、それぞれの検査室に勤務する60名あまりの医療技術職員が『DocGear』を利用しています。
規定書や品質マニュアル・SOPなど、ISO規格で管理が求められる各種文書が『DocGear』内で一元管理されているのです。
電子キャビネット内は検査室共通や検査室専用・廃止文書用などでフォルダが作成されており、版管理も各フォルダ内で実施されています。
新たな文書が作成された際は、文書作成者が申請者となり、審査者や承認者・回覧者・文書管理者を決め、承認フローをその都度設定する運用です。
「導入前に一度、シヤチハタから簡単な説明を受けましたが、その後は私1人で承認フローを簡単に設定することができました。
使い勝手が事前に確認できたのもクラウドならではのメリットです」と評価します。
なお、回覧するメンバーはグループで設定可能。申請者が簡単にフローを設定できる仕組みなので、現場からも使いやすいと評判だと岡田氏。
審査や承認・回覧の依頼については、メールで相手に通知するだけでなく、各メンバーのPCにポップアップ表示で通知することも可能になっています。
『DocGear』によって得られた効果については、「以前は回覧作業だけで1週間以上かかることもありました。
しかし今では1~2日程度で確認が終わるようになっています。
誰が閲覧していないかが可視化できるようになり、直接確認作業を依頼できるようになった点も大きいです」と岡田氏は評価します。
また、改訂漏れや回覧文書の紛失などもなくなり、省力化にも貢献していると語ります。
SOPなど各自が紙で確認する運用は一部残っているものの、「電子化の推進によって9割以上の紙が削減できているのではないでしょうか」と岡田氏は述べます。
なお、ISO文書の管理基盤としてだけでなく、出張報告書などを『DocGear』上にアップロードして承認作業を行うなど、新たな用途での活用も進められています。
「以前は本人と技師長だけで共有されていたものが、周りのメンバーも閲覧できるようになっています。情報共有基盤としての広がりが出ています」

今後の展望

ISOに関連した記録類や業務文書を一元管理する基盤として拡張

今後について岡田氏は「現状はISOの維持管理に必要な文書を中心に管理しています。
しかし今後は、例えば会議の議事録をはじめインシデントが発生した際の是正処置報告書や予防措置報告書など、ISOに関連する記録類の保管などにも『DocGear』を活用していければと考えています。
フォルダも簡単に作成できるため、承認フローを経たうえで管理すべき情報の幅を容易に広げていけるはずです。
また、ISO関連情報以外の文書を管理するための基盤としても今後検討していきたいですね。」と語ります。
2016年4月の診療報酬改定で、ISO認定の検査室を評価する「国際標準検査管理加算」が加わる予定(※)になっており、ISO取得を目指す医療機関も増えています。
負担の大きなISO文書の一元管理および申請承認フローの強力な基盤として、『DocGear』の活用領域は、さらに広がりはじめています。
※2016年3月時点の発表をもとに執筆されています。
取材協力:
岡山大学病院
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