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Shachihata Cloud 導入事例 公益財団法人厚木市環境みどり公社
CASE STUDY

公益財団法人厚木市環境みどり公社

官公庁・公共団体
10~99人
Shachihata Cloud
社内回覧・決裁の タイムロス解消
膨大な紙書類の ファイリング・管理
電子決裁でも運用や文書フォーマットを変えずに文書に捺印したい
20年変わらなかった業務が一変。
情報共有とスケジュール管理が劇的に改善。

20年来の紙文化がもたらす課題とDX推進への決意

公益財団法人厚木市環境みどり公社は、厚木市の外郭団体として環境衛生業務や公園管理など多岐にわたる事業を展開し、77名の職員を抱える公益財団法人です。長年続いた紙ベースの業務フローと個人管理の情報共有に課題を抱えていた同公社は、2025年2月に理事長主導でDX推進を開始します。5社比較の結果Shachihata Cloudを導入し、決裁時間の大幅短縮に加え、供覧物配信が1週間から即時へ、スケジュール管理も組織全体での共有が可能となり、業務効率が飛躍的に向上しました。
導入前に抱えていた課題から、導入後の状況まで、理事長の飛鳥田 諭様、常務理事の石井 正彦様、DX推進担当であり次長の中村 誠治様、主幹の井上 浩仁様にお話をお伺いしました。

旧態依然とした紙文化からの脱却が急務に

まず、貴公社の事業内容や組織としての役割についてお聞かせください。

飛鳥田様:
当公社は1975年に、厚木市内のし尿収集業務を目的として設立されました。その後、2007年4月には同じく市内にあった財団法人厚木市都市整備公社と統合し、2012年4月より現在の「公益財団法人厚木市環境みどり公社」として活動を開始しております。
現在の主な業務は、し尿の収集業務などの環境衛生業務に加え、市内のトイレ清掃や公園の維持管理、さらには中心市街地にある立体駐車場の管理運営など、多岐にわたります。厚木市内には市の外郭団体として6つの法人が存在しますが、当公社はその中でも従業員数が77名と最も多く、公共的な財団法人として市の行政を補完し、支援する役割を担っております。
理事長:飛鳥田 諭様

システム導入を検討し始めたきっかけについて教えてください。

飛鳥田様
きっかけは、当公社の旧態依然とした紙文化にありました。我々のような外郭団体は、他団体との交流が少ないこともあり、どうしても長年のやり方がそのまま定着してしまいがちです。私自身、行政出身で2年前に当公社に着任しましたが、この印鑑を押して回すというシステムに強く違和感を覚えました。
そうした中、今年(2025年)の2月に行われた幹部会で、「DXを推進しよう」と私から指示を出したのがきっかけです。大手の企業ではDXが進んでいる一方、行政、そして我々のような外郭団体はさらに遅れているという状況を痛切に感じていました。そこで、今年の4月の人事異動でDX推進担当を3名任命し、本格的に取り組みを開始した次第です。

紙ベースの起案書回覧に多くの時間と手間

Shachihata Cloud導入前は、どのような流れで業務を行っていらっしゃいましたか。

井上様:
当公社の業務は、基本的に紙ベースで行われていました。一般的な会社でいうところの稟議書にあたる「起案書」を、昔ながらの市役所や公共団体と同じように、紙で回覧していました。起案者が作成した書類に、案件の金額や内容に応じて、課長まで、あるいは理事長までといった形で定められた承認者が順番に押印していくという流れです。
主幹:井上 浩仁様

Shachihata Cloud導入前に決裁ではどのような課題がありましたか。

中村様:
起案書が最終的に決裁されるまでに、非常に多くの時間を要していました。紙ベースで押印して次の人へ回覧するというプロセス自体もさることながら、回覧の途中で書類が今どこにあるのか、承認状況が全く見えないことも不便でした。例えば、施設に持って行ってハンコをもらったり、休暇を取っていたりすると、その時点で1日以上止まってしまいます。また、そもそも今、書類が誰の手元にあるのかが分からず、それを探すこと自体に時間がかかることもありました。
次長:中村 誠治様
井上様:
承認後の書類の保管にも課題がありました。書庫という保管場所はあったものの、すぐに一杯になって収まりきらない状態でした。書類には1年、3年、5年、10年、永久保存といった保存期間が定められており、その期限管理にも大変な手間がかかっていました。期限が切れた書類を処分する作業に、数ヶ月に一度、何日かにわたって、午前や午後のまとまった時間が必要でした。その間は本来の業務を止めて専念せざるを得ませんでした。
また、起案書等もバインダーで回覧していたのですが、職員によっては1日で20~30の書類が回ってきます。

情報共有とスケジュール管理の非効率

情報共有やコミュニケーションについてはどのような課題がありましたか。

井上様:
情報共有は、基本的に事務所内での口頭での伝達や、メールでの連絡が中心でした。それ以外の体系的なコミュニケーション手段は、特にはありませんでした。

スケジュールについては、朝の朝礼で共有したり、各自で管理していました。しかし、結局は個人管理になってしまうため、誰がどのような仕事のスケジュールを組んでいるのかを組織として把握できていませんでした。その結果、スケジュールの管理がしきれず、慌てて対応するといったこともありました。

他にどのような課題がありましたか。

井上様:
会議室の予約に関しても、課題がありました。ダブルブッキングが発生して急遽別の部屋を探さなければならないなど、非効率な状況が多々発生していました。

中村様:
供覧物は紙で全職員に回覧していたため、上に上がってくるまでに1週間はかかっていました。誰が見たか見ていないかの確認も難しく、情報共有の確実性という点でも課題がありました。

徹底した5社比較で最高評価を獲得

今回、最終的にShachihata Cloudを選んでいただくまでに、どのような比較検討をされましたか。

井上様:
展示会などでいくつかのサービスを見させていただきましたが、ワークフローシステムに特化したものはそれほど多くありませんでした。最終的に比較検討したのは、Shachihata Cloudを含め5社です。

必要な評価項目を決め、各項目について、担当者が5社それぞれを点数化し、評価を付けました。具体的には、決裁ルートの設定の柔軟性、決裁人数の上限、決裁可能なファイル形式(Excel、Word、PDFなど)、次の承認者への通知方法、電子印鑑の有無、承認状況の確認のしやすさ、書類の保管方法、そしてサーバーの容量などです。その他にも、オプション機能なども含めて総合的に評価しました。
その結果、最も点数が高かったのがShachihata Cloudだったということです。

Shachihata Cloudのどのような点が特に評価されたのでしょうか。

井上様:
紙の延長で利用できたことが一番でした。紙の書類も取り込めばPDFになり、Shachihata Cloudで押印でき、今までの方法をそのまま移行できるというところが、すごくよかったと感じています。複数の他社製品と比較検討した結果、Shachihata Cloudが断トツで最も優れていると判断し、採用を決定いたしました。

トップダウンの後押しでスムーズな展開を実現

導入プロセスについてお伺いします。職員の方々への展開はどのように進められたのでしょうか。

井上様:
導入にあたって特に困ったことはありませんでした。当初懸念していた職員の習熟度についても、当公社の運用に合わせた簡単なマニュアルを作成し、全利用者に周知しました。申請や承認の方法、その他主要な機能の使い方をまとめたマニュアルです。説明会では「この場合はどうするのか」といった質問も出ましたが、実際に使い始めてからは、「ここが困る」といった声は特に上がっていません。むしろ、職員はスムーズに新しいシステムを受け入れてくれているという印象です。

DXを推進していく過程で、障害となったことや議論となった点はありましたか。

井上様:
障害というよりは、導入後の懸念が一番の議論の的でした。職員は基本的にExcelやWordは使えますので、技術的な問題よりも、「新しいシステムを導入しても、職員たちが本当に使いこなせるのか」という点が最も心配でした。
Shachihata Cloudの導入が成功した最大の要因は、役員の理解が非常に大きかったことです。以前は「クラウドって何?」というところから説明が必要な状況でしたが、今回はトップダウンで「ぜひ推進してくれ」という後押しがあったため、スムーズに進めることができました。

石井様:
私も理事長と同様に行政出身で、昨年度からこちらに着任しました。20年も業務の進め方が変わっていない状況を見て、「これは進めなければいけない」と強く感じていました。DX化の流れは、どの事業体にとっても避けては通れない道です。
幸い、当公社にはやる気のある職員が多く、一度方針を決めれば一気に進める力があります。
こうした取り組みは、躊躇せずに一気に進めることが重要です。4月にDX担当を任命し、当初3年計画だったものを1年で前倒しして実現することができました。
常務理事:石井 正彦様

決裁スピードが1週間から2日へ大幅短縮

現在、Shachihata Cloudのワークフローで運用されている書類には、具体的にどのようなものがありますか。

井上様:
先ほど申し上げた稟議書にあたる「起案書」が中心です。その他には、何かを購入する際に予算執行の伺いを立てるための書類、現場からの「日報」、そして業者から提出される「報告書」などです。

Shachihata Cloudのワークフローでどのような効果がありましたか。

中村様:
承認・決裁のリードタイムが、紙で回しているときは21名の確認が完了するのに1週間ほどかかっていましたが、Shachihata Cloud導入後は休みの方を含めても2日で完了するようになりました。スピードだけでなく、誰のところにあるのかを把握できるようになり、確認が楽になりました。

井上様:
紙の書類が回ってこなくなったことで、ファイリングして保管する手間が完全になくなり、業務効率は飛躍的に向上しました。まだすべて電子化できてはいませんが、Shachihata Cloudを導入したことで回覧書類の7割程度は削減できました。おかげで、書類の量もかなり減り、職場がすっきりしてきたと実感しています。 また、紙の延長で利用できたことが一番でした。紙の書類も取り込めばPDFになり、Shachihata Cloudで押印でき、今までの方法をそのまま移行できるというところが、すごくよかったと感じています。

電子印鑑の活用についてはいかがですか。

中村様:
領収書や請求書など外に出す文書で代表者印を使用しています。これまではすべて実印を使用していました。Shachihata Cloudを導入したことで、実印を押す回数も減り効率化できています。今までは実印を押す際に申請が必要でしたが、スムーズに電子印鑑を使用できるように社内ルールを変更しました。

情報共有とスケジュール管理が劇的に改善

グループウェアの機能も幅広くご活用いただいているようですね。特にどの機能をよく使われていますか。

井上様:
具体的には「スケジューラ」「設備予約」「掲示板」、そして「名刺共有」です。特にスケジューラは、課ごとにグループを作成し、メンバーの休みや外出予定などを共有しています。以前は個人管理だった上、コミュニケーションもあまりとれないことがあり、上司も部下もお互いの行動を把握できていませんでした。今はどんな仕事をしているか把握・共有ができるようになりました。スケジュール管理がしきれず慌てて対応するといったことも減りました。
設備予約機能は、会議室のダブルブッキングを防ぐために役立っています。以前はダブルブッキングが発生して急遽別の部屋を探さなければならないことがありましたが、そうした非効率がなくなりました。

中村様:
掲示板機能も積極的に活用しています。特に効果が大きいのが「供覧物」の回覧です。以前は全職員に回覧するため、上に上がってくるまでに1週間はかかっていましたが、今はスキャンした資料を掲示板に簡単に掲載でき、全職員に一括で配信できるようになりました。誰が閲覧したかも確認できるため、情報共有の確実性も向上しています。掲示板は供覧物のほか、Shachihata Cloudの新しい使い方やマニュアルの周知などにも活用しています。
名刺共有も非常に便利です。これまでは名刺を個人で管理していたため、担当者が退職すると連絡先が分からなくなることもありましたが、OCR機能でデータ化し共有することで、そうした非効率がなくなりました。

情報共有のスピードや質は向上したと感じられますか。

井上様:
はい、格段に向上したと感じています。決裁スピードが大幅に上がったことに加え、グループウェア機能により、組織全体での情報共有やコミュニケーションの質が大きく改善されました。
Shachihata Cloud ポータル画面

今後の展望と評価

導入前に想定されていた効果と、運用後の効果との間に、何かギャップはありましたか。

井上様:
悪いギャップはほとんどなく、むしろ良いギャップを感じています。最初にデモンストレーションで説明していただいた機能はもちろん便利でしたが、実際に導入してグループウェアの様々な機能を試してみる中で、「こんなこともできるのか」という発見が多くありました。想定していた以上の効果が得られたと感じています。

今後は、契約書や入札関連の書類も電子化することで、印紙代の削減や事務手続きの簡素化が図れると期待しております。今後もShachihata Cloudを活用して、業務効率化を進めていければと思います。SDXなども含めた様々なシステムとの連携を図り、さらなる業務改善を進めていきたいと考えております。

石井様:
決裁する側としても、Shachihata Cloudは非常に使いやすいと感じています。以前の職場と比較しても、その進化は明らかです。ハンコ屋さんのシステムらしい、痒い所に手が届く機能が多く、これからさらに機能を生かして業務改善の可能性も感じています。

今回、導入が非常にスムーズに成功した要因、成功させるために重要だとお考えになるポイントについてお聞かせください。

井上様:
やはり、5社を徹底的に比較検討したことが大きかったと思います。単に資料を見るだけでなく、各システムの内部機能まで細かく確認し、当公社の運用に本当に合っているかを見極めました。事前に必須となる機能をリストアップし、それに沿って評価したことで、最適なシステムを選ぶことができたのが成功の要因だと考えています。

そして、石井常務理事からも話があったように、今回は役員の理解が非常に大きかったことが、導入成功の最大の要因です。トップダウンの後押しのおかげで、スムーズに導入・定着できました。

他の法人様や自治体の外郭団体様にも、このShachihata Cloudを勧めたいと思われますか。

飛鳥田様:
はい、ぜひ勧めたいと思います。多くの自治体や我々のような公益法人は、今も紙ベースで押印して回覧するという文化が根強く残っているはずです。Shachihata Cloudは、これまでの紙の運用の延長線上でスムーズに移行できる点が非常に優れています。導入のしやすさという点では、他の製品と比べても圧倒的に早いと感じました。実際に、私も他の団体から聞かれた際には、Shachihata Cloudを使っているよ、と答えています。
取材協力:
公益財団法人厚木市環境みどり公社
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