電子印鑑・電子決裁のことなら

「人が動く」紙運用から脱却し、決裁期間を
2か月から3日に短縮。医療現場のさらなるデジタル活用へ

公開日|2026.07.14
社会医療法人貞仁会 新札幌ひばりが丘病院の外観
社会医療法人貞仁会 新札幌ひばりが丘病院は、北海道札幌市厚別区に位置し、143床の病床を有する病院です。整形外科や消化器内科、循環器内科などの専門外来に加え、訪問診療・訪問リハビリ・訪問看護にも対応し、地域に根差した医療を提供しています。 同院では長年、稟議書や精算書などの承認業務を紙で運用していました。しかし、複数の承認者を経由する運用のため、承認完了までに最長2か月を要することもあり、業務効率化が大きな課題となっていました。 そこでShachihata Cloudを導入し、稟議・精算業務のデジタル化を実現。現在では会議室予約や議事録回覧などにも活用範囲を広げています。
BEFORE 導入前の課題:決裁に時間を要し、進捗も不透明
  • ・稟議書や精算書は正本・副本の2部を作成し、場合によって10名の押印を経て回覧していた
  • ・承認者の不在により決裁が滞り、最長2か月かかることもあった
  • ・決裁状況が見えず、進捗確認哉承認依頼に手間がかかっていた
  • ・気密性に関わらず事務長が直接押印を集める必要があった
POINT 導入の決め手:低コストかつ導入負担を抑えられること
  • ・必要な機能を備えながらコストを抑えられる点を評価した
  • ・操作がシンプルで、現場にも定着しやすいと感じた
  • ・説明会や個別対応などを通じて、段階的に現場への定着が進められると判断した
AFTER 導入後の効果:決裁スピードが大幅に改善し、現場主導の活用も広がる
  • ・最長2か月かかっていた決裁が、通常3〜4日で完了するようになった
  • ・決裁状況の可視化や承認ルートの柔軟な設定により、運用負担が軽減された
  • 紙の使用量が7〜8割減少し、ペーパーレス化が進んだ
  • ・設備予約機能の利用など、現場主導で活用の幅が広がっている
今回は、総務課長として院内の業務改善を担う吉川様に、紙での運用を見直した背景や、ワークフローの電子化を院内へ定着させた取り組み、そして導入後の変化についてお話を伺いました。
Index

正本・副本2部作成と10名の押印。
人と紙が動くことで生じた決裁の長期化と進捗の見えにくさ

低コストとシンプルな操作性が導入の決め手に

現場目線で進めた準備と説明が、定着への近道に

承認業務の効率化を実現、現場主導で活用の幅も広がる

業務改善の歩みを止めず、医療現場のさらなる効率化へ

正本・副本2部作成と10名の押印。
人と紙が動くことで生じた決裁の長期化と進捗の見えにくさ

Q:導入前、稟議や精算の手続きはどのように行われていましたか?

吉川様:
稟議書や精算書は紙で運用していました。 表紙となる雛形に、購入したい製品のパンフレットや使用部署の資料などを添えて、正本・副本の2部を用意する必要がありました。承認者も非常に多く、現場の起案者から事務長、さらには院長や理事長まで、多いときには10名ほどを経由します。事務長のところまで回ってくると、そこから先は事務長自身が各承認者のもとへ書類を持参し、一人ひとりに説明しながら押印をもらって回っていました。人事や 経営に関わる内容が含まれることもあるため、書類を気軽に回覧することはできません。そうした事情から、事務長が直接持参して承認を依頼する運用になっていました。

Q:なぜ、正本・副本を作成していたのでしょうか。

吉川様:
正直なところ、「なぜ正本と副本の2部必要なのか」と聞いても、明確に説明できる人は多くありませんでした。もちろん、必要な理由があったのだと思います。ただ、長年運用が続く中で、その背景が共有される機会は少なくなっていました。私が入職した頃も、長く続いてきた運用が数多くありました。そのため、「なぜこの手順になっているのか」を改めて見直すことが、業務改善の第一歩だったように思います。

Q:進捗が見えないことへの不安もありましたか。

吉川様:
紙の稟議書は、どこで止まっているのか把握できず、不安を感じることがありました。 書類が誰の手元にあるのか分からず、状況を確認するには事務長へ問い合わせなければならない状態でした。さらに、医師や理事の先生方も承認者に含まれるため、「あの稟議はどうなっていますか」と何度も確認することに気を遣う場面もありました。結果として、進捗が見えないまま待つしかなく、申請者として不安を抱えることもありました。

Q:1件の決裁にどのくらいの時間がかかっていましたか。

吉川様:
紙で回っている時は、早ければ1週間程度で済むこともありました。しかし、外来や往診で先生が不在だったり、理事長が出張で席を外していたりすると、1か月以上かかることも珍しくありませんでした。さらに、途中で「ここを修正してほしい」と差し戻しが発生すると、再提出して再び承認を回さなければなりません。そのため、長いもので2か月ほどかかるケースもありました。

低コストとシンプルな操作性が導入の決め手に

Q: Shachihata Cloudを導入されたきっかけと、選定の決め手を教えてください。

吉川様:
業務改善を進める中で、紙を前提とした承認業務をもっと効率化できないかと考えたことが、Shachihata Cloudを検討するきっかけでした。他社システムとも比較しましたが、承認ルートの設定や承認状況の可視化、電子印鑑による決裁など、紙の運用をそのまま電子化できる機能を備えながら、費用を抑えられる点が魅力的でした。また、操作も直感的で分かりやすく、職員にも無理なく定着させられるイメージが持てたことも決め手の一つです。さらに、導入当初は、稟議書や精算書など患者さんの個人情報を扱わない申請業務から利用を開始する予定だったため、セキュリティ面でも大きな不安はありませんでした。運用ルールを整えながら段階的に活用を広げていけると考え、Shachihata Cloudの導入を決めました。

現場目線で進めた準備と説明が、定着への近道に

Q:導入前に、決裁で使用する申請書のフォーマットを見直されたとうかがいました。
具体的には、どのような見直しを行われたのでしょうか。

吉川様:
稟議書や精算書は、どこに何を書けばよいか分かりにくい部分がありました。そこで、一度説明を受ければ初見の職員でも入力できるよう、様式の見直しを行いました。例えば、「物品を購入したい」「人を採用したい」「出張に行く」といった申請ごとに必要な情報は異なります。そのため、それぞれ専用のフォーマットを用意し、出張であれば学会名や出張者の情報、人事採用であれば対象者や採用時期など、必要な項目が一目で分かる形に整理しました。実は、このフォーマットを整備する作業が導入準備の中で最も大変だったと思います。

Q:新しいシステムの操作に不安を感じる方に対して、どのような説明をされましたか。

吉川様:
「ファイルをドラッグ&ドロップしてください」と説明しても、その言葉だけでは操作のイメージが伝わりにくい方もいました。そうした方には直接デスクへ伺い、画面を見ながら「ここをクリックして、ファイルを選んで、挿入してください」と、一つひとつ操作を確認しながら説明しました。該当の方には時間をかけて個別に対応し、それ以外の関係者には説明会を実施したうえで、ログイン方法や申請・承認の基本操作をまとめたマニュアルを配布しました。

Q:定着までにどのくらいの期間がかかりましたか。

吉川様:
半年ほどですね。「押印を忘れて回してしまったけれどどうすればいいか」「間違って押してしまったけれど消せないか」といった小さな質問は、半年ほど続きました。その都度、私が個別にサポートしていましたが、その期間を過ぎる頃には皆さんも操作に慣れ、自分たちで使いこなせるようになっていた印象です。

Q:導入にあたって、現場から不安の声はありましたか。

吉川様:
特に大きな不安の声はありませんでした。ちょうど医療業界全体でデジタル化が進み始めていた時期であり、その後のインボイス制度対応も見据える中で、紙だけでは難しいという認識が院内でも徐々に広がっていました。そのため、比較的スムーズに受け入れられたと感じています。

承認業務の効率化を実現、現場主導で活用の幅も広がる

導入後は、承認業務の効率化や紙削減を実現し、活用範囲も広がっています。

Q:現在、Shachihata Cloudはどのような業務で活用されていますか。

吉川様:
中心となっているのは、稟議書や精算書の申請・承認業務です。現在はさらに活用範囲が広がり、委員会議事録や住所変更届、産休に関する届出など、職員の労務関連文書にも利用しています。稟議については、医療・非医療関連を問わず、申請金額に応じて承認ルートを設定しています 。また、文書の内容に応じて院内ルールも整備しており、患者情報を含む場合は患者名をアルファベット表記にするなど、情報管理に配慮しながら運用しています。

Q:導入後、どのような変化がありましたか。

吉川様:
最も大きな変化は、決裁完了までのスピードが大幅に向上したことです。紙運用だった頃は最長2か月かかることもありましたが、現在は通常3〜4日程度で完了しています。出張先からでもタブレットやパソコンで確認・承認ができるため、承認待ちによる滞留も大幅に減少しました。 また、進捗状況をシステム上で確認できるようになったことも大きな変化です。今どこで書類が止まっているのかを担当者に確認せずとも、現在は画面上ですぐに把握できます。さらに、「再通知機能」を使えば、ボタン一つで承認が滞っている申請に対して承認依頼を再度通知できるため、電話や対面で確認する必要もなくなり、心理的な負担も軽減されました。

Q:文書管理の面では、どのような変化がありましたか。

吉川様:
現在は基本的に紙で保管することはありません。総務課のメンバーが1日1回承認状況を確認し、承認が完了した文書は稟議の種類や内容ごとにフォルダ分け・採番したうえで、院内の共有フォルダに格納しています。 必要な文書は検索してすぐに確認できるため、紙の書類を探し回ることもなくなりました。一部、経理への支払い時に印刷して提出するケースはありますが、紙での運用は以前と比べて7〜8割削減されています。

Q:現在は決裁業務以外にも活用が広がっているそうですね。

吉川様:
現在は会議室や研修室などの設備予約にも活用しています。きっかけは、他部署から「会議室を管理する良い方法はないか」という相談を受けたことでした。以前はホワイトボードに 利用予定を書き込む運用でしたが、設備予約機能を活用することで空き状況を一覧で確認できるようになりました。 最近では他部署からも「この機能でこんなことはできないか」と相談を受ける機会が増えています。もともとは稟議や精算のデジタル化から始まった取り組みでしたが、現場からのアイデアによって活用の幅が広がっています。

業務改善の歩みを止めず、医療現場のさらなる効率化へ

Q:今後、さらに取り組んでいきたい業務改善やデジタル活用はありますか。

吉川様:
さらなる効率化の余地があると感じているのは、出張に伴う申請業務です。研修や学会への参加申請、出張申請、立替費用の精算と、出張に関する手続きだけでも複数の申請が必要になっています。ただ、この運用は法人全体のルールにも関わるため、病院単独で変更することは難しい状況ですが、これらをよりスムーズに集約・管理できる運用を模索していきたいと考えています。 また、医療現場には一般企業とは異なる独自の業務要件も多くあります。そのため、勤怠管理や人事関連の業務では、用途に応じて複数のシステムを使い分けているのが現状です。こうした業界特有の課題に対応できるサービスや仕組みがさらに充実することで、より一層の業務効率化につながるのではないかと期待しています。

Q:医療現場におけるデジタル活用の可能性について、どのように感じていますか。

吉川様:
最近はAIを活用する動きも少しずつ広がっています。例えば、患者さんへお渡しする文書の内容を整えたり、電子カルテに搭載されたAI機能で情報を要約したりといった活用です。 私自身も、毎年実施している個人情報保護に関する研修でAIをテーマに取り上げています。セキュリティ面を懸念する声もありますが、まずは正しく理解しながら活用していくことが大切だと考えています。こうした理解が広がることで、医療現場におけるデジタル活用もさらに進んでいくのではないかと感じています。

Q:これから導入を検討する方へ、メッセージをお願いします。

吉川様:
新しいシステムを導入する際には、誰かが先頭に立って推進することが大切だと思います。私自身も、他社サービスとの比較検討から上層部への説明、各部署への利用方法の案内まで担当しました。導入当初は確かに大変でしたが、一度定着してしまえば、その後は意外とスムーズに運用できます。 実際に紙の量は大幅に減りましたし、書類を持って人が動く必要もなくなりました。最初の一歩を踏み出す負担はありますが、それを乗り越える価値は十分にあると思います。

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