電子印鑑・電子決裁のことなら

全51校との送達便による書類受け渡しを電子化
”検収印”を残した従来の運用でペーパーレスを実現

公開日|2026.07.28
左から 主任主事:内田瞬哉 様 課長補佐:高橋由之 様 課長:小村智宏 様
松江市教育委員会学校管理課は、市内51校の小中義務教育学校を管轄し、学校施設の維持管理や物品購入、学校会計など、学校運営を支える業務を担っています。 同課では長年、各学校で購入した物品に関する見積書や請求書、伝票などの会計書類を紙でやり取りしており、送達便による受け渡しのため、確認や差し戻しのたびに時間がかかることが課題でした。 そこでShachihata Cloudを導入し、監査上必要な検収印の運用を維持したまま、会計書類の受け渡し・押印・保存を電子化。学校と教育委員会間で書類を即時に共有できるようになり、会計処理の迅速化に加え、年間約3万枚の紙削減も見込んでいます。
BEFORE 導入前の課題:紙の会計書類のやり取り・管理が業務負担に
  • ・51校から届く大量の紙書類の確認、仕分け、保管に苦労していた
  • ・書類の運搬に1〜2日かかり、不備の修正にも時間がかかっていた
  • ・業者から請求書の電子化を求められ、対応できる環境整備が急務だった
POINT 導入の決め手:既存の運用を変えずに電子化できる仕組み
  • ・監査上必要な「検収印」を電子印鑑へ置き換えられること
  • ・これまでの書類確認や承認の流れを大きく変えずに利用できること
  • ・IPアドレス制限など、公的機関に求められるセキュリティを備えていること
AFTER 導入後の効果:会計事務の迅速化とペーパーレスを実現
  • ・書類を即時に共有できるようになり、不備の差し戻しもその場で対応可能に
  • ・年間約3万枚のコピー用紙削減を見込み、スキャン作業も不要に
  • ・電子保存により、必要な書類をすぐに検索・確認できるようになった
今回は、学校管理課の課長補佐としてShachihata Cloudの導入を進められた高橋様をはじめ、課長の小村様、主任主事の内田様に、導入の背景や効果、今後の展望についてお話を伺いました。
Index

全51校との会計書類のやり取りが大きな負担に

今の監査要件を満たしたまま電子化できることが導入の決め手

15校での実証導入で現場の声を確認し、全51校へ段階的に展開

紙書類の受け渡しから保存まで電子化。
学校・教育委員会双方の業務を効率化し、年間約3万枚の紙削減へ

学校業務のさらなる電子化に向け、活用範囲の拡大を目指す

全51校との会計書類のやり取りが大きな負担に

Q:Shachihata Cloudを導入される前は、どのような課題がありましたか。

高橋様:
最大の課題は、全51校との会計書類のやり取りでした。 学校では教材や備品などの発注や検収を行いますが、その後の支払いや会計処理は、本庁の学校管理課が担っています。そのため、各学校で発生した見積書や請求書、伝票などの書類は、すべて紙で学校管理課へ送られていました。

書類は送達便で受け渡していたため、本庁へ届くまでに1〜2日を要していました。さらに、不備が見つかれば電話で学校へ連絡し、書類を差し戻して修正・再送してもらう必要がありました。確認や差し戻しのたびに日数を要するため、会計処理が滞ってしまうことも少なくありませんでした。

Q:紙書類の管理や運用面でも課題はありましたか。

高橋様:
毎日届く大量の伝票を、処理後に仕分けて保管箱へ綴じる作業も負担でした。 また、本庁の財務会計システムはすでに電子化されていましたので、学校から届く紙書類を一度スキャンしてPDF化し、システムへ取り込むという二重の作業も発生していました。

さらに、一部の取引業者からは「請求書をメールで送付したい」といった要望も寄せられるようになり、紙運用では対応が難しい場面も増えていました。学校現場のデジタル化が進む中、外部環境の変化も踏まえ、事務処理の電子化は避けられないと感じていました。

今の監査要件を満たしたまま電子化できることが導入の決め手

Q:検討を進める中で、Shachihata Cloudを選ばれた決め手を教えてください。

高橋様:
一番の決め手は、現在の事務処理の流れを大きく変えることなく電子化できる点でした。
実は当初、事務の効率化を図るため、学校で物品を正しく受け取ったことを示す「検収印」を省略できないか検討しました。しかし、学校と本庁が離れている以上、学校現場での意思決定や確認の証跡として、検収印は欠かせないという結論に至りました。そこで、検収印の運用を維持したまま電子化できるツールを探していたところ、Shachihata Cloudに出会いました。従来の押印による承認の流れを変えることなく電子化でき、監査上の要件にも対応できると判断しました。

Q:操作性やセキュリティ面では、どのような点を重視されましたか。

高橋様:
まず、学校外での事務処理を規定で制限しているため、IPアドレス制限を設定し、学校内からのみ利用できることが必須要件でした。Shachihata CloudはIPアドレス制限に対応しており、公的機関として求められるセキュリティ要件を満たせることが、導入の前提となりました。

その上で重視したのが、現場の職員が無理なく利用できる操作性です。職員が迷わず利用できるシンプルな操作性で、誰でもスムーズに使い始められそうだと感じたことも、Shachihata Cloudを選択した理由の一つです。

15校での実証導入で現場の声を確認し、全51校へ段階的に展開

Q:導入にあたって、関係部署との調整や職員への展開で苦労された点はありましたか。

高橋様:
事務フローの策定と、関係部署との調整には時間を要しました。特に監査部署に対しては「電子的な検収印でも、従来の紙と同様に証跡として認められるか」という点を整理し、一つひとつ確認を重ねながら進める必要がありました。調整には1〜2か月ほどかかったと思います。 また、実際に利用するのは51校の教職員になるため、スムーズな全校展開に向けて、実際の運用を確認することが重要でした。そこで、まずは15校を実証校として選定し、先行してトライアルを実施しました。

Q:実証校での反応はいかがでしたか。

高橋様:
試用後にアンケートを実施したところ、「操作性やデザイン性」については約70%の職員から肯定的な評価を得られました。また、「印刷枚数が減った」と回答した職員は95%にのぼり、「時間の短縮を実感した」という回答も約80%ありました。現場で具体的な効果を確認できたことが、全校展開を進める大きな後押しとなりました。

Q:具体的に、職員への利用定着に向けてどのような工夫をされましたか。

高橋様:
職員が不安なく利用を開始できるよう、操作方法を事前に確認できる環境づくりを進めました。具体的には、操作手順をまとめた研修動画を作成したほか、校長・教頭・事務職員向けのオンライン説明会を開催し、操作方法や運用ルールを共有しました。全校展開後も、先行して利用していた実証校の職員が近隣校からの質問に対応するなど、学校間で支え合う体制が生まれ、大きな混乱なく全51校へ展開することができました。

内田様:
導入前後は紙による処理とShachihata Cloudによる処理が混在していたため、「この書類はShachihata Cloudで処理するもの」と分かるよう専用封筒を作成したほか、件名の付け方などのルールもあらかじめ定め、職員が迷わず運用できるよう環境を整えました。

Q:導入時のシヤチハタのサポートはいかがでしたか。

高橋様:
固有の環境に合わせて適切にサポートいただけた点が印象に残っています。導入後、ファイルに一部エラーが生じた際も丁寧に検証いただき、当市のセキュリティシステムとの関係で発生している可能性をご提示いただきました。設定変更によって解決できたほか、当市のセキュリティポリシーに必要な各種設定にも柔軟に対応いただき、大変助かりました。

紙書類の受け渡しから保存まで電子化。
学校・教育委員会双方の業務を効率化し、年間約3万枚の紙削減へ

Q:導入後、実際にどのような効果を感じていますか。

高橋様:
まず、紙書類の受け渡しがなくなったことは大きな効果です。書類をすぐに確認でき、不備があった場合もShachihata Cloud上で速やかに差し戻しができるようになりました。また、紙伝票をPDF化するスキャン作業も不要となり、学校管理課側の負担も軽減されています。学校・教育委員会双方で事務処理にかかる時間が短縮され、全校で年間約3万枚のコピー用紙削減、金額にして約2万7千円の削減も見込んでいます。

Q:書類管理の面では、どのような変化を感じていますか。

高橋様:
Shachihata Cloudの長期保存フォルダを活用し、年度別・学校別にフォルダ分けして保存できるようになったため、検索性は格段に向上しました。これまでは紙のファイルから該当書類を探す必要がありましたが、現在はデータ上ですぐに確認できるようになりました。また、学校から電子データで届いた書類をそのまま保存・管理できるため、書類管理にかかる手間も軽減されました。

学校業務のさらなる電子化に向け、活用範囲の拡大を目指す

Q:今後、Shahchihata Cloudで電子化を進めていきたい業務はありますか。

高橋様:
現在は市の公費会計における処理での利用が中心ですが、導入時に実施したアンケートでは、現場から「PTA会費や教育後援会費などの会計業務でも活用したい」という声がありました。学校では、教材費や修学旅行費などに関する事務処理も発生するため、今後はこうした業務にも活用範囲を広げ、さらなる業務改善につなげていきたいと考えています。

また、教育委員会全体としては、現在も残っている押印やFAXによる書類のやり取りを段階的になくしていく方針です。今回のShachihata Cloud導入は、こうした業務の電子化を進めるきっかけの一つになったと感じています。

Q:最後に、同様の悩みを抱えている自治体の方へメッセージをお願いします。

高橋様:
一度にすべてを変えようとするのではなく、まずは取り組みやすいところから段階的に進めていくことが大切だと思います。私たちの場合も、まずは実証校で利用を開始し、効果や課題を確認しながら展開を進めたことで、スムーズな全校導入につなげることができました。

小村様:
学校現場のデジタル化は、単に紙をなくすことだけが目的ではなく、教職員や事務職員の事務負担を軽減し、本来の教育活動により多くの時間を充てることが出来るようにすることも目的の1つだと考えています。今回の電子化によって、印刷や押印、書類整理といった作業を減らし、その分をこどもたちと向き合う時間や学校運営の充実につなげていけることを期待しています。

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